灯台守の話 の商品レビュー
短いセンテンス。暗喩的な言葉。啓示的、寓話のようでもあり、詩のようでもある。読む人によって、変るであろう物語。途中で主人公のシルバーを抱きしめてやりたくなった。彼女は望まないかもしれないけど。愛情溢れる訳文の訳者に敬意を。
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岸本佐知子さんの名和訳で、自らも天才と自称するジャネット・ウィンターソンが灯台守の千夜一夜物語を展開する。港町の孤児少女シルバーを引き取った盲目の灯台守が語る、灯台と街とジキルハイドに似た牧師の話。たくさんの物語を織り込んで語るので、ところどころ難解で読者はついていかなくてはなら...
岸本佐知子さんの名和訳で、自らも天才と自称するジャネット・ウィンターソンが灯台守の千夜一夜物語を展開する。港町の孤児少女シルバーを引き取った盲目の灯台守が語る、灯台と街とジキルハイドに似た牧師の話。たくさんの物語を織り込んで語るので、ところどころ難解で読者はついていかなくてはならないが、随所にいい言葉が散りばめられている。
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物語のための物語。 遥か昔の船乗りの話も、バベルもピューもシルバーのお話も 灯台と灯台守だけが知っている物語。 過去も現在も未来だって波と一緒に存在してる。 この宇宙そのものが記憶装置。 あなたの物語。 どう話すかは、あなた次第。
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ある人が人生を物語り、またそれを聞いた人が物語ることでひとは他者の人生を生きる。19世紀後半の出版物「種の起源」や「ジキル博士とハイド氏」といった現実世界とリンクした物語との兼ね合いもドキがムネ。
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詩のような、時間と空間を越えてどこまでも続いていく物語。文章のリズムが良い。ちょっとヴァージニア・ウルフのようでもある。
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