大奥(第三巻) の商品レビュー
大奥第3巻、ついに春日の局が亡くなり、女将軍家光が誕生する。 家光は有功と相思相愛ながら、二人の間には子ができない故に、他の男性と引き合わされる。 徳川家を絶やさないためと割り切っているとはいえ、あまりに切ない。
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この出島へのオランダ商館移転をもって日本の鎖国は完成する その日から有功は家光の寝室に侍る事を禁じられた 所謂一夫多妻の「ハレム」化を進めて大名家の統合を進めれば必然的に残った少数の大名家が所有する領地は広大なものとなり徳川家の脅威となってしまう_そして「家」を存続させる事が士農...
この出島へのオランダ商館移転をもって日本の鎖国は完成する その日から有功は家光の寝室に侍る事を禁じられた 所謂一夫多妻の「ハレム」化を進めて大名家の統合を進めれば必然的に残った少数の大名家が所有する領地は広大なものとなり徳川家の脅威となってしまう_そして「家」を存続させる事が士農工商どの身分に於いても最重要課題であるこの国特有の事情故に_世帯数が極端に減少する(つまり多くの「家」が潰れる)事を意味する一夫多妻化は進まなかったのである その日の夜家光と長子稲葉正勝に見守られながら春日局は六十五歳の生涯を閉じた
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ここまでの物語を読んで もう一度一巻から読み直したい気持ちと もっと先を読みたい、これからこの物語が どんな展開を迎えるのかを楽しみたいの気持ちに襲われる どっちも楽しい 少しずつ少しずつ読むからこそ なんどもいきつ戻りつ そして自分の中に生き始めた物語のキャラクタたちが 生き始める面白さ こんな時代はなかったのに どこかでみたことある時間が どこかでみたことある時代が よりこの世界へ突入していきたくなります
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家光との間に子どもができない有功…家光と心中することだけを望んで生きてたのに、家光が母になったことで「自分はもういらないのでは?」ってなっちゃうの辛過ぎる… 家光には有功が不可欠なのに… お楽の方も悪い人じゃなかったのに、姫が生まれてすぐにあんなことになっちゃうとは… 有功と似...
家光との間に子どもができない有功…家光と心中することだけを望んで生きてたのに、家光が母になったことで「自分はもういらないのでは?」ってなっちゃうの辛過ぎる… 家光には有功が不可欠なのに… お楽の方も悪い人じゃなかったのに、姫が生まれてすぐにあんなことになっちゃうとは… 有功と似てる、って理由だけで連れてこられて閉じこめられて、あの最期なのしんどい 有功もお楽の方も家光も、そして春日局でさえもそれぞれの立場や容姿に振り回されて、周りを振り回してきたんだなあ… ラスト、上様が"家光"になることを宣言した時めちゃくちゃ鳥肌立った…!
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春日局は徳川存続ファーストの考え方が頭の中を占め、自民党存続ファーストのアベと同じ古い考えに凝り固まっていたが、最後は自分の間違いに気がついてあの世に旅立って行ったのには何か救われた気分だ。春日局の家臣も家光の意見に賛同し、春日局に意見具申するなど、まだこの頃の政治家は良心を失っ...
春日局は徳川存続ファーストの考え方が頭の中を占め、自民党存続ファーストのアベと同じ古い考えに凝り固まっていたが、最後は自分の間違いに気がついてあの世に旅立って行ったのには何か救われた気分だ。春日局の家臣も家光の意見に賛同し、春日局に意見具申するなど、まだこの頃の政治家は良心を失っていなかったとも言える。有功と家光は歪んだ時代の犠牲者であるが、いずれの世の中でも悲劇の犠牲者は少なからず存在している。これをとても悲しいお話として捉えるよりも、悲しさを乗り越えていく人達の生き様をじっと噛みしめて読んでいきたいと思う。一方、現在では今までアベに歪められてきた10年間を一気に挽回するチャンスが何とか巡ってきた。これまで耐えてきた野党は結束して世論を味方に付け、気弱で行き当たりばったりのウソツキキシダをうまく操作して、国民主権の立場に立った様々な仕組みができればベスト。 <家光をみならえ!最新の政治関連情報> 巷ではLGBT発言・法制化、非正規雇用の問題、少子化問題が一気に噴出しているが、これに対してバラマキで対応するのではなく、社会のシステムを時代に合わせて変えれば解決するものを、未だに自民党の一部の議員が堂々と妨害している。特にLGBTについては自民党の西田だけではなく、アベの子飼い議員や、高市みたいな極右議員らが地下で工作している可能性が高い。また、特に旧統一教会はLGBTを目の敵にしているので、完全に脱会していない議員も影で動いているのは間違いない。ただ、アベが二世に抹殺された今、後ろ盾を失った議員は右往左往し、次の組閣・選挙を目指して改心したものもいれば、未だにアベから脱却できない奴もいる。まあ、こいつらは次の選挙で確実に淘汰されるだろう、国民が忘れなければ。
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ラブラブ上様と成功 だが二人の間には子供は出来ず… 春日局が拾ってきた街のチャラ男、捨蔵と子をなすことに だが捨蔵は頭を打って半身不随、のちに赤面疱瘡で死亡 世の中も赤面疱瘡のせいで女だらけに 春日局の死亡も重なり いよいよ上様が女と明かすことに
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史実をうまく織り交ぜてあり、境目が判然としない作りが面白い。 家光がただ良い人、か弱い人ではなく 強く、ある意味人間らしく、偏ったところもあり 有功もまたひとりの人間という描写が 読んでいて苦しいほどだ。 還俗する前の有功であれば、家光に「我儘」と言うことも なかっただろうし、 彼女の「我儘」を許すこともなかっただろう。 春日局を許す気持ちにはなれないが、 彼女なりの信念があり守りたいものがあったことは理解できる。
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なるほど、なるほど。1巻から2巻で時が戻り、「日没録」の中に入ることになると。この「日没録」という名前も、この世が滅びてしまう危機感があり、それならそれを見ていこうではないかという決意でもあるのだな。1巻1巻刊行時に読んでいたが、こうやって改めて通して読むと改めて作品の凄さに身震...
なるほど、なるほど。1巻から2巻で時が戻り、「日没録」の中に入ることになると。この「日没録」という名前も、この世が滅びてしまう危機感があり、それならそれを見ていこうではないかという決意でもあるのだな。1巻1巻刊行時に読んでいたが、こうやって改めて通して読むと改めて作品の凄さに身震いする。 折角脅して還俗させてまで大奥に入れさせた有功との間に子を生せない家光は、春日局の差し金で別の男をあてがわれる。その、一国の主でさえも生んで次の世継ぎを残す乗り物として存在するのだなあと嘆息するが、そのおかげで江戸時代が安定したのも確か。当時の幕府の決断が面白いようにこの世界の因果にはまってしまうのはどうしたことか。有功はその哀しみを背負いつつ、春日局のあとを受け継ぐことになるのだなあ。ああ、どこまでも悲しいひと。そして家光も、重大な決意をする。腹を決める、ことになるんだな。 そして、
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本巻の読後感を、どう文字にすればいいのか分からない。 あえて言うならば、初めて読んだ手塚治虫「火の鳥」に似た感覚かもしれない。ただ、あんなに「鳥瞰」できる立場にはいられず、まさに目の前で、女と男が、母と父が、その生の感情をぶつけて(閉ざして)生きている。しかし、またそれが「歴史」...
本巻の読後感を、どう文字にすればいいのか分からない。 あえて言うならば、初めて読んだ手塚治虫「火の鳥」に似た感覚かもしれない。ただ、あんなに「鳥瞰」できる立場にはいられず、まさに目の前で、女と男が、母と父が、その生の感情をぶつけて(閉ざして)生きている。しかし、またそれが「歴史」になっているのだ。 1巻で男女逆転世界をいきなり見せられて、2巻でその成り立ちが、そして本巻で実際にそのパラダイムシフトを乗り切った当事者たち(加害者でもあり被害者でもある)が語られる。 世紀に遺る大傑作を、ぼくはいま読んでいる。
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二巻より一年後。 家光こと千恵と、お万こと有功は、お互いに愛し合い、居場所を手に入れる。 千恵の癇癪も少しずつ減り、「将軍」として政治に参画するようになる。 しかし、有功と千恵には子供ができなかった。春日局は新たな陰謀をめぐらす。 春日は、町に出て行き、捨蔵(すてぞう)という若者を発見する。 捨蔵は有功そっくりで、これならと春日は捨蔵に大奥にこないかと誘う。 ある日、春日に呼ばれた有功は、千恵に捨蔵を側室に迎えるよう言ってくれといわれる。 拒否する有功だが、「戦のない平和な世のために」と春日に説得されてしまう。 有功は千恵にしかたなく捨蔵を薦め、捨蔵は千恵の側室になることに。 有功は、気が狂いそうになるが、かろうじて正気を保ち、捨蔵にも優しく接していくのだった。 しかし、捨蔵との子を千恵が懐妊。そして女児を出産し、捨蔵には「お楽」という名を与える。 子を持ったことによって千恵はもっと将軍らしくなってゆく。 捨蔵はその後、調子に乗って足を滑らせ、首を怪我して半身不随になってしまった。 有功と千恵は春日に与えられたつかの間の逢瀬に溺れる。だが二人の間に子供はできなかった。 春日は溝口左京(みぞぐちさきょう:お夏)という浅黒男(←なにそれ。) を捨蔵のかわりに千恵の側室として上げるよう有功にいうのだった。有功は春日に対して何も言わなかった。 そのかわり有功は玉栄も千恵の側室として差し出すことにする。 そのころ幕府内では、女性を男の代わりに大名の跡継ぎにしてもいいじゃないか論が多数を占めてくる。春日局は反対するが、重臣の誰も言うことを聞かず、呆然となる。 そのショックからか、春日は病気になってしまう。 また、「薬断ち(本物家光が天然痘になったときの回復祈願のときの誓い)」を守っていたため、病状はすぐに重くなっていった。懸命に看病する有功。 そこに、思わぬ知らせが届く。捨蔵が赤面疱瘡にかかったというのだ。 有功は捨蔵を春日のすぐ隣の部屋に移動させ、自分で二人を看病する。 みるにみかねた大奥の他の男たちが助けを申し出るが、それは捨蔵が死んだ後のことだった。この年はついに男子は女子の五分の一まで人口がおちこんでいた。 それから間もなく、稀代の女傑、春日局は千恵と有功らに見守られてこの世を去った。 有功は春日に「大奥を頼む」と遺言され、その言葉通り着実に大奥の制度を作っていった。 千恵は、大名たちに自分の存在を公表し、ここに初の女将軍が誕生する。
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