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隠蔽捜査 の商品レビュー

4.1

404件のお客様レビュー

  1. 5つ

    118

  2. 4つ

    187

  3. 3つ

    63

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

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2024/02/20

この『語り口の巧さ』よ…。

2024年2月読了。
もうずっと昔から存じ上げていましたし、凄まじい多作でも有名な著者の作品。本書も2時間ドラマでも観たような話…。
ふとした切っ掛けで読み始めたのですが、気軽にちょっと手を伸ばして読み始めたらグイグイと惹き込まれ…数時間で読了。この「語り口の巧さ」に...

2024年2月読了。
もうずっと昔から存じ上げていましたし、凄まじい多作でも有名な著者の作品。本書も2時間ドラマでも観たような話…。
ふとした切っ掛けで読み始めたのですが、気軽にちょっと手を伸ばして読み始めたらグイグイと惹き込まれ…数時間で読了。この「語り口の巧さ」には、ほとほと脱帽しました。
『多作と言えど必ずしも不作ならず』と自身で意志表明し、「そんな事を言ったってどうせ…」と鼻で笑っていたのが私の学生時代の頃ですから、もうかれこれ30年近く昔の話…。
久しぶりに読んで、本当に著者の『圧倒的な筆力』に恐れ入りました。こんなに爽やかな読後感は久し振りかも。
こんなに沢山の著作で、今だにこれだけのレベルの小説を量産出来る作家は、ミステリ界でもまず居ないと思います。
最近は、しっかりした構成の「推理小説」と、いわゆる「ラノベ」の類との境界線が崩れてきていますが、同じ土俵で戦うのなら、著者のような『読者を引き摺り込む巧さ』を、若い作家の方々にはしっかり学んでほしいと切に願います。とにかくひたすら『堪能』しました。感謝です。

左衛門佐

2024/04/28

読み始め、こいつ嫌いだって思った。 東大京大以外は大学じゃない? 家の事は妻の仕事? ふざけろよ読むのやめるぞと思いながら読み進めて、 そうだよね、正しい事をやらなきゃ後悔するよね、 と、その行動に納得した。 悔しいが、魅力的な人物だった。 続き、読みます。

Posted byブクログ

2024/04/09

7から読み始めて面白かったので、最初から読もうとシリーズを集めました。 最初から読むと、周囲が言うように「変人」というしか無い。強烈なエリート意識、常に相手をキャリアかノンキャリアで見る。長男にも東大に行くことを求めて、私大を辞めさせて浪人させる。娘には政略結婚を勧める。それでい...

7から読み始めて面白かったので、最初から読もうとシリーズを集めました。 最初から読むと、周囲が言うように「変人」というしか無い。強烈なエリート意識、常に相手をキャリアかノンキャリアで見る。長男にも東大に行くことを求めて、私大を辞めさせて浪人させる。娘には政略結婚を勧める。それでいて家庭のことは妻任せ。これだけだと嫌な人になってしまうが、行動は原理原則通り。ブレが無い。自分が間違っていると分かれば躊躇なく修正する。それが明確なので読んでいてスッキリする。 この本でも迷いは確かに有ったが、最後は正しい方向に邁進している。降格人事となってしまったが、次の大森署長での舞台が楽しみになる。

Posted byブクログ

2024/03/22

今野敏『隠蔽捜査』読了。痺れた。よもや警察組織、官僚機構においてこんなにも格好いいヒーローを描かけるとは。まかり間違って高校生や大学生の頃に読んでいたら警察官僚を目指してしまっていたかもしれない。現実との対比ということもあるだろうけどれど。

Posted byブクログ

2024/03/20

今野敏といえば警察小説というイメージだが、随分前に一作読んだことがあるのみだった。 先日読んだ堂場瞬一がガッカリだったので、何か警察小説で良いのがないかと思って読んでみた。 まず、この作者は難しい言葉、漢字などは一切使わず、読みやすい文章に好感が持てた。 ストーリーとしては、警...

今野敏といえば警察小説というイメージだが、随分前に一作読んだことがあるのみだった。 先日読んだ堂場瞬一がガッカリだったので、何か警察小説で良いのがないかと思って読んでみた。 まず、この作者は難しい言葉、漢字などは一切使わず、読みやすい文章に好感が持てた。 ストーリーとしては、警察官僚(キャリア)である主人公・竜崎伸也が、連続殺人事件と息子の件を絡めながら同時進行で描かれる。 竜崎は、小さい頃から勉強に励み、東大を経て国家公務員試験に合格し、警察官僚となる。 多くの小説では、叩き上げの警部が主人公で、その 邪魔をする存在として描かれることが多い「キャリア」だが、本書ではそのキャリア視点から描かれているのがとてもユニークと感じた。 私の大好きな、ウィングフィールド作品に登場するフロスト警部が、まさに現場叩き上げタイプだ。上司である署長の言うことなど聞かず、やりたいように捜査を進めてしまう、その破天荒さがたまらなく楽しい。 普通だと、竜崎のような人間だと感情移入しづらく面白くないのではないかと思うのだが、とんでもない。 とにかく、この真面目で原則を重要視し融通の効かない仕事ぶり、いや生き方に逆に爽快感さえ感じて応援してしまうのだ。 おそらく、自分自身で考えてみると、今までの人生で何事にもつい妥協し、仕事でもある程度適当?に誤魔化して過ごしてしまう自分自身の情けなさといったものを実は感じているからだろうか。 単なる優越感、ブライドではなく、竜崎の警察官僚としての使命、矜持というようなもので突き進んでいく姿に感動し憧れてしまうのだ。 終盤に、部下の谷岡との会話では、思わず涙が止まらなかった。それまでは、ひたすらキャリアとしての仕事を遂行することだけが重要で、他人や同僚との個人的な関係は不要と考えている竜崎だが、谷岡からの言葉は嬉しかっただろうと思う。 「隠蔽捜査」はシリーズ物のようだ。 竜崎のこれからの活躍が、まだ何巻も味わえると思うと楽しみで仕方ない。

Posted byブクログ

2024/03/02

ひまわりめろんさんの本棚によく今野敏さんが登場するのだが、 まぁ、相変わらず事件の中身はね うんまぁどうってことないですよ 竜崎がなんか喋ってるだけでいいんです ファンてそういうことですから! というひまわりめろんさんの感想を読んで、気づいたら今野敏の隠蔽捜査を購入していた。...

ひまわりめろんさんの本棚によく今野敏さんが登場するのだが、 まぁ、相変わらず事件の中身はね うんまぁどうってことないですよ 竜崎がなんか喋ってるだけでいいんです ファンてそういうことですから! というひまわりめろんさんの感想を読んで、気づいたら今野敏の隠蔽捜査を購入していた。 もうね、このひまわりめろんさんの感想そのまんまでしたわ( ̄▽ ̄) 事件の中身は、うんまぁどうってことなかったですわ。 竜崎が喋ってるのが面白かった( ̄∇ ̄) 無能な上司は、何か問題が起きたときに、それが誰の所為か追及したがる。有能な上司は、対処法を指示し、また何かのアイデアを部下に求める。 かっけー。 私の上司は、前者だな(笑) それはまきちゃんが、そうやったもんで、そうなったじゃん! 他人の所為にしかしない( ̄▽ ̄) こりゃなかなか面白い。 続きも読もうo(^▽^)o

Posted byブクログ

2024/03/01

ぶっとい筋が一本通ってて凄く好き。 「あなたは、気づいていないかもしれないけど、一番父親らしいことをやったのよ」 「道を踏み外しちゃいけないって、子供たちに教えた。だから、言ったのよ。無能な父親にしてはよくやったって」

Posted byブクログ

2024/02/15

2008年(発出2005年) 409ページ 以前Kindle Unlimitedで読んだものを文庫本で再読。 読み始めと読み終わりでは、竜崎伸也に対するイメージがガラリと変わっているでしょう。 46歳の冴えない中年、家庭をかえりみない仕事人間、仕事場では無愛想、陰険と思われて...

2008年(発出2005年) 409ページ 以前Kindle Unlimitedで読んだものを文庫本で再読。 読み始めと読み終わりでは、竜崎伸也に対するイメージがガラリと変わっているでしょう。 46歳の冴えない中年、家庭をかえりみない仕事人間、仕事場では無愛想、陰険と思われていて、自らも自分は陰性なのだと自覚する男。 しかし、読み終わった後は、冷静だが心の底に熱いものを秘めた愛すべき竜崎伸也に変貌していました。 東大卒の警察のキャリア官僚を描いた作品です。 法と秩序を重んじ、原理原則に従って行動する男。 妻からは唐変木と言われ、同僚からは変人と言われている。しかし、不正は許さず正義感に溢れている。国家のためなら命を投げ出す覚悟もある。 竜崎が、警察の隠蔽と家庭の問題にどう立ち向かっていくのかが見どころです。乗り越えたところに見えたのは、竜崎の心境の変化でしょうか。 いい味を出しているのは、竜崎の奥さんの冴子ですね。同僚のことを無能な役人とこき下ろす一方で、竜崎は冴子に無能な父親と言われます。竜崎は「俺はその無能という言葉が一番嫌いなんだ」と言っていましたが(笑) 冴子はいいセリフを言っています。「あなたは、一番父親らしいことをやったのよ。道を踏み外しちゃいけないって、子どもたちに教えた。だから、言ったのよ。無能な父親にしてはよくやったって」 最後は異動となってしまった竜崎ですが、すごく読後感の良い小説でした。

Posted byブクログ

2024/01/28

竜崎伸也シリーズ1作目。はじめはあまりいい印書を受けなかった主人公の竜崎伸也でしたが、読み進めていくうちにシンプルで合理的に仕事を進めていくスタイルと、警察組織の腐敗する部分を持ち前のド正論できりきり舞いしていく展開に爽快でした。

Posted byブクログ

2024/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想 昔読んだ隠蔽捜査もシリーズがだいぶ増えているみたいなので再読。 堅物の竜崎のような官僚は融通が利かないが正しいことをするような人が真っ当な評価を受ける社会は良いもんだ。 あらすじ 警察キャリアの竜崎は、警察庁長官官房でマスコミ対策をしている。東大以外は大学ではない、人の気持ちは考えるだけ無駄などプライドが高い変人だ。同期の私大卒の警視庁刑事部長の伊丹も見下している。 警視庁管内で少年時に犯罪を犯した者が殺される連続殺人事件が発生する。捜査を進める中で犯人が現役警察官であることが発覚する。同時に、浪人していた竜崎の息子がヘロインをしていたことを竜崎が見つける。 竜崎は警察官として、犯人を公表し、息子を自首させようとするが、周りの官僚は事件の隠蔽へと動く。竜崎は正しい自分の考えを貫けるのか?

Posted byブクログ