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先生と僕 の商品レビュー

3.7

155件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    55

  3. 3つ

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2010/10/28

 引きこもり探偵シリーズの坂木司の短編連作。  本書のコンセプトは単純明快で、「ミステリーを普段読まない人のためのミステリー」である。人が殺される話やロジックに傾倒した推理小説が苦手な人でも抵抗なく楽しんで読める。日常生活の中で出会った些細な謎を解明する物語。誰も死なないし、グ...

 引きこもり探偵シリーズの坂木司の短編連作。  本書のコンセプトは単純明快で、「ミステリーを普段読まない人のためのミステリー」である。人が殺される話やロジックに傾倒した推理小説が苦手な人でも抵抗なく楽しんで読める。日常生活の中で出会った些細な謎を解明する物語。誰も死なないし、グロテスクな描写もない。なんだかこれだけ書くと、米澤穂信の一部著書を連想させる。  本書はミステリー大好きな中学生と怖いのが大の苦手な大学生というちぐはぐな組み合わせがエッセンスとなっている。どっちが年上だかわからないような会話とテンポよく進むストーリーで、引き込まれるよりもいつの間にか一話読み終わってましたという印象。  一話ごとにモチーフとなった小説があり、一話の終わりにモチーフとなった小説を紹介してくれる。まさにミステリー入門書としては理想的な一冊であるといえる。しかし、どの分野の入門書もそうであるようにミステリーを好んで読む人にはやや味気ないかもしれない。  坂木司の描写は比較的さっぱりとしていて、すいすいと読めるのだけど時折ハッとするような人間の鋭利な部分が滑り込ませられている。それはさながら目の前を行き交う人々の中に、一人だけ包丁を持って歩いている人がいるようなさり気無さで、気づいた瞬間ドキリともヒヤリともつかない驚きに包まれる。しかし、それがなんとも癖になるのである。

Posted byブクログ

2010/10/26

「先生と僕」―2人が向かった書店でみかけたもの…?「消えた歌声」―推理小説研究会の仲間と行ったカラオケで…?「逃げ水のいるプール」―区民プールで働くクラスメートが…?「額縁の裏」―繁華街で無料の展覧会に誘われたら…?「見えない盗品」―ペット用品をネットで買おうとしたら…?(こわが...

「先生と僕」―2人が向かった書店でみかけたもの…?「消えた歌声」―推理小説研究会の仲間と行ったカラオケで…?「逃げ水のいるプール」―区民プールで働くクラスメートが…?「額縁の裏」―繁華街で無料の展覧会に誘われたら…?「見えない盗品」―ペット用品をネットで買おうとしたら…?(こわがりな大学生+ミステリ大好き中学生)×謎=名探偵。あなたのまわりのちょっとした事件。先生と僕が解決します(「BOOK」データベースより) ↑あ、ストーリーはまんまこの通りです。 ちょっと小生意気な中学生・瀬川隼人くんが好みー。 あと物語が始まる前、 「ミステリ読むのって、初めて?」 という一文が入っているのと、物語の終わりに、 「あ、そうそう。まだ先の話だろうけど、卒論を書く前には『六の宮の姫君』を読んでおいた方がいいと思うよ」 という一文が入っているトコはニヤリとさせられましたね。 本の装丁もかっこいいし、中表紙で連作になってる猫の動きもかわいいの。 本の作りにも、色々こだわりがある作家さんなんでしょうね。 結構好きです、そういう人。 隼人君おススメの、怖くない&人が死なないミステリ(押絵と旅する男、「シャーロック・ホームズの叡智」よりノーウッドの建築士、黒後家蜘蛛の会、猫は手がかりを読む、天から降ってきた泥棒、六の宮の姫君)の紹介もあるから、この作品を読んだ後に、作中に出てくる名作をたどってみる楽しさもあり。 いろんな楽しみ方ができる、お得感たっぷりの一冊です。

Posted byブクログ

2010/09/20

上京してきた大学1年の二葉は家庭教師にスカウトされる。 といっても教え子の隼人くんはとても優秀で教える必要はなく 勉強とミステリ話を半々で行うことに。 見たことを画像として記憶できる二葉は ミステリマニアで大人びた隼人くんと一緒に 身近な謎の探偵をはじめることに。 装丁:石川絢士...

上京してきた大学1年の二葉は家庭教師にスカウトされる。 といっても教え子の隼人くんはとても優秀で教える必要はなく 勉強とミステリ話を半々で行うことに。 見たことを画像として記憶できる二葉は ミステリマニアで大人びた隼人くんと一緒に 身近な謎の探偵をはじめることに。 装丁:石川絢士[the GARDEN] 二葉のために人が死なないミステリがたくさん紹介されてますが 坂木さんの本も人が死なないミステリの代表格だと思う。 ただ今回は悪意をもった第三者の犯罪が多くて 人情話はあまりなかったなぁ、というのが感想です。

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2014/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こまっしゃくれた子供と優柔不断系男子…というテンプレートに 超記憶能力がスパイスとして入れられている。 いわゆる日常系ミステリー…の軽め・ゆるめな一冊。 カラオケ店の話は実際にこういう事件(消防法違反建築物での火事) 新興宗教の話とか結構他人事ではないと感じた。 もうちょっと歯ごたえがあった方が個人的には良かった。

Posted byブクログ

2011/08/03

瞬間記憶能力を持つ地方から都会に出てきたばかりの怖がりやさん伊藤二葉さんが頭脳明晰・お坊ちゃま・ジャニーズ系の容姿の中学一年生瀬川隼人君というミステリの先生と出会い日常に潜む謎を解いてゆく短編集。 いつも教えを請うていた隼人君に二葉さんも大切な事を教えていたことに気づく『見えない...

瞬間記憶能力を持つ地方から都会に出てきたばかりの怖がりやさん伊藤二葉さんが頭脳明晰・お坊ちゃま・ジャニーズ系の容姿の中学一年生瀬川隼人君というミステリの先生と出会い日常に潜む謎を解いてゆく短編集。 いつも教えを請うていた隼人君に二葉さんも大切な事を教えていたことに気づく『見えない盗品』というお話がいっとうお気に入りです。 隼人先生が教えてくれるミステリの本北村さんの御本以外読んだことがありませんでした。 わたくしも二葉さんにならって読んでみようと思います^^

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2010/07/31

お人好しでこわがりな大学生がミステリ好きの中学生の家庭教師になり、ミステリ講義の生徒になる話。 ほのぼの5短編。恐くないミステリ作品紹介つき。 微笑ましい。人が死なないだけで結構悪質な犯罪も含まれてますがお話は穏やかな雰囲気です。

Posted byブクログ

2010/07/20

坂木司の日常の謎系は、「切れない糸」とかみたいにちょこっと専門性があるもののほうがおもしろいと思う。

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2010/07/16

比較的さらっと読めました。人が死なないミステリーなので、人にも薦めやすい一冊です。読後感も爽やかです。 二葉と隼人の関係も可愛らしくて微笑ましいです。このままシリーズ化とかしないんでしょうか…。

Posted byブクログ

2012/03/29

面白かった!非現実的に感じられないからこそ話に入り込みやすい。キャラクターもやっぱり魅力的で、なんだか愛おしくなる。これで隼人くんがただの大人びた生意気中学生だったらまた印象は変わってくるのだろうけど、時折見せる中学生らしい言動には思わずキュンとしてしまいます。二葉くんがだんだん...

面白かった!非現実的に感じられないからこそ話に入り込みやすい。キャラクターもやっぱり魅力的で、なんだか愛おしくなる。これで隼人くんがただの大人びた生意気中学生だったらまた印象は変わってくるのだろうけど、時折見せる中学生らしい言動には思わずキュンとしてしまいます。二葉くんがだんだん成長していく様も良かった。時に教えられ時には教える、互いが互いの先生。これはどんな日常生活においても言えることだと思う。色々な人と出会う中で色々なことを学んで。そして時には自分が誰かに何かを教えているのかもしれない。

Posted byブクログ

2010/06/29

うーん。 軽い調子なのとか、中学生が先生で大学生の僕が生徒なのも面白いとは思ったけど。 なんか拍子抜け。 引きこもり探偵は面白かったが。 やっぱり事件解決したときに後味悪いっていうか、 そんな程度のことかよがっかり~というのがでかい。 これ読んだ人は加納朋子「ななつのこ」を読ん...

うーん。 軽い調子なのとか、中学生が先生で大学生の僕が生徒なのも面白いとは思ったけど。 なんか拍子抜け。 引きこもり探偵は面白かったが。 やっぱり事件解決したときに後味悪いっていうか、 そんな程度のことかよがっかり~というのがでかい。 これ読んだ人は加納朋子「ななつのこ」を読んでほっこりするべき。と思う。

Posted byブクログ