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藤十郎の恋・恩讐の彼方に の商品レビュー

4.1

39件のお客様レビュー

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    10

  2. 4つ

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「青の洞門」のお話で…

「青の洞門」のお話です。よく聞く話ですが、市九郎が人間らしさを失いまたそれを見出し、最後はみんなに笑われながらも槌を振るい目標を達成する姿に感動します。

文庫OFF

2025/11/20

文学とは時間を忘れる読み物であり、自分の人生を再確認する場であり、過去の一流の書き手と対話できる方法である。

Posted byブクログ

2025/11/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

菊池寛は実業家のイメージが強く作品は読んだことがなかったの。手を付けたはいいが、注が多いせいか読みにくくてしょっぱなから挫折しそうに(+_+) なので後回しにして『恩讐の彼方に』を読んだら、すんなり♪ 全体的に読みやすく、興味深い内容のものばかりだった。 どれも人の心の根っこの偽らざる部分がうまく描かれていた気がする 甲乙つけがたいけど、一番好みだったのは『忠直卿行状記』 忠直のヨイショばかりされて却って孤独、な辛さがよく伝わって来た。 『俊寬』の絶望から幸福を作り出すたくましさもよかったなぁ。 菊池寛、気に入った♪

Posted byブクログ

2025/07/31

遅まきながら、初の菊池寛。短編の力強さを出せるのは、ストーリー性も文体も、流石。俊寛とか、フィクションになっちゃってるが興味深く。 最も響いたのは、蘭学事始。イノベーションとはこれを指すのだろう。 - 玄白が、何気なくそう云った時だった。今まで黙って、西と玄白との問答をいていた...

遅まきながら、初の菊池寛。短編の力強さを出せるのは、ストーリー性も文体も、流石。俊寛とか、フィクションになっちゃってるが興味深く。 最も響いたのは、蘭学事始。イノベーションとはこれを指すのだろう。 - 玄白が、何気なくそう云った時だった。今まで黙って、西と玄白との問答をいていた良沢が、急に口を挟んだ。 - 「いや、御両所のお言葉では御座るが、われらの存ずる仔細は別じゃ。凡そ、紅毛人とは申せ、同じ人間の作った文字書籍が、同じ人間に会得出来ぬと云う道理は、更々御座らぬわ。われらが、平生読み書きいたしおる漢字漢語も、又われら土大夫が、実践いたしおる孔孟の教えも、伝来の初には、只今の阿蘭陀の文字同様一切不通のものであったに相違御座らぬわ。それを、われらの遠つ祖どもが、刻苦いたして、一語半語ずつ、理会いたして参ったに相違御座らぬ。遠つ祖どもの苦心があればこそ、二千年この方、幾百億の人々が、その余沢に湿うて御座るのじゃ。良沢の志は、其処で御座る。われらは、この後に来る者のためには、彫心鍍骨の苦しみも、厭い申さぬ覚悟で御座る。杉田氏も、お志をお捨てなされないで、お始めなされい。われらは、今年四十九では御座るが、倒れるまで、努めてみる積りで御座る」 - 玄白は、良沢の志を聴いて、心から恥じずにはいられなかった。その雄渾な志を聴いて、心から恥じずにはいられなかった。彼はこれを自分に対する有難い忠言だと思わずにはいられなかった。が、彼は余りに触れられたくない急所に、相手が唐突に、触れて来たことに、可なりな不供を感ぜずにはいられなかった。此方が、半分は挨拶旁々、云っていることに、何の容赦もなく、真剣に向って来た相手に、ある不快を感ぜずにはいられなかったのである。 『之が、翁が、その頃よりの宿志にして企望せし所なり。世に良沢と云う人なくば、此の道開くべからず。されど翁の知き、素意大略の人なければ、此の道かく速かに開くべからず、是もまた天助なるべし』

Posted byブクログ

2025/03/16

面白かったです。人の心の内側の描写が良かった。誰もが抱く嫉妬や傲慢さ、悲しみ、やるせなさなど、葛藤が面白いほどハマった。 別の菊池寛が読みたい。

Posted byブクログ

2023/10/08

歴史物の短編10篇おさめる。昭和45年の第一刷であり、作品自体の古さはあるが、どの作品をとっても、読んだことはなくても何処か懐かしく、登場人物の苦悩を中心とする心象描写に、一定の安定さを感じた。  そこに安定さを見出したことは、ともすればこれらの作品により、自分自身が今まで見た作...

歴史物の短編10篇おさめる。昭和45年の第一刷であり、作品自体の古さはあるが、どの作品をとっても、読んだことはなくても何処か懐かしく、登場人物の苦悩を中心とする心象描写に、一定の安定さを感じた。  そこに安定さを見出したことは、ともすればこれらの作品により、自分自身が今まで見た作品のある雛型として成り立っているのかもしれない。  個人的には「忠直卿行状記」「形」がお気に入り。「形」は最も短編なるも、何処か人の真実味に迫るエッセンスが凝縮されているように思えた。

Posted byブクログ

2022/10/12

菊池寛氏の歴史物10編を収める。吉川英治小説の解説によれば、これらの作品によって、菊池氏が封建思想の打破に努めていたことがハッキリするとある。そんな思想は抜きにして、読みやすいし、面白かった。『恩讐の彼方に』、何十年ぶりだろう。

Posted byブクログ

2022/02/17

「ある恋の話」読了。 ラジオで聞いて興味を持ったので読む。 普段はハッピーエンドのフィクションを好んで読むが、こういった明治だとか大正時代の恋愛小説とも言えないような微妙な小説は、何も起こらないで終わるものが一番面白く感じる。

Posted byブクログ

2021/12/30

いつかは読みたいと思っていた「恩讐の彼方に」を目当てに購入。10篇の作品がどれもびっくりするほど読みやすく、予想外に楽しめました。 特に「蘭学事始」「入れ札」「俊寛」面白かったー。

Posted byブクログ

2021/08/08

短篇集です。「恩讐の彼方に」が、一番好みでした。最後の描写がなんとも感動的です。最後の「俊寛」も良かったです。どちらの作品も、どのような場所であれ、自分の役目と信じたことを貫き通すことで、認められたり、幸せが来るのかなって思いました。

Posted byブクログ