倒立する塔の殺人 の商品レビュー

皆川博子【著】

2012/07/26

途中まで語り手が誰やら、物語の構造がどうなっているやら分からず、でも耽美な雰囲気に惹かれ読み進め、中盤から最後は一気読み。若いうちに読みたい良質のミステリでした。
お姉さま、ミッションスクール、尖塔、菫の花束、物語の回し書き…。
「あなた、お兄様のお写真をもってらして？」な独特の口調がいい。
途中、１行、ぞっと怖い箇所があるのもいい。
少女の残酷さもいいし、ラストのたくましさもいい。

2012/06/19

戦時中のミッションスクールで回し書きされた小説の結末は・・・
女学校特有の女の園みたいな雰囲気が、やっぱり苦手。
装丁はかわいいのにね。

2012/03/16

タイトルがステキ！題名で手に取った本のひとつ。
美しい装丁のノートに物語を書き綴る少女という設定にも惹かれた。
読み出すと、女学院という独特の雰囲気と、それぞれの少女たちの内面が知りたくて止まらなくなった。私にとっては戦中・戦後の東京やミッションスクールはファンタジーのように想像するしかないものなので、余計に幻想的に思えたのかもしれないけれど。

2011/10/21

今の児童はこんないいもの読んでるわけかい。うらやましい。

戦中のミッションスクールで起こった不可解な友人の死をめぐる、「倒立する塔の殺人」という少女たちが書き回している小説。

それぞれの手記や現実や小説や過去が何重もの入れ子構造になっていていい感じに酔えました。

皆川博子さんの少女性は永遠ですね。

2011/09/10

装丁がとても素敵。ＹＡ世代を対象とした作品ですが、大人でも十分楽しめました。夢中で読んでいて途中ギョっとしたところがありました。

2011/07/18

■戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。蔓薔薇模様の囲みの中には、タイトルだけが記されている。『倒立する塔の殺人』。少女たちの間では、小説の回し書きが流行していた。ノートに出会った者は続きを書き継ぐ。手から手へと、物語はめぐり、想いもめぐる。やがてひとりの少女の不思議な死をきっかけに、物語は驚くべき結末を迎える…。物語が物語を生み、秘められた思惑が絡み合う。万華鏡のように美しい幻想的な物語。

■■不思議な話でした。戦時中が舞台なだけあって、全体的に陰鬱で薄暗かった・・・。ミッションスクールというと、どことなく華やかな雰囲気を想像してたんですが・・・。わたしは苦手。

2012/01/08

面白かったですよ。
この方の作品ははじめて読みました。
何だか、世界観と言うか、幻想的な感じがしました。あくまで個人の意見ですが。

どっぷりつかることができました。

2011/03/05

倒立する塔の殺人と題された一冊の本を巡る、少女たちの物語。
ミステリーとしては良かったのかな。
殺人事件ではないけれども、言葉が人を追い詰めるという感じが凄くよくわかる。
文章は美しい。名画や文学作品の名前が沢山出てくるので、それを知っているともっと感情移入して読めたのかもしれない。

面白かったけれどもちょっとわかりにくかった気がする。何が？って聞かれると即答できないけれど…
全体的に？物足りなかったのかもしれない。

2010/12/30

戦時下の少女たちは
綺麗なノートに小説を回し書きをしていた……。
そして『倒立する塔の殺人』と題された
美しい装丁のノートに綿々と書かれた小説は……！

倒立の謎がいまひとつわからなかった。
図説が欲しい……。耽美性が損なわれるけれども。

2010/11/09

少女へ。かつて少女だった者へ。
愛と憎しみと無関心と傲慢と自己満足とジャスミンと倒立する真実を。

現代の少女にこの気持ちはわかるのかしら？
男の人はこの気持ちを理解できるのかしら？