押入れのちよ の商品レビュー
和風ホラー短編小説かと思ってしばらく積読にしといたけど、思ってたよりそういう感じじゃなくて、思いの外良かった。 表題作が表題作なだけあって、いい。ちよが可愛い。「かるぴす」可愛い。 それ以外の話も、ひねりが効いてて、何回かページを巻き戻って読んでみたりもしました。 もうちょっと統...
和風ホラー短編小説かと思ってしばらく積読にしといたけど、思ってたよりそういう感じじゃなくて、思いの外良かった。 表題作が表題作なだけあって、いい。ちよが可愛い。「かるぴす」可愛い。 それ以外の話も、ひねりが効いてて、何回かページを巻き戻って読んでみたりもしました。 もうちょっと統一感があれば良かったかも、と思ったけど面白かったです。 『ステップファザー・ステップ』とか、性格がいいわけじゃない男の人が子どもに振り回される小説って微笑ましくて好きだ。 あとまともな人が同い年くらいの変人(でも不意に核心をつく)に振り回される小説も好き(例・陰陽師、まほろ駅前~)。
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夏だし軽いホラーを読みたい方はどうぞ。 この本は幽霊より人間の方が怖いです。 表題作が一番好きだなぁ。温かみがある。 「コール」は構成がすごく上手い!やられました。 「お母さまのロシアのスープ」も最後で納得。
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結構ダークな話が多数の短編集。 「コール」や「木下闇」も悪くなかったけど、何と言っても表題作「押入れのちよ」が良かった。ビーフジャーキーとカルピスに釣られて出てくる、下膨れで細目のちよ。その姿が可愛くて、ものすごくいじらしい。
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ちょっとゾゾーっとする短編集。 「押入れのちよ」は恐ろしいような待ち遠しいような? 格安物件ってやっぱり!? 「殺意のレシピ」、ここまで夫婦も似てくると・・・・・・、 「予期せぬ訪問者」、なんてマヌケな って感じが好き。
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現代を軽快な筆致で風刺する色取り取りの短編集。何れも、ひとひねりしてある小編で楽しめる。 特に表題作「押入れのちよ」のちよの哀切と、「お母様のロシアのスープ」の表現の妙が良い。グロ的表現は抑えているので、ホラーが苦手な方でも読み易いと思う。 余談だが、近年は孤独死する独居老人の増...
現代を軽快な筆致で風刺する色取り取りの短編集。何れも、ひとひねりしてある小編で楽しめる。 特に表題作「押入れのちよ」のちよの哀切と、「お母様のロシアのスープ」の表現の妙が良い。グロ的表現は抑えているので、ホラーが苦手な方でも読み易いと思う。 余談だが、近年は孤独死する独居老人の増加に伴って、いわく付きの物件も増加しているそうである。掃除はするとしても、お祓いもするのだろうか?貴方が今お住まいの部屋は夜中に妙な物音が聴こえたりしませんか?気になる方は確認してみよう。不動産屋の「はいなるあんさー」や如何に。
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今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。 《2010年5月22日 読了》
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今回、この著者の作品を初めて読みました。初めて読んだ作品が『お母さまのロシアのスープ』で、作者の世界を知らない私は「ぇ、なに、どういうこと?」と疑問符が浮かべてしまいました。全ての作品を読了後、再びこの作品を読み返すと「うわ、怖っ!」と背筋が凍り、気がつくと見事にその世界観に引き...
今回、この著者の作品を初めて読みました。初めて読んだ作品が『お母さまのロシアのスープ』で、作者の世界を知らない私は「ぇ、なに、どういうこと?」と疑問符が浮かべてしまいました。全ての作品を読了後、再びこの作品を読み返すと「うわ、怖っ!」と背筋が凍り、気がつくと見事にその世界観に引きずり込まれていった感じです。 表題作は、失業中の主人公が、都内の格安物件で明治生まれの少女の霊と遭遇する話。しかし、それに恐怖を覚えたり、幽霊に何か悪さをされたりという訳ではなく、仲良くなって楽しい同居生活をするというもの。解説ページにありましたが、こういう作品のことを「幽霊物語」というそうです。表題作の他に『コール』や『しんちゃんの自転車』など、幽霊が出る話=怖い話という常識を覆してくれる心温まるお話が収録されています。 その一方で、『殺意のレシピ』や『予期せぬ訪問者』のようなブラックユーモアと呼ぶべき作品も収録されていて、この1冊で著者の世界観に思わず引き込まれてしまいました。 著者は夢野久作や小栗虫太郎を愛読していたというだけあり、ホラーに分類される作品も、人間の内面や身勝手さを皮肉るような考えさせられる作品が多いです。 比喩や表現が非常に巧みで、読んでいてその情景が頭に浮かんでくるのですが、逆に細かく書きすぎてしまって「そんなに細かく書かなくてもいいよ」と退屈に思えてしまう部分も多々。比喩で文章のリズムが少し崩れてしまっているなと感じました。しかし、建物の構造や部屋の配置などはとても細かく設定されている、と感じました。
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僕は閉じそうになるまぶたを懸命に押し上げて、坂道を降りていく二人を見送った。二つの背中が木立ちの蔭にまぎれるまでずっと。 知ってるかい、幽霊も涙を流せるんだよ。
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萩原さんの初めての短編でしたが 怖いってほどでもないんだけど なんとなく怖い予感がする そんな1冊でした おもしろかった
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衝動買いの1冊。 帯にもありますけど、「ぞくりと切ない」 そんな言葉がぴったりの短編集ですね。 1つ目の「お母様のロシアのスープ」もインパクトが大きかったですし(でも途中で結末判っちゃった…)、 現実的な「介護の鬼」「殺意のレシピ」も面白かったですが、 一番は「しんちゃんの自...
衝動買いの1冊。 帯にもありますけど、「ぞくりと切ない」 そんな言葉がぴったりの短編集ですね。 1つ目の「お母様のロシアのスープ」もインパクトが大きかったですし(でも途中で結末判っちゃった…)、 現実的な「介護の鬼」「殺意のレシピ」も面白かったですが、 一番は「しんちゃんの自転車」かなぁ。雰囲気が好きです。 何にしても全編飽きずに楽しめる1冊でした。
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