クローバー の商品レビュー
2024.12.1 読了 双子の男女 華子と冬冶。 大学生で 二人暮しをしている。 ワガママで 冬冶のことを振り回す華子が 意外といい子だったり。 冬冶の成長物語。
Posted by
華子みたいな人は、見てると楽しい(でも付き合うのは大変そう)ので、結構好きなタイプ。双子の弟に言いたい放題、やりたい放題、だけど、それって家族だからかなって思う。 雪村さんはあまり好きではないかなぁ。なんでだろう。華子よりも雪村さんの方が、ずって手強い。冬治がんばれ、って感じでし...
華子みたいな人は、見てると楽しい(でも付き合うのは大変そう)ので、結構好きなタイプ。双子の弟に言いたい放題、やりたい放題、だけど、それって家族だからかなって思う。 雪村さんはあまり好きではないかなぁ。なんでだろう。華子よりも雪村さんの方が、ずって手強い。冬治がんばれ、って感じでした。
Posted by
ドタバタ恋愛コメディかと思わせる始まり方だった 話の中心が、別の登場人物から主人公に移るとともに、心情や進路決定の葛藤といった内面的なことも描く話に変わっていく 面白さと繊細さが絶妙なバランスで配合されているところが良かった
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あぁぁ、懐かしい! この雰囲気、自分の学生時代とぴったり重なる。 今の若い人からしてみたら、ちょっと違うかな?っていう感覚になるかもしれませんね。 双子の大学生、華子と冬冶のドタバタ恋愛劇がコメディタッチで描かれていて、最後まで面白く、また楽しく読めました。 前半は破天荒な華子ちゃんのターンで、後半は内向的な冬冶くんのターン。 マイペースて超楽天家ストーカーの熊野氏(本名:細野有季)のキャラクターがめちゃくちゃ良かったです。 心身ともにあの包容力、はちゃめちゃな華子ちゃんを大らかに包み込んでくれましたね。 実際、物語の後半では華子ちゃんは随分と落ち着いていたように思います。 反面、はじめ落ち着いているように見えた冬冶くんは、どんどん迷路に迷い込んでいきました。 雪村さんという女性に出会ってから、それまで華子ちゃんに振り回される自分に満足感を得ていた冬冶くんは、はじめて自分と向き合うようになり、そのため苦悩するようになったのでしょうかね。 学部卒業後に就職するか、院へ進むか、決めかねていた冬冶くん。 せっかく答えを出せたと思ったら、雪村さんのお父さんが倒れてしまい、彼女を支えるために進路を変えるべきか、ぐらりと迷い悩む。 人生はままならないものですが、そのままならなさが等身大で、なんでもないような日常の中に薄く広がっている様子が丁寧に描かれていて、親しみが持てました。 無茶に振舞う華子ちゃんの面倒をみる冬冶くん、という図式が幼い頃からずっとあったようですが、どうやらそれは両親の関係性にも言えるようで……迷い続ける冬冶くんを喫茶店へと連れ出したお父さんの言葉が強烈でした。 「人間は人生の必要な時期に、必要な人間としか出会わないし、そこで色々と学び尽くして一緒にいることの意味がなくなれば遠ざかっていくのは仕方ない。それは地面に映えている気が枝を伸ばして葉を付けて最後に落とすのと同じくらいに自然なことで、お父さんは一度もお母さんを束縛したり、引き留めたりしたことはないよ」
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
文量も内容も読みやすかった。 ドラマに向いてそうな内容。 大学の頃、当時の彼氏についていって就職したが、結局別れて見知らぬ土地に一人……という人を何人も知っているので、冬冶の選択には少し不安になったけれど。 大学生だったらこんなもんなのかしら、とも思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
(2023.7) あとがきより P259 ままならないもの、不本意な事、叶わない想い。そんな現実にどうやって折り合いをつけるのか。そのことにも、毎回頭を悩ませました。 華子が中心に話が回っていくと思いきや双子の弟の冬治の話だった。 P257 ちゃんと大事に想って支えるべき相手がいる、そのことに僕は心の底から満たされている、というのは少し嘘で、本当はまだわだまっているのものはある。消えるわけがない。 それでも、来月の四月になれば、毎朝、スーツの袖に腕を通して、僕は社会人になる。 結論、そこにいきましたか、冬治くん。 個人的は、院に進んで欲しかったな。でも、最後のあとがきを見て、納得。 それに、これで良かったと胸を張って社会人になるのは、なんだか嘘くさい。だからこの終わり方が結構人間らしくて好き。 全体的に結構好きな登場人物。島本さんの本だから、今回もいたいけな女の子が出てくるのかな、と思ったけれど、なんだかどの女の子もかわいらしくて好き。 結果 この本は結構好き☆
Posted by
憧れと劣等感、鏡のような存在の双子の姉弟。相変わらずふとしたときの表現が面白くて他の本も読みたくなった。
Posted by
二卵性の姉・華子と弟・冬冶。花子ではなくて、華子。冬治ではなく、冬冶。こんなところに作者のこだわりを感じてしまう。 二卵性なので、遺伝的には50%同じはずなのであるが、ふたりの性格、気性は、全く違うように感じる。それでも、最後に一緒になる華子の彼・熊野氏と冬冶の彼女・幸村さんは...
二卵性の姉・華子と弟・冬冶。花子ではなくて、華子。冬治ではなく、冬冶。こんなところに作者のこだわりを感じてしまう。 二卵性なので、遺伝的には50%同じはずなのであるが、ふたりの性格、気性は、全く違うように感じる。それでも、最後に一緒になる華子の彼・熊野氏と冬冶の彼女・幸村さんは、何となく同じカテゴリーでまとめられるような人種のように感じ、そんなところが、『ああ、やっぱり双子なんだ』と、感じる。 本作は、恋愛小説なのだが、コメディー的要素が強く、ストーリーはドタバタしながら進んでいく。しかし、彼女のために大学進学を諦める冬冶の話もあり、恋愛から人生の起こりうる岐路の話まで、おそらく普通の人が経験するであろう人生がサラッと記載されている。 前半は華子の恋愛。若い女性心理そのもので、少しでも可愛く見せようとする努力、少しでもいい男性をゲットしようと、日々恋愛のために奮闘している。 常に彼がいて、恋愛をしている華子の前にちょっとタイプが違うんじゃないという最強で最大の公務員・熊野氏が、これでもかというくらいにプレゼント攻撃で猛アタックしてくる。 嫌がる華子だが、なぜかしらいつもの間にか恋人に席に座っていて、それを華子も認めている。 結局、人は見かけではなく、どれくらい相手を思うことができるかというのが、恋愛必勝のキーなんだと、熊野氏が証明している 笑 熊野氏は体格もさることながら、もともと超ポジティブ思考で、相手がいる恋愛の場合でも、ここまでポジティブになれるんだと関心し、だからこそ華子の恋人席を獲得できたのだろう。そう考えるといつもポジティブな彼が羨ましく、見習いたい。また、そんな熊野氏の行動が面白くてコメディのような感覚で読むことができるんだろうなぁと、彼の存在価値も上昇する。 後半は、双子の弟・冬冶の変愛になる。華子の大雑把で大胆な性格、思考(そんな意味では、熊野氏と似ているのかもしれない)とは、異なり、冬冶はもう少し繊細な性格である。そして、そんな冬冶の性格がよくわかるように描かれている。 同級生の雪村さんから受けるアタックが、「捨て身アタック」(作者命名)。 いわゆる一途なアタック、恋愛なのだが、一途過ぎて、猪突猛進という言葉が、彼女のためにあるような気持ちに陥る。 あまりにも突進してくる雪村さんのアタックに華子の加勢があったため、冬冶の気持ちが次第に傾いていく。作戦勝ちだなぁと、熊野氏とは、違う戦法で攻めながらも、冬冶落城を成し遂げた雪村さんが、熊野氏とかぶりその戦略にハマったこの双子が、やっぱり双子であったと納得する。 最後、雪村さんの父親が倒れたために、冬冶は、進学を諦めて就職することになるが、『冷静に考えて、それって、関係なくないか?』と、思えて、雪村さんの才女ぶりが恋愛にまで及んでいることに苦笑してしまった。 クローバーのタイトルが気に入って手に取った、はじめての島本先生の作品であった。
Posted by
華子、冬治 双子の姉弟(大学生)が主に恋愛の事で右往左往する話なのでちょっと甘っちょろいのではないかと思っていましたが、ある意味予想通りの恋愛甘っちょろい話ではありました。 ところがこれが僕の心にジャストフィット。彼らの事がだんだん好きになって来てしまいました。特に冬治の事を好き...
華子、冬治 双子の姉弟(大学生)が主に恋愛の事で右往左往する話なのでちょっと甘っちょろいのではないかと思っていましたが、ある意味予想通りの恋愛甘っちょろい話ではありました。 ところがこれが僕の心にジャストフィット。彼らの事がだんだん好きになって来てしまいました。特に冬治の事を好きになる、超見た目がダサくてそして聡明な女性、雪村さんの存在がとにかく大きい。僕的には彼女の言動を見たいが為に読んだようなもので、他は殆ど風景に等しいです。 目の前に居たらいらいらする可能性も有りますが、いじらしい女性って小説で出てくると全面的に応援したくなりますよね。まさにそんな感じです。 内容的にはとりたてて珍しい話でもないのですが、そんなキャラを産みだした時点で僕の中では大絶賛です。
Posted by
島本理生の『クローバー』は恋愛小説なのか?青春もの?島本理生に対する知見なく読み始めた本書は、変な双子の姉をもつ双子の弟目線から書いた普段小説かと思った。でもやっぱり恋愛小説だった。それもかなりしっかりとした。 双子の姉華子は冬冶の前でしか登場しないが、そこの無茶苦茶ぶりは逆に...
島本理生の『クローバー』は恋愛小説なのか?青春もの?島本理生に対する知見なく読み始めた本書は、変な双子の姉をもつ双子の弟目線から書いた普段小説かと思った。でもやっぱり恋愛小説だった。それもかなりしっかりとした。 双子の姉華子は冬冶の前でしか登場しないが、そこの無茶苦茶ぶりは逆にすっきりとするほど。それが身内の前だからなのか、一般的なのか。でも物語が進むにつれて、だんだんまともになっていくというか、物語全体が真面目に心理をほどいていくというか。 姉さんのハチャメチャぶりのまま、恋愛が成就するなんてのが面白いと思ったけど、冬冶に真面目に入り込みすぎたかな? 結局、(本人は全くそう思っていないが)特定の人にはモテる冬冶が無意識のうちに傷つきたくないという気持ちで、ガードしたり、深入りを避けたりする行動に対して、雪村さんが、きちんと読み解いて真の気持ちを取り出すっていうまともな展開。しかし実際にはこのまともな展開っていうのは心理まで表現する物語上の理想であって、実生活ではそれができなくてもどかしいというか面白いというか。そんなある意味理想の形を物語で提示している本書の魅力は結局ラブロマンスっていうか、求める道が合意できてよかったね、というほっとした感なのかもしれない。 是非スピンアウトした華子目線の物語も読んでみたいと思うのはわたしだけ?
Posted by
