間宮兄弟 の商品レビュー
痩せ型でシャツをズボンに入れてきっちりベルトを締める、兄明信。身長に対して体重の比重が大きく、革ジャンを好む、弟徹信。三十五歳と三十二歳の間宮兄弟は、二LDK家賃十三万八千円のマンションに二人で暮らしている。 心根の優しい間宮兄弟ではあるが、女性には全くもてない。幾度となく失恋...
痩せ型でシャツをズボンに入れてきっちりベルトを締める、兄明信。身長に対して体重の比重が大きく、革ジャンを好む、弟徹信。三十五歳と三十二歳の間宮兄弟は、二LDK家賃十三万八千円のマンションに二人で暮らしている。 心根の優しい間宮兄弟ではあるが、女性には全くもてない。幾度となく失恋した。その度に明信はビールを飲み、徹信は新幹線を見に行った。だから二人は「もう女の尻は追わない」と決めているのだ。 野球のスコアを毎日つける。音楽を聴く。読書をする。ゲームをする。ジグソーパズルに熱中する。カレー大会を開く…。 そんな風に間宮兄弟は毎日を楽しみながら、丁寧に生きていく。 子どものままに大人になった。彼らの純粋さ、まっすぐな生き方を見て、そんな印象を受けました。 確かに人とは違うかもしれない、でも、季節を共有し、楽しみや悲しみを共有し、毎日の食事を共有できる誰かが居る。それはとても、とても素敵なことだと思うのです。
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江國作品、結構読んでるのですが、 なぜか記憶に残らないのが私の印象です。 しかし、その中でこの作品だけは忘れない。 単行本でも読みましたが、文庫を買いました。 単行本の時と違うのは映画化した時のイメージで、 兄は堺さん、弟は塚地さんになっちゃってること。 でも、なかなか良いチョ...
江國作品、結構読んでるのですが、 なぜか記憶に残らないのが私の印象です。 しかし、その中でこの作品だけは忘れない。 単行本でも読みましたが、文庫を買いました。 単行本の時と違うのは映画化した時のイメージで、 兄は堺さん、弟は塚地さんになっちゃってること。 でも、なかなか良いチョイスだと思います。
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映画も観たけど、本の方がいいと思う。 簡単に言えば、モテない兄弟の話。 さえない男の人が、がんばって、愛しい人と結ばれる...!! なんて話はよくあるけど、こんな話も全然あり。 ほのぼのするね。くすくす笑いながら読みました。
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あっさりした感じ。 ほのぼのとして兄弟の淡い恋と二人の絆を描いた物語。 ほのぼのします。
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兄は今でいうところの草食系男子。弟は意外にも猪突猛進の肉食系。でもどちらも失敗続き。不憫な感じもしたが、それなりに生きていけそうなタイプだと思った。
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ちょっと変わってるんだけど、ふつーの話。まったりする。あったかくなる。間宮兄弟と、彼らを取り巻く人間模様。そしてまた続く生活。 2008/9/18
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普通に考えると、 絶対に物語の主人公にはならないだろう、 と思われるタイプの兄弟が主人公である。 間宮兄弟にとっての、 大きな事件かもしれない出来事も、 読者にとっては、ただゆるゆると流れてゆく日常的風景。 そう、この物語には、山場もハッピーエンドもないのだが、 それ故に、そんな...
普通に考えると、 絶対に物語の主人公にはならないだろう、 と思われるタイプの兄弟が主人公である。 間宮兄弟にとっての、 大きな事件かもしれない出来事も、 読者にとっては、ただゆるゆると流れてゆく日常的風景。 そう、この物語には、山場もハッピーエンドもないのだが、 それ故に、そんな兄弟が身近にいるような、 不思議な存在感が感じとれた。
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実家にいたとき、テレビでこの映画をやってた。 あんまり見てなかったから読んでみようかと。 前半は他の作品とは違うかな、と思ったけど 兄弟がそれぞれ抱えてるもの、それと女性サイド、 そういうのを見るとやっぱりこの人の作品だな、と思える。
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江國さんの本の中では、姉妹を描いたものが圧倒的に好きなんだけど、この本は別。よかった。二人の兄弟の生活の描き方がとても好き。すぐそばにいそうな二人に共感が持てた。
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江國香織作品では、久しぶりのスマッシュヒットでした。他人からは変わり者、おたくっぽいと敬遠されてしまうけれど、「へん」だけど一緒にいると「なんとなく、楽しかった」気になってしまう素敵な間宮兄弟!近所の公園とか、商店街とかをふくめた「ホーム」でのとっておきの遊び方、彼らが教えてくれ...
江國香織作品では、久しぶりのスマッシュヒットでした。他人からは変わり者、おたくっぽいと敬遠されてしまうけれど、「へん」だけど一緒にいると「なんとなく、楽しかった」気になってしまう素敵な間宮兄弟!近所の公園とか、商店街とかをふくめた「ホーム」でのとっておきの遊び方、彼らが教えてくれます。「おもしろ地獄」ジグゾーパズル(一度始めるとやめられない)、一冊の本を一日中持ち歩き台所でも窓辺でもどこでも読み続ける「読書の日」、一目を避けるのと同時に舞う翼の美しさを堪能できる「夜の公園での紙飛行機」…。夏に大汗をかいていたって、スポーツができなくたって、お洒落なお店をしらなくたって。そういうことを、「いいんだ、これで」と自分に許してやる、認めてやることで、人はこんなに毎日をたのしく生きることができる。もちろん、傷つくこともたくさんあるのだけれど、でもまた楽しい毎日はきっとやってくる。やっていける。
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