ケインとアベル(下) の商品レビュー
ずば抜けた商才でのし…
ずば抜けた商才でのし上がったアベル、名門ケイン家に生まれ出世コースを突き進むケイン、2人の皮肉な出会いと成功。
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何を思ったのか、突如ドロドロの大河ロマンを読みたくなって。。。 頭に浮かんだのか、この本とケン・フォレットの『大聖堂』。2000年以降は全て残している読書記録を調べたら『大聖堂』は2007年に再読していますが、この本はタイトルのみで感想がありません。つまり2000年以降は手にして...
何を思ったのか、突如ドロドロの大河ロマンを読みたくなって。。。 頭に浮かんだのか、この本とケン・フォレットの『大聖堂』。2000年以降は全て残している読書記録を調べたら『大聖堂』は2007年に再読していますが、この本はタイトルのみで感想がありません。つまり2000年以降は手にしていないという事でこちらを選択。 いや~凄いですね。500ページの上下巻。 ポーランドの貧しい家で育ち、ソ連の強制収容所を命からがら脱出してアメリカに移民し、やがてホテルチェーンの経営者まで登り詰めたアベル。銀行頭取の息子に生まれ、恵まれた環境で高等教育を受け、その才覚でアメリカでも有数の銀行の頭取になったケイン。アベルは誤解からケインを憎むようになり、二人の経済的な闘いが語られます。このような場合、通常は良家が高慢で悪、貧家が善良というパターンなのですが、どちらかと言えばその逆なのが面白い。 私がここ最近読んでいる本が毛筆で描かれた繊細流麗な絵の様であるのに対し、この作品は剛毛の刷毛でバサバサと。良く言えば力強い、悪く言えば乱暴。次から次から巻き起こる事件で、人物造形などどこかおざなりで。 続編もあり、TVドラマ化され、ミュージカルにもなった大ベストセラー。若い頃は必死になって読んだ記憶があるのですが、四半世紀も経つと読み手の体力の衰えか、やや食傷気味。それでもやっぱり面白かったですよ。
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久しぶりに一気読みした小説。 ザ•アメリカといった波乱万丈のお決まりコースのような展開で、あまりに物事がはまりすぎてツッコミどころもあるが、それも含めてダイナミックなストーリー展開を楽しめた。 最後の終わり方が変に仰々しくなく、ただ2人の人生の物語として淡々と終わっていることで、逆に2人の壮絶な人生が色濃く浮き上がって余韻に浸ることができたように思う。 フロレンティナの続編があるようなので、そちらも読みたい。
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ケインとアベルは最後の最後まで対立していた。 お互いの大事な問題の時に一度ずつ歩み寄ろうと提案したのに、頑固なために結論一度も話し合うことはなかった。 息子のリチャードも娘のフロレンティナも、お互いの親を責めることはなく、感謝の気持ちを持っていたが、互いの両親が一歩も引かずウィリアムは一度もフロレンティナと話すことはなかった。 相手を恨み続けることは、自分を立ち止まらせてしまう。仕事ではうまく行くかもしれないが、自分のプライベートを、心を縛り付けてしまう。 仮に誰かが苦しみ消えてしまうことがあっても、悔しくて殺したいと思うことがあっても、まずは対話をして、お互いのその時の状況を知ることは大事なことだと思った。 対話はできないとしたら、想像してみること。 あとになって、その人のせいではなかったことを知ることはとても悲しいことである。 後悔は先に立たないもの。 初めはケインとアベルがどのように交わって話が進んで行くかと思った。途中交わって、犬猿の仲になって、それでも和解して、共にハッピーエンドになるものだと思っていた。しかしその逆だった。もし2人が早めに和解し、力を合わせて仕事をしていたらどんなに繁栄して、幸せになっただろうかと思うと残念だった。 和訳の永井淳のあとがきで、【小説、アメリカ現代史】と話している通り、ストーリーとアメリカやヨーロッパの歴史と共に話が進んで行くのはとても面白かった。
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ページをめくる手が止まらなくなるような小説です。 20世紀。ポーランドから放浪の旅を経てアメリカのホテル王になったアベルと、ボストンの名家に生まれ大銀行の頭取となったケイン。 世界恐慌や第二次世界大戦といった、歴史的大事件に翻弄される二人の数奇な人生。生まれも考え方も対照的な二人...
ページをめくる手が止まらなくなるような小説です。 20世紀。ポーランドから放浪の旅を経てアメリカのホテル王になったアベルと、ボストンの名家に生まれ大銀行の頭取となったケイン。 世界恐慌や第二次世界大戦といった、歴史的大事件に翻弄される二人の数奇な人生。生まれも考え方も対照的な二人が、互いをを蹴落とそうと繰り広げられる頭脳戦。そして迎える2人の最期と感動的な結末。 聖書の「Cain」と「Abel」を彷彿とさせるタイトル。響きからして絶対面白い!と思ったらそれ以上の面白さでした。サスペンス、ロマンス、戦争、歴史小説と、いくつもの物語を詰め込んでいるのに全く陳腐にならず壮観です。 時間を忘れ、物語の世界に没頭したくなった時に良い本だと思います。
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上巻に引き続きどんどん読み進め、ほぼ一気読みだった。上下巻通しての感想を一言で表すとすれば「どっちもどっち」という言葉が一番しっくりくる。お互いに対する憎悪もさることながら、めまぐるしく時代が変わっていく中で年老いていく二人はどちらも新しい時代に適応しきれなかった部分もあるように...
上巻に引き続きどんどん読み進め、ほぼ一気読みだった。上下巻通しての感想を一言で表すとすれば「どっちもどっち」という言葉が一番しっくりくる。お互いに対する憎悪もさることながら、めまぐるしく時代が変わっていく中で年老いていく二人はどちらも新しい時代に適応しきれなかった部分もあるように思う。戦争、ビジネス、復讐など様々な要素がこの小説にはあるが、アメリカや世界全体で価値観が大きく変わっていく過程と、自分の個人的な恨みに固執するあまりその流れに乗り切れなかった哀れな男の物語と言えるのではないだろうか。
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すごかった〜ほんっとすごかった ほんっっとにすごい。もうこれしか出てこない笑 最後の最後に二人が挨拶することはすごく感慨深いものがあったし、題名のとおりだなと いやーーほんっとにおもしろい ただ唯一途中途中若干だれてしまう感じがした でもこの一冊は本当にすごかった 銀の腕輪が最後二人の息子にわたってよかった
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最後のウィリアムの秘密がわかったことによって これまでのアベルのホテル王としてのし上がってきた人生が一瞬で虚しいものとなった。 ある意味、誤った復讐心が何十年も生きる活力になっていたから。死が近くなりその事実を知ったら「俺の人生ってしょうもな!」と絶望するかも。 ウィリアムの良い行いとして美しい終わり方みたいになっているけど… 実はアベルへの最高の仕返しだったりするのかも。 ひねくれた見方ですかね?
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ココロおどる"ちゃんぽんドラマ" 経営者の覚悟、決断と孤独。そして交差する感情と憎しみ、家族愛。色々渋滞していてお腹いっぱいだが、すんなり読めてしまう所が秀逸 □先に感想から 前半に比べると心理描写多めでドラマチックになるものの、アベルとケインからそれぞれ学べることは多い。特にケインがレスター銀行の頭取になる際の取締役になる際のリスクの取り方、事前根回しは学びが多い ・人間ドラマも潮らしい ちょっとベタな展開ではあるが、親友の死や憎悪のある家系同士の結婚も単なるピースではなく、前後繋がるから面白い ・話さなきゃ伝わらないが、言わない正義もある マシューも病気を黙っていたし、ウィリアムもアベルを買っていたことを最後まで言わなかった。(途中から憎しみが上回り言えなかった) わだかまりは言葉にしないと溶けそうにない、プライドのある経営者が歩み寄るのは難しい ・アベルから何を学べるか サイコパスぽいアベルだが娘への想いとか、自身への理解もない太って見た目も悪くなった女房を捨てるとか、人間ぽいのもアベル。あれだけ壮絶な経験の後に這い上がってきた中での人間らしさ、凡庸さみたいなところが面白い ・アベルもケインも抜かりなし さすが名経営者と名頭取。抜かりなしは言い過ぎで、抜かりあると片方に確実に刺されている。両者の緊張関係がお互いの能力の高さを示している。 ※ただし別の感想にあったが、ちょっと憎しみ合いが長く、凡人には共感が難しいかも ・脇役が良い味を出している 副頭取のトニー・シモンズとか、悪役のオズボーンとか、お互いの親友であるジョージとマシュー、アランロイドとかリロイ娘とか ■概要(完全ネタバレ) それぞれ順調に成長するアベルのバロングループホテルとケインの銀行、しかも親友のレスター家が途絶え?レスター銀行の頭取になる。お互い世界恐慌や大戦を乗り越えながら順調に成長するも、恨みの種があって互いの足を引っ張る様になる。 アベルは恩人で親友のリロイをケインに殺されたも同然と思い、ケインは母の死のきっかけとなった詐欺師オズボーンと組むアベルを憎む。アベルは本当はケインに助けられたのを知らないし、アベルも敵の敵は見方で仕方なくオズボーンと組んでいた。 大戦にそれぞれ兵士として出願する中で、実はアベルが瀕死のケインを助けていたのも数奇な運命か? 交差する人間模様と激動の20世紀のダイナミズムを文字面だけで体感できる超大作!
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かっこいい人は、良いことをしても公にしないってのがよくわかる。それで、人の口から広まってその人の価値が高まる。 リチャードはそんな人でした。しかも、自分の発言や行動が相手や社会にどんな影響を及ぼすか、そんな広い視野を持った素晴らしい人間でした。 リチャードとアベル、色々なすれ...
かっこいい人は、良いことをしても公にしないってのがよくわかる。それで、人の口から広まってその人の価値が高まる。 リチャードはそんな人でした。しかも、自分の発言や行動が相手や社会にどんな影響を及ぼすか、そんな広い視野を持った素晴らしい人間でした。 リチャードとアベル、色々なすれ違いや感情の入り乱れもあったが、最終的には心が温まる結末でした。 欲望にまみれすぎても家族や周りの人との人間関係が崩れる。自分のためよりも、その人たち一人一人を思った行動が、良い人達に恵まれる方法なんだなと思いました。良い小説でした。
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