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藤十郎の恋・恩讐の彼方に の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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2017/08/06

菊池寛の作品が描く世界は結構悲惨なものが多い。けれど読後あまり暗い気分にならない。フィクションとして安心して読めるからかな。そして純粋に面白い。

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2017/07/15

菊池寛氏初期の佳作集。氏の作品は初めて読んだが、どれも非常に面白く人を勇気付ける感じを受けた。 人生どこかに救いはあるといった人間に対する優しさを感じた作品。

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2016/12/26

江戸中期~後期を舞台とした作品を纏めた短編集。 表題の作品である前者はそこまでピンと来なかったが、後者の「恩讐の彼方に」はかなり惹きつけられた。冒頭の設定を読んだだけで、あ。これこの後こうなるな。と予想はつき、読み進むにつれて「火の鳥」の鳳凰編らしさを感じたが、それでも既視感が...

江戸中期~後期を舞台とした作品を纏めた短編集。 表題の作品である前者はそこまでピンと来なかったが、後者の「恩讐の彼方に」はかなり惹きつけられた。冒頭の設定を読んだだけで、あ。これこの後こうなるな。と予想はつき、読み進むにつれて「火の鳥」の鳳凰編らしさを感じたが、それでも既視感が拭えなかった。洞窟を掘り進める後半に当たりようやく思い付いたのが映画「エル・ポト」に似ている!!だったが、まさか同映画の元ネタの作品だったとは思わなかった。 作者は、人間の心情描写が上手いと思う。 それも、人間の狡さや、その狡さを相手に見せない様にする虚栄心だったり、自分を騙す心を上手く描いている。

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2015/11/24

九州旅行に際して表題二作目めあてで手に取った本。古典的で難しい言葉遣いも多いけど、素人目にも洗練を感じさせる文章でおもしろく読めた。ひとの感慨について、オリジナルでたくさんの表現を持っているのだなぁ。

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2014/08/02

非常に読み易い文章、名文家ではないかな。 説明が多くて読者に想像の余地を残さない感はあるが、明瞭かつリズミカルさで補って余りある。 それにしても先代猿之助の会見での発言は、ここに繋がってるんですか、恥ずかしながら全く知りませんでしたわ。 こういうところにも当方の教養の無さを覚える...

非常に読み易い文章、名文家ではないかな。 説明が多くて読者に想像の余地を残さない感はあるが、明瞭かつリズミカルさで補って余りある。 それにしても先代猿之助の会見での発言は、ここに繋がってるんですか、恥ずかしながら全く知りませんでしたわ。 こういうところにも当方の教養の無さを覚える次第。

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2014/04/05

さっと目を走らしただけでも、言葉の流れの美しさを感じた。 そのリズムで紡がれる短編集の味わいといったら・・・。

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2013/09/26

「恩讐の彼方に」が、ゲスト参加した読書会の課題図書だった。ずっと以前に読んだことはあるが、こんな機会でもないと菊池寛を読むことはなさそうだ。いわゆる「青の洞門」を穿つ物語だが、上田秋成の『春雨物語』中の「捨石丸」にほぼ同じ話が収録されている。また改心した高僧の物語としても同じ『春...

「恩讐の彼方に」が、ゲスト参加した読書会の課題図書だった。ずっと以前に読んだことはあるが、こんな機会でもないと菊池寛を読むことはなさそうだ。いわゆる「青の洞門」を穿つ物語だが、上田秋成の『春雨物語』中の「捨石丸」にほぼ同じ話が収録されている。また改心した高僧の物語としても同じ『春雨物語』の「樊 噲」がそうだ。おそらくは、そのあたりに出典が求められるだろう。また菊池寛の小説にはいずれもその傾向があるが、わかりやすく語るために説明がやや過剰になり、想像力の余韻に乏しくなってしまうという欠点を併せもってしまう。

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2013/08/11

後悔のつのる短編集。とても読みやすく、内容も分かりやすい 自分というものをよく理解したいる登場人物が多い印象。もしくは合理化が上手いのか…菊池寛の外の作品にも手を伸ばしたくなった。 収録作品:『恩を返す話』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』『藤十郎の恋』『ある恋の話』『極楽』『形...

後悔のつのる短編集。とても読みやすく、内容も分かりやすい 自分というものをよく理解したいる登場人物が多い印象。もしくは合理化が上手いのか…菊池寛の外の作品にも手を伸ばしたくなった。 収録作品:『恩を返す話』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』『藤十郎の恋』『ある恋の話』『極楽』『形』『蘭学事始』『入れ札』『俊寛』

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2012/11/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

国語で習った作家ではあるが、作品は読んだこともなく、代表作も知らなかった。 調べてみると、表題作『恩讐の彼方に』がそうだろう、ということなので、手に取った。 短編集なので、いくつか収録されているけれど、中でもやっぱり表題作の2編は秀逸。 『恩讐の彼方に』は、仇討ちの愚かさを描いた作品。 どんなに悪事を重ねても、死をもって償うことだけが償いではない、と思い知らされる。 『藤十郎の恋』は、歌舞伎役者の偽りの恋の話。 自分には経験のない間男役を演じるために、たまたま居合わせた知人の奥さんに言い寄ってみる。 そうとは知らず、奥さんがその気になって……って話。 どちらも、凄く面白い。 ほかの収録作品も、するする読めて笑えるものも。 『極楽』なんて素晴らしい。 日々精進を重ねて極楽に行ったのに、毎日毎日変わることのない美しい風景を、ただ蓮華の台に座ったまま眺めるだけの生活。 痛みはない、飢餓も感じない、ただ退屈な毎日。 唯一、二度と行くことができない地獄のことを想像するときだけが退屈を紛らわしてくれるっていう逆説は、笑ってしまう。 菊池氏、いまさらわたしが言うまでもなく、素晴らしい作家だ。

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2012/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文豪の名に相応しい一冊ではないかと思います。 ほとんど現代の出来事ではなく、歴史上の出来事。 想像はできても、自分達と違う世界の物語。 違う世界故に入りにくいのではないか・・・という危惧がありましたが。 情景等は確かに昔の世界観だけど、完全に登場人物の心は今も昔もそう変わりない。 日本人が、持っているなんていうか道徳心とかそういったもの。 倫理と情がぶつかりあうところ。 そんなところがいきいきと書かれていて、本当に素敵な作品だとおもいます。 「形」とかブラックユーモアの効いた作品もあり、楽しく読ませてもらいました。 おすすめの一冊です。

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