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明治・父・アメリカ の商品レビュー

4.2

29件のお客様レビュー

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2025/10/26

《紹介》 夢を抱き野心に燃えて、単身アメリカに渡り、貪欲に異国の新しい文明を吸収して星製薬を創業――父一の、若き日の記録。感動の評伝。

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2024/02/13

背景は明治時代、そして伝記ものとなると必ず躊躇してきた私が、ぐいぐいと引き込まれ、あっという間に読了した。何ともいえない余韻に浸りつつ、この本の魅力はなんぞや?と一考してみた。 まず、著者である星新一の文体が秀逸であることだ。言葉が丁寧で適切であり、読み手への親切心が感じられる...

背景は明治時代、そして伝記ものとなると必ず躊躇してきた私が、ぐいぐいと引き込まれ、あっという間に読了した。何ともいえない余韻に浸りつつ、この本の魅力はなんぞや?と一考してみた。 まず、著者である星新一の文体が秀逸であることだ。言葉が丁寧で適切であり、読み手への親切心が感じられる。さらにリズム感があって読みやすい。次に、主役である星一(ほしはじめ)の性格がとても魅力的であること。他者に流されず(少々頑固なきらいがあるが)芯がありまっすぐである。金や名声に欲がない。計算高さ、ずるがしこさなど皆無で、読み手の背筋を伸ばしてくれる。 明治時代の歴史的背景について、ほとんど無知である私でも、野口英世、伊藤博文、新渡戸稲造、津田梅子の各氏(みな日本紙幣に採用されているので、当然といえばそうなのだが)は知っている。このような識者との交流を経て、大きく成長していく星から目が離せないのだ。 終始、映画を見ているような気分で、昔懐かしさが込み上げてくる作品だった。 というわけで続編の「人民は弱し 官吏は強し」が楽しみでならない。

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2021/05/29

明治の立志伝。当時の人物がいかに高潔であり志が高かったのかが伺える。スクールボーイとしていろんな家に住み込み労働をする場面などが、とても、印象的だった。

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2021/03/27

どんな困難でも愚痴を言わず乗り越えてほとんど裸一貫でアメリカでコロンビア大学て修士号を取り、後藤新平、伊藤博文、新渡戸稲造など錚々たる偉人と交友し可愛がられた人物伝。 古き良きアメリカの公衆道徳、独立自尊の精神、いいアイデアを認める社会像が印象的であった。 短編SFで知っている星...

どんな困難でも愚痴を言わず乗り越えてほとんど裸一貫でアメリカでコロンビア大学て修士号を取り、後藤新平、伊藤博文、新渡戸稲造など錚々たる偉人と交友し可愛がられた人物伝。 古き良きアメリカの公衆道徳、独立自尊の精神、いいアイデアを認める社会像が印象的であった。 短編SFで知っている星新一氏がご自身のご尊父については書き上げた。 息子にも読ませたい良本。

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2020/12/07

明治という時代に、星一青年の行動力、そしてそれを支援する大人達が感動的です。また、その時代のアメリカという国と人の懐の深さを感じました。

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2019/02/11

良書。 というより、星新一しか書けない、紡げない不思議な本だ。 歴史を扱った本は、えてして劇的で煽情的で男らしい内容になりやすい。 ところが彼の文体はとてもシンプルでひんやりしている。 それがショートショートの場合は、現実と虚構のあわいにあるような、不思議な世界の構築につながっ...

良書。 というより、星新一しか書けない、紡げない不思議な本だ。 歴史を扱った本は、えてして劇的で煽情的で男らしい内容になりやすい。 ところが彼の文体はとてもシンプルでひんやりしている。 それがショートショートの場合は、現実と虚構のあわいにあるような、不思議な世界の構築につながっていた。 その筆致で歴史を綴ると、極めて知的でクールな、しかし父への愛が込められた、不思議なムードが生まれてくる。 普通の歴史ものとはまるで真逆だ。 それで思い出した、 星新一は森鴎外の血筋であることを。 傑作・渋江抽斎にあるように、森鴎外は非常に冷淡に、ある種あるがままに歴史を書いた。 そこから歴史の恐ろしさや現実との連なりを学んだものだが、 その血が、たしかに星新一に流れているんである。 中身は、まさに立志伝。 やはりあの時代に海外に飛び出していく人間は格段にすごい。 新渡戸稲造や野口英世らとの交友も、イノベーターたちのコミュニティという感じだろう。 我々は、かつての「アメリカ」に相当するものを見つけ、躊躇なく飛び込めるかどうか。

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2019/01/12

自身の父親を描く評伝という苦しい課題 それゆえの面白さがあるが完全ではない しかし星新一の文章というだけで美味 山田風太郎もそうだが小説でない文のほうが自分は好きかも知れない 「教えるまでもないことだろうが、念のために処世上の注意をあげておく。粗食でもいいから十分に食え、十二分に...

自身の父親を描く評伝という苦しい課題 それゆえの面白さがあるが完全ではない しかし星新一の文章というだけで美味 山田風太郎もそうだが小説でない文のほうが自分は好きかも知れない 「教えるまでもないことだろうが、念のために処世上の注意をあげておく。粗食でもいいから十分に食え、十二分に食うな。栄養をとったら、くたびれるまで十分に働け、十二分に働くな。くたびれたら、十分に眠れ、十二分に寝るな。それで肉体の調和が保てる。脳の調和は、むだな空想にひたらないことでたもて。なにか問題にあったら、ひとつずつよく考えて検討せよ。そして、考えがまとまったら、いかなるこがあってもやりとげるのだ。悪い結果になることもあろうが、いずれにせよ、その経験だけは決して忘れてはいけない」(P100 杉山茂丸の教訓言)

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2018/12/08

日本が近代化を迎えるにあたり、アメリカナイズされた青年、星一の生涯を息子の目を通したのに、なぜか客観的な明治以降の文化を克明に記したノンフィクション、読むべし!

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2018/10/03

星新一のお父さん「星一(はじめ)」の、若かりし頃から星製薬を立ち上げる手前までの物語。 星一のことを知りたくて手にとったので、その目的は達成できたが、感動したり、心に残るものはあまりなかった。

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2017/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

星新一の父、星一。息子からみたその人生を淡々と記録しているけど、内容が濃くて濃くて。教科書に載ってるような錚々たる人たちからアメリカの普通の主婦や子どもまで、星一に魅せられて親しくなって助けたり助けられたり。すごいなあ。 若い頃に読んでいたらもっと感動したかも。

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