アメリカン・スクール の商品レビュー
表題作と『微笑』は面白かった。安部公房みたいな不条理テイストな作品多し。アメリカや支配を通して書き出す劣等感とか敗北感みたいなものがすごく上手い。
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アメリカン・スクールの見学に参加した、30人ばかりの日本人英語教師たち。戦後3年経つたばかりの時代背景です。 メムバアの一人である伊佐は、英語を話したくない(不得手らしい)ばかりに、日本語でも口をききません。逃げ回つてゐます。 一方山田といふ男は、何かと一同を仕切りたがるうるさい...
アメリカン・スクールの見学に参加した、30人ばかりの日本人英語教師たち。戦後3年経つたばかりの時代背景です。 メムバアの一人である伊佐は、英語を話したくない(不得手らしい)ばかりに、日本語でも口をききません。逃げ回つてゐます。 一方山田といふ男は、何かと一同を仕切りたがるうるさい奴で、英語力を誇示したいやうです。さて、どうなりますか... さて本書は小島信夫氏の初期作品集であります。各作品に共通するのは、主人公が皆、苦しんでゐまして、常に懊悩してゐることであります。 本来ならいくらでも重苦しくなるところですが、その文章の軽妙さで、読む者を暗澹とさせません。ふつと軽く笑はせながら、戦後の矛盾した社会、不条理な世界を抉り出してゐるのでした。 現在でも十二分に読み応へのある傑作集と申せませう。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-89.html
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うーん。結論から言うと あまり面白くなかったなぁ~。 なんだかね、8編の主人公に共感出来なかったのが一つの原因かな。 それと時代背景。 終戦間近だったり、終戦後だったりして、いまいち、イメージしづらいんだよね~。 しかもちょっと私小説っぽくって苦手。 表紙を見ると、コミカル系に見...
うーん。結論から言うと あまり面白くなかったなぁ~。 なんだかね、8編の主人公に共感出来なかったのが一つの原因かな。 それと時代背景。 終戦間近だったり、終戦後だったりして、いまいち、イメージしづらいんだよね~。 しかもちょっと私小説っぽくって苦手。 表紙を見ると、コミカル系に見えるんだけど。。。。 各短編のストーリーはこうです。 ★記者の中 戦後の記者の中で交わされる人間関係。 ★燕京大学部隊 英語関係の部署に配属された戦士の人間関係。 ★小銃 小島信夫の処女作。小銃に取り付かれた兵士の話。 ★星 兵士の階級である襟章の星に取り付かれた兵士の話。 ★微笑 小児麻痺の子供を持った父親の話。 ★アメリカン・スクール 日本の英語教師がアメリカン・スクールに見学に行く話。 ★馬 馬に取り付かれた女房をもつ旦那の話。 ★鬼 「エンマ」と言われる川にまつわる男の話。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
戦争中、戦後が中心で、現代とは馴染めない表現もあったが、ユーモアのセンスはピカイチ。一つ間違えたら、下品になりかねない場面も上質の笑いを誘われた。中でも、「汽車の中」での主人公がトイレに行きたくなるシーンは抱腹絶倒で、表現力の巧さが物を言っている。他には、表題作「アメリカン・スクール」や「馬」が良かった。
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2012.9.22読了。 可愛がられる男の不機嫌、原因・説明もなく起こる悲劇、身動きのとれない男。
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授業で扱ったシリーズ。作中のミチ子の滑稽さに、女性自体を馬鹿にされたように感じてしまった。でも、伊佐や山田のようにどちらかにこだわらなかったミチ子に女性ならではだな、と嬉しく思ったり。
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基本的に、精神が肥大化したような男が主人公になっていて、様々な「装置」によって狂気が発動していくような小説が並んでいる。常識から考えたら、殆んどの作品の主人公の行動には脈絡がなく、唐突で衝動的だ。文体もかなり特殊で、唐突さに拍車をかけている。それなのに、面白いと思って読んでしまう...
基本的に、精神が肥大化したような男が主人公になっていて、様々な「装置」によって狂気が発動していくような小説が並んでいる。常識から考えたら、殆んどの作品の主人公の行動には脈絡がなく、唐突で衝動的だ。文体もかなり特殊で、唐突さに拍車をかけている。それなのに、面白いと思って読んでしまうのは、単なる心情の吐露が明らかな狂気と紙一重になるまでの記述が、唐突ゆえに迫力があって、読ませてしまうからだ。実際にこんな人間がいたらとてもじゃないが付き合いきれない。だが、人間の付き合いきれなさって、もしかするとこういうもののことを言うのかもしれないと、「小銃」や「馬」、「鬼」などを読んで思った。「汽車の中」や「アメリカン・スクール」は、舞台化や映画化してみると更にまがまがしくなって面白いかもしれない、と思った。コメディ調の映像が脳内再生されている。
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初期の短編集。 保坂さんの解説に「小島作品では事件も気持ちの変化も原因なく起こる」とあった。たしかに作品中の出来事は、前ぶれなく一文で急に発生することが多い。主人公の気持ちも唐突に変わる。ただ、その予測不能さは魅力でもあって、先へと読ませる力を生んでいると思う。
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いまだかってこのような作風には出会ったことがない。ひとつひとつの作品の意味を追いかけても掴みきれない。それゆえ、読んでいてある種苛立ちを覚えるのであるが、じゃあ、途中で放り出してしまうのかと云えば、最後まで読まないと気が済まない。それで最後の一行まで読んで何か結論めいたものが分か...
いまだかってこのような作風には出会ったことがない。ひとつひとつの作品の意味を追いかけても掴みきれない。それゆえ、読んでいてある種苛立ちを覚えるのであるが、じゃあ、途中で放り出してしまうのかと云えば、最後まで読まないと気が済まない。それで最後の一行まで読んで何か結論めいたものが分かったのかといえば、否といわざるを得ない。でも、次の作品を読んでみたいという不思議な魅力を感じる。いや、感じようとしているだけで、ちっとも何も気づいていないのかもしれない。
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村上春樹さんのオススメなので 即 読んでみることに 。 「馬」が印象的やった 。 独特の世界観・視点 。
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