春、バーニーズで の商品レビュー
この作品をジャケ買いという名の衝動買いをしてしまったおかげで、当時は本来読む予定のなかった『最後の息子』を購入するはめになったという一冊。 私はいつもタイトルを気にしているので、まずそれによって惹かれた。そして装丁が格好いい。味わいのあるモノクロ写真とともに上質の紙を使用し...
この作品をジャケ買いという名の衝動買いをしてしまったおかげで、当時は本来読む予定のなかった『最後の息子』を購入するはめになったという一冊。 私はいつもタイトルを気にしているので、まずそれによって惹かれた。そして装丁が格好いい。味わいのあるモノクロ写真とともに上質の紙を使用しているので、他の小説とは別の場所に保管しようかと思うほどである。 内容であるが、『最後の息子』の主人公のその後が描かれている。ほどほどに幸せな日常を送りながらも、心の底では自分でもよくわからない何かが蠢いていたり、といったような・・・おそらく大人になった誰もが持ち得る可能性のある情景が描かれていて、短編なのでダラダラともせずにまとまっていて良い作品である。 ただ、最後の一篇のみ別の物語になっているのが残念至極。揃えるか削っても良かったのではないだろうか。
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『最後の息子』の続編らしいが、まだそちらは読んでいない。選ばなかった人生があることは否めないが、岩に打ちよせる波のリズムと沖のヨットのリズムが完全に合うことは、もう二度とないのだ。たまに合致するときがあったとしても。 「うんざりするほど誰かに愛されたことのある人間は、うんざりす...
『最後の息子』の続編らしいが、まだそちらは読んでいない。選ばなかった人生があることは否めないが、岩に打ちよせる波のリズムと沖のヨットのリズムが完全に合うことは、もう二度とないのだ。たまに合致するときがあったとしても。 「うんざりするほど誰かに愛されたことのある人間は、うんざりするほど誰かを愛する術を身に着けるのかもしれない」p.29 「なんの苦労もなく生活だけはできたその場所を、逃げ出す理由さえ見つけられない自分に焦り、そして怯えて、飛び出してしまったのかもしれない。愛せない人に愛されることに罪悪感を感じたと言えば格好もつくが、実際には、愛せる人を愛そうとしない依怙地な自分に嫌気がさしたのかもしれない」pp.31-32
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本屋さんで最初のほうを立ち読みして、 私の中の吉田修一ベストになりそうな気がして、 あっためていました。 予想通り、私の中のいちばん好きな作品になりました。 特別な一日にしたくて、日を選んで読みました。 図らずも、ほかの人生について考えさせられることになってしまった一日だったの...
本屋さんで最初のほうを立ち読みして、 私の中の吉田修一ベストになりそうな気がして、 あっためていました。 予想通り、私の中のいちばん好きな作品になりました。 特別な一日にしたくて、日を選んで読みました。 図らずも、ほかの人生について考えさせられることになってしまった一日だったので、これからも、この本を見るたびに思い出しそうです。
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『最後の息子』の主人公である、筒井が30代になり、結婚して他人の子供の父親になっての登場でした。 「選択しなかった道」をふと思う時、自分が過ごすはずだった時間は一体どんなものだっただろうか?と誰しもが思う事・・・ 「夫婦の悪戯」でのお互いに一つだけ嘘をついてより相手を驚かせた方が...
『最後の息子』の主人公である、筒井が30代になり、結婚して他人の子供の父親になっての登場でした。 「選択しなかった道」をふと思う時、自分が過ごすはずだった時間は一体どんなものだっただろうか?と誰しもが思う事・・・ 「夫婦の悪戯」でのお互いに一つだけ嘘をついてより相手を驚かせた方が勝ちというゲームで、本当のことをポロっと言ってしまい、お互いに動揺する様が描かれていて見事だと思ったし、「パーキングエリア」では、通勤途上で別の道に行ってしまうというその「選ばなかった時間」に向かったその後・・・挿写真がとっても利いてて、締めくくりが美しかった・・・・。 『言葉にすると少し大袈裟かもしれないが、うんざりするほど誰かに愛されたことのある人間は、うんざりするほど誰かを愛する術を身につけるのかもしれない』の一節が心に響く・・・
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わたし、一生かかっても バーニーズで服を買えるような人間にはなりそうにありません。 そういう意味では、私の中でちょっと上流な人たちの話?
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まず、この表紙に惹かれた。 本屋さんで見かけて、何度手に取ったことか。 それから、中にある白黒写真。おしゃれな本。 内容は短い話だけど、なんかドラマになりそうだなーと思った。 さくっと読めました。
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僕の未来があって、君の過去がある 元気ですか、今の僕です。 ずっと読みたかった本 とても写真のバランスが素敵で、小説、とは言い切れない。 実際には、愛せる人を愛そうとしない依怙地な自分に嫌気がさしたのかもしれない。
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デザイン良。バーニーズだから女性の話かと思いきや、三十代男性の4篇と他1篇。京王線沿線生活者の描写がリアル。日光にサボった話のラスト、将来あんな妻になりたいわ。
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吉田修一のデビュー作『最後の息子』の続編があったなんて。。。 知りませんでした。『最後の息子』の主人公のその後を描いた作品。 子連れの女と結婚し、マジメに、そして大人の世界で生きる男として毎日を過ごす主人公。 本当の父親ではないが、父になろうとする自分、いつかやはり父ではないと...
吉田修一のデビュー作『最後の息子』の続編があったなんて。。。 知りませんでした。『最後の息子』の主人公のその後を描いた作品。 子連れの女と結婚し、マジメに、そして大人の世界で生きる男として毎日を過ごす主人公。 本当の父親ではないが、父になろうとする自分、いつかやはり父ではないと思ってしまうかもしれない自分。 連作短編集で進む物語、そして最後の結末。 読者に何通りの可能性を見せる終わり方。 あそこで死んだのは誰だったのか。 あなたの答えは?
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初めて触れた吉田作品。新鮮だった。 さりげない光景に、ふと昔の想い出や男女間の切なさが、 驚くほど自然に語られてゆく。 心に残る青い部分と消え去らない紅い情熱を思い出させてくれた。
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