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アメリカン・スクール 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/01/01 |
JAN | 9784101145013 |
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アメリカン・スクール
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商品レビュー
3.9
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著者、小島信夫さん、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 小島 信夫(こじま のぶお、1915年〈大正4年〉2月28日 - 2006年〈平成18年〉10月26日)は、日本の小説家。中国から復員後、教師を経て『小銃』で文壇に登場。「第三の新人」の一人と目さ...
著者、小島信夫さん、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 小島 信夫(こじま のぶお、1915年〈大正4年〉2月28日 - 2006年〈平成18年〉10月26日)は、日本の小説家。中国から復員後、教師を経て『小銃』で文壇に登場。「第三の新人」の一人と目されるも、抽象表現を帯びた前衛的手法の作品に独自の道を拓いた。評伝や文学論でも活躍。日本芸術院会員。文化功労者。位階は正四位。 ---引用終了 で、「BOOK」データベースによると、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 アメリカン・スクールの見学に訪れた日本人英語教師たちの不条理で滑稽な体験を通して、終戦後の日米関係を鋭利に諷刺する、芥川賞受賞の表題作のほか、若き兵士の揺れ動く心情を鮮烈に抉り取った文壇デビュー作『小銃』や、ユーモアと不安が共存する執拗なドタバタ劇『汽車の中』など全八編を収録。一見無造作な文体から底知れぬ闇を感じさせる、特異な魅力を放つ鬼才の初期作品集。 ---引用終了 まず、表題作は、芥川賞受賞作になりますので、その前後の受賞作を確認しておきます。 第31回 「驟雨」 吉行淳之介 第32回 「アメリカン・スクール」 小島信夫 第32回 「プールサイド小景」 庄野潤三 第33回 「白い人」 遠藤周作 第34回 「太陽の季節」 石原慎太郎 第35回 「海人舟」 近藤啓太郎
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戦後、軍で英語力を買われた筆者。アメリカ軍のアメリカンスクールで英語教師の同期と英語授業の研修に向かうが、学校まで6kmの道のりで靴擦れになってしまい、進駐軍のジープに乗ってアメリカ兵と話すのが嫌で、裸足で歩いてしまう。研修でも一人英語を話すのが苦手なため、様々なトラブルを起こし...
戦後、軍で英語力を買われた筆者。アメリカ軍のアメリカンスクールで英語教師の同期と英語授業の研修に向かうが、学校まで6kmの道のりで靴擦れになってしまい、進駐軍のジープに乗ってアメリカ兵と話すのが嫌で、裸足で歩いてしまう。研修でも一人英語を話すのが苦手なため、様々なトラブルを起こしてしまう…。 おそらく筆者の体験からの短編集。軍の話、帰国してからの話が半分以上体験談であろう。冒頭の汽車の中での不思議な体験から、詰め込み型の独特の文章で読んでも読んでも読み進まない感覚を覚える。軍の話から読みやすくなり、『小銃』で軍の話はクライマックスを迎える。 後半作品ではがらっとカラーが変わり、子供が小児麻痺であることに気がついての苦悩『微笑』、なぜか家に引退した競走馬を飼うことになる『馬』など、純文学?と思わせておいて、夢野久作のようなオカルティックなネジ曲がった世界観の作品が2本。 自分の精神がおかしくなる、理解しているようで理解できない妻、子供がまともに育たないか死ぬことという、作者の感じている恐怖がじわじわと大きくなっていくというところを現しているのでは?という作品である。SFを読み慣れている人にとっては、必要以上に深読みしてしまう作品であろう。 いかんせん、全体に古い文体であり「~である」「~である」とぶつぶつ切られ、戦中戦後直後の風俗と価値観に加え、後半になるほどじわじわとねじれていく世界に、楽しんで読めるというほどの理解が追いつくのは難しいだろう。 そういうのが好きな人向けである。
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目次 ・汽車の中 ・燕京大学部隊 ・小銃 ・星 ・微笑 ・アメリカン・スクール ・馬 ・鬼 敗戦前の軍隊や終戦直後の日本を描いた短編集。 例えば雑誌で、たまにぽつりぽつりと読むのならいいのかもしれないけれど、一冊まるまるこれというのはちょっときつい。 『汽車の中』なんかはまだ...
目次 ・汽車の中 ・燕京大学部隊 ・小銃 ・星 ・微笑 ・アメリカン・スクール ・馬 ・鬼 敗戦前の軍隊や終戦直後の日本を描いた短編集。 例えば雑誌で、たまにぽつりぽつりと読むのならいいのかもしれないけれど、一冊まるまるこれというのはちょっときつい。 『汽車の中』なんかはまだ余裕だったので、世間知らずの学校の先生が、初めて闇物資を買いに行って、なりふり構わない世間の人々に比べてあまりにも繊細な自分には生きる価値がないと思ってしまう姿を見て、共感したり突っ込み入れたりできたけど。 軍隊の中のいじめの話とかは、読んでいてもちょっと引いちゃったよね。 そんな中で『アメリカン・スクール』は、敗戦後の日本で、学校の先生たちがいかに混乱していたのかが、ユーモアを伴って切実に迫ってくる。 真っ先にアメリカに媚びる人、組織の体面だけを重んじる人、声の大きな人にただただついていくだけの大勢の人たち、目立ちたくないがゆえに逆目立ちしてしまう人。 そして唯一の女性。 彼女が、卑屈なまでに会話を拒否する伊佐に何を借りようとしたのか、が、思わせぶりに書いてあったけど、うーん…当時はこれで成功していたことになったのだろうか。 とはいえ、断トツでこれが面白かった。 あとは、妻主導で家を建てることになったものの、途中で夫が邪魔になれば精神病院に入院させ、気がつけば夫の部屋より立派な馬小屋を作り、馬の五郎を溺愛する妻に頭のあがらない夫の話である『馬』が面白かった。 夫が情けないのもあるのだけれど、妻がサイコパスですかってくらいやりたい放題で。 これだけはちょっと時代を超越していると思う。
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