明日の記憶 の商品レビュー
出版当時、初めて若年性アルツハイマー型認知症を知った。 今は実際のアルツハイマー型認知症の方々と接しているこの不思議。 利用者さんの心の機微を思う時、この本を思い出す。 認知症は誰でもなり得る未来。 自分が認知症になるかもしれない未来のために読むのも一興。
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まだ私は10代なのでそこまで近しいお話では無いのかもしれませんが、着々と進んでいく病気に妙にリアリティを感じました。
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バリバリ働く主人公 時間を間違えたり、道に迷ったりするようになり 仕事に支障が。 徐々に症状が進む様子が 辛かったです。 通っていた陶芸教室で 何度もお金を払うシーン、 一番最後、枝実子さんが迎えに来たシーン、 切なくなりました。
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自分の家族にも友人の家族にも知人の家族にも、痴呆症を患う人がいる。いつか自分やパートナーや友人自身にも、そんな時がやってくるのかもしれない。私たちくらいの年齢になってくれば、多くの人が感じる漠然とした不安。でもそれは、先の不安であって、いま自分に「その時」が訪れるとは思っていない...
自分の家族にも友人の家族にも知人の家族にも、痴呆症を患う人がいる。いつか自分やパートナーや友人自身にも、そんな時がやってくるのかもしれない。私たちくらいの年齢になってくれば、多くの人が感じる漠然とした不安。でもそれは、先の不安であって、いま自分に「その時」が訪れるとは思っていないだろう。 読み進めるのが辛くて、読了までにとても時間がかかってしまった。 記憶されることと忘れてしまうことの境目は、どこにあるのだろう。その境目が大きく動かされ、覚えておきたいことまで忘れてしまうようになったとき、それでも残る記憶はなんだろう。忘れてしまうことで始まる新たな日々を、どんな記憶が支えていくのだろう。 答えが見つからない問いを、いつか私に「その時」が来るまで、忘れてしまえるだろうか。
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佐伯さんの当該の病気が事細かく、進行していく。まるで自分がその症状におちいっている様にまで、物語に入り込んてしまいました。 年齢も近く、自分もいつ発症してもおかしくないようで危機感を持たざるを得ません。周囲にかける迷惑であるとか、家族に対する想いなど、自分でもそういう状況になるのかなと同じ様な感情を持ちました。 身近な人達を忘れてしまった後、それでも優しい人間であった佐伯さん。素のときの人間性がはっきりしたとき、それまでの人生をどう歩んできたか試されている様な気がします。 また症状が進行するとその人間性さえも消えてしまうのでしょうか。物語はその先までは語られていないのでわかりませんが、夫婦穏やかな優しい人生を歩んで欲しいです。
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木崎先生が釣り銭ちょろまかすの衝撃的だった。実は私も子供の頃認知症の祖母から何度もお年玉を黙って貰っていた。その後祖母はお金がない!泥棒が入ったと騒ぎ出すのを遠くから眺めていた。 アルツハイマーの様に患者が多い病気だと時間がかかっても薬が開発される。本書発行から15年、エーザイのアルツハイマー薬が売り出されたニュースを見た。現状はいかに早期診断するかが課題だそうだが、健康診断の項目とかになる日も近いか。 魚を猫のように片付ける。
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若年性アルツハイマー型認知症。 感情のコントロールが上手く出来なくなり、元々の人格も損なわれてしまう。 自分が少しずつなくなっていく、自分が自分でいられなくなるという恐怖と無力感。 自分がわからなくなる。 死ぬという概念すら抱かなくなり、幕を閉じるその時、どのような感覚になるのだ...
若年性アルツハイマー型認知症。 感情のコントロールが上手く出来なくなり、元々の人格も損なわれてしまう。 自分が少しずつなくなっていく、自分が自分でいられなくなるという恐怖と無力感。 自分がわからなくなる。 死ぬという概念すら抱かなくなり、幕を閉じるその時、どのような感覚になるのだろう。 自分が忘れても周りが覚えていてくれる。 たとえ思い出を忘れてしまってもなくなってしまうわけではない。 頭の中に引き出しがあって、古いものは一番下にあって、新しいものは上の方にあって、病気が進行していくにつれ上から順に削除されていってしまう。 そんな想像をする。 ラストがグッとくる。 自分も決して他人事ではないのだけれど、両親が認知症になった時のことを考える。 医学の発展を切に願う。
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次第にほっこり感が増す物語。 最後の描写はえみこさんの立場に立つと 怖さと哀しさとか色々あるのだろうけど 美しく思えた。
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2005年(第2回)。2位。 これはね、映画見た。最後の有名なシーンだけだが。青春の次はアルツハイマー。これは泣かないわけはない、と思いつつ、読み進める。 広告代理店の営業部長だった主人公が、アルツハイマーになり、症状が進んでいくところが、長女の結婚&出産と平行に書かれる。主人公が書いている日記がひらがな多くなるところがね、アルジャーノン。 こういうのはねー、仕方ない。
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映画化されたことで有名な若年性アルツハイマーに侵された50歳男性のお話。 重いテーマなのに、大変読みやすく書かれています。 痴呆やアルツハイマーに対する誤った認識を痛感するのはもちろん、患者本人にも意識や考えがあり、必死に抵抗し、戦い、周囲を考えて苦しんでいるのだということが伝...
映画化されたことで有名な若年性アルツハイマーに侵された50歳男性のお話。 重いテーマなのに、大変読みやすく書かれています。 痴呆やアルツハイマーに対する誤った認識を痛感するのはもちろん、患者本人にも意識や考えがあり、必死に抵抗し、戦い、周囲を考えて苦しんでいるのだということが伝わってきました。 それが、とにかく切ない。 生きるということ、家族や思い出の大切さ。 心の奥にずしん、と響くものがありました。 主人公と同世代の父を持つからか彼のプライドや言葉にならない思い、娘への愛情を綴った表現には涙。 また、主人公が書く日記から、徐々に漢字が減っていくのには本当に参りました。 「アルジャーノンに花束を」を読んだ時もそうでしたが短い日記でも、1度には読むことができない重さがあります。
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