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世界史(上) の商品レビュー

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124件のお客様レビュー

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2022/07/16

世界に起きる変化=歴史の内容を、発生した出来事を立脚点に、「文明の変化/伝播」という世界史的観点から説明している。いろいろあるが、鉄器や鐙、戦車の例などは面白かった。 技術や資本が蓄積・保存でき、剰余ができることにより時間ができていくことで、別の作業が可能になり、新しい変化を導...

世界に起きる変化=歴史の内容を、発生した出来事を立脚点に、「文明の変化/伝播」という世界史的観点から説明している。いろいろあるが、鉄器や鐙、戦車の例などは面白かった。 技術や資本が蓄積・保存でき、剰余ができることにより時間ができていくことで、別の作業が可能になり、新しい変化を導出する基盤となる。 そこに、他の文明などからの影響を、置き換えや一部受け入れ等を行い、成果物が出てくるという流れになっている。「変化を取り入れる・置き換える」にあたっての理論は、時の為政者の毎回の苦慮ポイントであり、対応もインドのように取り入れ同居させてしまうパターンや、完全に滅ぼしてしまうパターンなど様々。理論は宗教がベースになっていることが多い。 一方、同じ宗教内部でも細目などへの考え方が違うことで、集合的な命令に対して常に反発する層が発生する可能性を抱えていることで崩壊してしまったりするケースも。対応的に個々の命令ばかり出すと、集合体としての安定性が揺らぐという、矛盾を常に抱えている(ギリシャのポリスは個人の自律と集合を、ホメロスの詩やポリスと英雄の同質化で絶妙に解消したケースや、中国のように官吏へ試験を課し、可能な限り為政者側の同質性を高める工夫など)。社会の分極化は文明の代償であると述べられている。 アルファベット文字による知識の大衆化、貨幣による市場の浸透とその価格変化により社会へ柔軟性を与える、水田とそうでない畑作により求められる労働の種類が違い、それにより人員の性質に影響を与える、など事象とその背景の理屈がとてもよく理解できた。 更に日本史は急激な転換を、特に外部要因を受け発生させ続けた特異な歴史とされていること、古代インドの影響をアジア全体は強く受けていることなど、述べられていた。(前者は下巻で詳述?) 一方で、語順倒置の話として、新しい事象の理論を過去に典籍に求めるということが中国の儒教やキリスト教の例で紹介。その行為が行われえるだけの、深さのある教義であるということでもあり、また預言的と言われるのはこういった行為が行われるからそう呼ばれる(論理を見つけに行く作業)ともいえる。 更にその理屈があるのであれば、現状の社会の分化の促進が見られることは、文明がある方向に進んでいることでもあり、後々に分化の背景とその結果と共に語られうる変化フェーズにいることは容易に想像がつく。または為政者側へは技術や資本が蓄積され、結果的に時間が空くケースも同様に促進されていることから、何かの変化の背景として位置付けることができるはず。過去より社会が安定性を持っているがゆえに、そのスパンや変化の結果も見えづらくなっている可能性あるが、これこそが「歴史」そのものであると言える。

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2022/05/19

大人のための世界史の教科書といった感じ。わかりやすいとレビューされていましたが、それなりに難しいし、「ここはどういうことだろう?」と迷いながら読むこともありました。 やっぱりローマ史とかキリスト教関連ははマクニール世界史でも難しかったです。もう漫画版で出してほしい。逆にインドと...

大人のための世界史の教科書といった感じ。わかりやすいとレビューされていましたが、それなりに難しいし、「ここはどういうことだろう?」と迷いながら読むこともありました。 やっぱりローマ史とかキリスト教関連ははマクニール世界史でも難しかったです。もう漫画版で出してほしい。逆にインドとかアジア史、カースト制度やヒンズー教あたりはわかりやすくサクサク読めました。 前半部分に青銅器とか古代戦車の記述がよく出てくるのですが、そういった道具関連の写真資料の掲載が少なく、ほとんど文字だけなので、ネットで調べながら読み進めていく作業も楽しかったです。 とはいえこの密度で下巻が続くと思うとちょっと憂鬱になります。

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2022/04/06

・以前、ハードカバー版は読んだことがあって、また読みたくて、文庫版もわりと前に購入していたのだけど、ようやく読んだ。 ・読みにくい文章ではないけど、読み応え有り。 ・前に読んだときよりは中身も理解できたと思う。まだまだだけども。 ・歴史の取っ掛かりは僕の場合、人物だけど、本書は地...

・以前、ハードカバー版は読んだことがあって、また読みたくて、文庫版もわりと前に購入していたのだけど、ようやく読んだ。 ・読みにくい文章ではないけど、読み応え有り。 ・前に読んだときよりは中身も理解できたと思う。まだまだだけども。 ・歴史の取っ掛かりは僕の場合、人物だけど、本書は地政学とかを軸に世界史を繋いでいく感じで、やっぱり面白い。 ・上巻は1500年辺りまで。

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2022/02/13

やっと読了。私の中では読了までに一番時間がかかった本かもしれない。宗教や文化からくる民族の精神に重きをおいた著作のように私には思えた。上巻が終わっても、まだ私には世界史を半分も分かったようには思えない。 下巻も頑張ろう

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2020/07/24

マクニール独自の史観で人間の歴史の流れを綴った本。上巻は、ユーラシアの文明誕生から紀元後1500年まで。

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2020/05/01

高校時代の世界史の教科書内容をそのままアカデミックに仕立て上げた印象。 オーソドックスな内容のため、初学でも読み進められる。

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2020/04/26

四十年近く読み続けられているマクニールの「世界史」。他の世界史のテキストと比べると覚える単語などはあまり出てこないが翻訳によくある独特の言い回しが多少読みづらい面も。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou28501.html

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2020/04/21

世界史の概観をもう一度読んでみたいと思い、本書を手に取りました。上巻ではユーラシア大陸と北アフリカでの四大文明の勃興から、中世までへの変遷がまとめられています。 大陸での民族の移動や、統治制度の変遷、そして文化の相互影響が完結にまとめられていてわかりやすく読めました。個別の地域の...

世界史の概観をもう一度読んでみたいと思い、本書を手に取りました。上巻ではユーラシア大陸と北アフリカでの四大文明の勃興から、中世までへの変遷がまとめられています。 大陸での民族の移動や、統治制度の変遷、そして文化の相互影響が完結にまとめられていてわかりやすく読めました。個別の地域の詳細な歴史は別途専門書を読む必要がありますが、世界史の大きな流れを把握するには良いのではないかと思います。 ギリシアの都市国家ポリスが、領土により既定された国家の主権という概念のはじまりとなり、ローマの法体系の構築が契約関係、財産権や時代に即した立法など、今日の法治国家の基礎を形作ったというような記述は、現代社会が長い歴史の流れに浴していることを思い出させます。 またキリスト教、ヒンズー教、仏教などがなぜ幅広い地域で信者を獲得していったか。それはこれら宗教の普遍性が都会生活者すなわち故郷を離れて暮らす者たちの必要に即していたことや、アウグスティヌスの”神の国”が、西欧の世界観の源流となった点など、今後さらに読書をしてみたい論点も見つけることができたのは嬉しい点でした。 アジア地域に広範な影響を及ぼした文化として、インドの文明が挙げられています。遠い日本まで連なる仏教の伝播の軌跡を今日まで認めることができることからも、この指摘には納得することができました。

Posted byブクログ

2019/06/23

非常に面白い歴史観である。著者はアメリカの歴史学の権威であり、言うなれば、アメリカという覇権国家が世界の秩序を保つ上で、世界の国々が現在こういう状態である所以が説明され、アメリカの指導者の理論的根拠となっていると推察される。従って、これは普遍的真理などではなく、アメリカ人が世界の...

非常に面白い歴史観である。著者はアメリカの歴史学の権威であり、言うなれば、アメリカという覇権国家が世界の秩序を保つ上で、世界の国々が現在こういう状態である所以が説明され、アメリカの指導者の理論的根拠となっていると推察される。従って、これは普遍的真理などではなく、アメリカ人が世界の国々を見定める眼差しである点に留意が必要である。ただ、私個人として、この歴史観に深い共感を示す者である。つまり、やや政治的だが、アメリカの作る秩序に、私は喜んで参画しているということである。そう言えば、トランプのツイッターに抱腹絶倒で楽しんでいるのも、この意味で自得できる。一方、我々日本人はこの歴史観と強力に対抗する中国の歴史叙述を漢文で読めるし、実際私は感銘を受けている。そうは言っても、このアメリカの歴史観と史記のような歴史観を対置して、明晰に評価することなど私にはできないが、少なくとも私というか、日本人である私がこれらの大事業に触発されて同じ仕事の完成を夢見ることは全然必要ではない。我々日本人にも立ち位置があり、この本のように世界の秩序を規定してしまうような大事業はやる必要もなく、しかし、何かしら認識上の問題が起こっていて、それを明確化して知見として打ち出すことは必要不可欠だと思う。我々は何を認識として打ち出すかということである。それは日本の歴史を世界の人々に示して見せることも一つだろうが、世界的な認識の流れに沿う形で知見を形作る必要性は疑いない。それはどんな内容か、今後も学びを続けたい。

Posted byブクログ

2019/06/12

噂とおり、世界史を横断的に理解するにはわかりやすい一冊。 かなりのボリュームで読むのは大変だが、文化、宗教などいろんな観点で述べられていて興味深い。 そんな世界観で述べられていているが、結構日本についても記載されていて、昔から実はグローバル社会が確立されていたように再確認できる

Posted byブクログ