カツラ美容室別室 の商品レビュー
男女の間にも友情は湧く。 湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。 友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。 ドロリとしていて当然だ。 恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。 走り出した友情は止まらない。 男女...
男女の間にも友情は湧く。 湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。 友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。 ドロリとしていて当然だ。 恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。 走り出した友情は止まらない。 男女間で友情は成立するのかということをたびたび考えるので、 ふうん、なるほど となった。 カツラ美容室別室の人たちと 淳之介と梅田さんの日常の話。 20110316
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漫画や映画のごとく読みやすい。 しばらくBOOK・OFFに身を置き、集めはじめた山崎ナオコーラの、あまり評判よくない小説がこれ。 私はサラッと読めたところ、情景のリアルさ、恋愛小説じゃなかったところに好感がもてた。 27歳のサラリーマン男性の一人称という形態だが、女性...
漫画や映画のごとく読みやすい。 しばらくBOOK・OFFに身を置き、集めはじめた山崎ナオコーラの、あまり評判よくない小説がこれ。 私はサラッと読めたところ、情景のリアルさ、恋愛小説じゃなかったところに好感がもてた。 27歳のサラリーマン男性の一人称という形態だが、女性を指すとき『女』という表現をするところに不快にも似た違和感を覚えた。 『男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思いすぎている。以下略』この小説の根幹たる文章で印象に残った。
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◎第138回(2009年下半期)芥川賞候補作品。 2011年2月20日(日)読了。 2011-14。
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ある人間模様とその情景を切り取るという小説のスタイルは好きで山崎ナオコーラさんの作品を最近いろいろと読んでいっている。 だけど今作の、登場人物エリという小説のキーとなる女性の性格や言動に今ひとつ感情移入ができず、、、どうも読後の印象がすっきりしなかった。
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「カツラ美容室別室」という美容院に集まる人々を中心にした若者たちの一年を、男性主人公の視点から描く。 現代の若者の稀薄なコミュニケーションが前提になっていて、深く関係を結ぼうとしないのだけど、それでいて人との関係がなければ自分の「形」が定かでなくなるという感じている……とい...
「カツラ美容室別室」という美容院に集まる人々を中心にした若者たちの一年を、男性主人公の視点から描く。 現代の若者の稀薄なコミュニケーションが前提になっていて、深く関係を結ぼうとしないのだけど、それでいて人との関係がなければ自分の「形」が定かでなくなるという感じている……というのがこの小説の基本的な認識で、気になる女性との出会いの「ちょっといいな」という感じとか、お互いに好意を持っていて付き合うのかな?という辺りのテンションが上がっていく感じとか異様によくわかるのだけど、彼女がネガティブな面を見せることで引いていく感じとかもまたよくわかる。 どこまで人と関わっていいのか常に距離をはかりつつ、逆に関わられすぎると「ウザい」と思うといったような、寂しいくせに一人でいたいときもあるというのは、現代の若者にはごく一般的な感覚なのではないかと思う。 この小説では、その辺りの現代の若者の感覚をよく描いているのだけど、おかげでストーリーはちっとも進まず、たらたらダラダラと小説は進んでいく。冒頭の人との出会いと末尾の別れが春で挟まれており、一年という時間の中での人間関係の濃淡の推移をよく描いているのだけど、この小説では、いわば〈循環する時間〉が流れていると言えるだろう。 素直なようで悪意や皮肉があり、たらたらしているようで仕掛けもある小説を書くのが山崎ナオコーラの魅力だと思う。
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ストーリーはホワーンとしてるけど 時々うはぁと思うとこがある。それが好き。 3/28開演待ちの友。
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《あらすじ》 27才。サラリーマン佐藤淳之介。友人の梅田さんの誘いでカツラ美容院別室に行き、そこでエリさんに出会う。 ナオコーラ作品は初めて。この頁数と、文字数から、「よくある今時の若者」小説かと思ってた。20頁目はちょっとびっくりした。でも、「よくある今時の若者の恋愛者」...
《あらすじ》 27才。サラリーマン佐藤淳之介。友人の梅田さんの誘いでカツラ美容院別室に行き、そこでエリさんに出会う。 ナオコーラ作品は初めて。この頁数と、文字数から、「よくある今時の若者」小説かと思ってた。20頁目はちょっとびっくりした。でも、「よくある今時の若者の恋愛者」ではない。 疲れる女といるよりも、アパートで牛乳を温める方がいい。 この小説はこの一行に集約されていると思う。私はぐっときた。 どんなに激しく好きな相手を前にしても、疲れることはある。それは自分が一番大事だから。自分が一番大事で、失敗したくないから「ここぞ」っていう勝負に出られないのに、相手をうじうじ思ってしまう。傷付きたくないから人と距離を置くくせに、一人をやたらと不安がる。 淡々とした文章で、文字数も少ないけど、こまかく主人公の心情がかけているよなあと思った。
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高円寺にある桂美容室別室は カツラの店長桂さん、大柄で脱サラをしたエリちゃん、 かわいらしくてしっかりした桃井さんの3人で営んでいる。 引っ越してきたばかりのオレは 一度も定職についたことのない友達の梅田さんに連れられて この美容室を訪れ、勢い花見にまで参加してしまった。 なんと...
高円寺にある桂美容室別室は カツラの店長桂さん、大柄で脱サラをしたエリちゃん、 かわいらしくてしっかりした桃井さんの3人で営んでいる。 引っ越してきたばかりのオレは 一度も定職についたことのない友達の梅田さんに連れられて この美容室を訪れ、勢い花見にまで参加してしまった。 なんとなくエリに気を引かれるオレだったが 桂さんが実家の美容室に帰ることになり 桃井さんが店長を任されたことに対して憤るエリは なんだか面倒くさいのだった。 装丁:町口覚 写真:大森克己 客との距離がとても近い街の美容室の話。 私は美容室で話しかけられるの苦手だけれど 彼らの雰囲気を見ているといいものかも、と思えてくる。 桂さんはいったいどれだけのカツラを持っているんだ。 たまに文の最後にくる哲学的考察、みたいなのが少し苦手。
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やっぱり、好きじゃないんだわ、この作家が。 ペンネームやタイトルは奇抜だけれど、いつも名前負けしている感じ、 文章もただの説明書きがずらずらと並び、たまに「おっ」という文体も見受けられるが、どの作品もパンチがない。
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今の時代の若者の恋愛模様というか、世間一般的な男女のことを、 独特の文章と、感覚で表現していて、読後にえたものは、言葉の深みでした。
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