明日の記憶 の商品レビュー
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佐伯雅行 広告代理店第二営業局部長。五十歳。若年性アルツハイマー病にかかる。 佐伯枝実子 雅行の妻。四十六歳。病気になった夫を献身的に支える。 渡辺梨恵(佐伯梨恵) 佐伯夫妻の一人娘。 二十四歳。直也とできちゃった結婚をする。 渡辺直也 梨恵の夫。三十三歳。設計事務所を経営する建築家。 安藤 雅行の部下。 生野啓子 雅行の新人の部下。佐伯チームのメンバーでは二十三歳といちばん若く、明朗快活で部を盛り上げる華やかな存在。 粟野 第二営業局。天才肌ではないが、手堅い仕事をする常識人。 河村篤志 大手メーカーを親会社とするIT企業「ギガフォース」の宣伝課長。佐伯チームの一大クライアントであり、佐伯を振り回す。 園田 雅行の部下。チーフ。 児島 雅行の学生時代の同期。四十八歳で死亡。肝臓癌だった。佐伯が陶芸をやめた後、アマチュアとしては名の通った陶芸家になっていた。 木崎茂之 陶芸教室の主催者。四十代手前。新進の陶芸家。 アルツハイマー病にかかった雅行が進行を少しでも遅らせようと通う陶芸教室の先生。 雅行の父 七十一歳の時にアルツハイマーを発病した。 菅原卯三郎 奥多摩の工房「日向窯」の陶芸家。雅行と枝実子が結婚するきっかけを作った。現在は認知症となっている。 吉田武宏 雅行の主治医。大学病院神経内科の医師。三十代。大学の講師。痴呆病理が専門。 渡辺芽吹 梨恵の娘。雅行の孫娘。
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忘れたくない記憶、大事にしないとな。 日記のひらがなが多くなったり、 事実と異なることを書き始めるあたりからとても切ない。 50歳、今まで物忘れ等あったにしても 半年そこらでこんな進行しちゃうの? もちろん個人差大きいと思うけどやっぱり怖いな。 そして根拠もなく自分の症状は...
忘れたくない記憶、大事にしないとな。 日記のひらがなが多くなったり、 事実と異なることを書き始めるあたりからとても切ない。 50歳、今まで物忘れ等あったにしても 半年そこらでこんな進行しちゃうの? もちろん個人差大きいと思うけどやっぱり怖いな。 そして根拠もなく自分の症状は平均より進行が遅いと勝手に思ってしまう思考、分からなくもない…。 自分の病気を認めきったところからは 清々しく読めた。 特に菅原老人と山で再会したところからは 自然の空気だけを纏っているかのよう。 ------------------------------------------- 若い頃は死をさほど恐れてなかった。 それは今までの人生を失うことより これから先、自分に立ちはだかる長い人生の方が怖かったからかもしれない。
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仕事の話は読みにくかった、、、 後半にかけて面白くなった。 残酷な病気やと改めて認識させられました。
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治らない。というのが怖い。 出来るとしたら、進行を遅らすこと。 人間は赤ん坊として生まれ、赤ん坊になって死んでいくんですね。
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『題材からしては若干綺麗すぎるかも』 現代にて多いに起こりうるような題材 自身がこの分野に興味があるため どのようなものかと思い読んでみたが、 流石に綺麗に描きすぎている印象 確かにノンフィクションでは無いため仕方ないとも言えるが、あまりにも物語味が強いような 少しでも現実を...
『題材からしては若干綺麗すぎるかも』 現代にて多いに起こりうるような題材 自身がこの分野に興味があるため どのようなものかと思い読んでみたが、 流石に綺麗に描きすぎている印象 確かにノンフィクションでは無いため仕方ないとも言えるが、あまりにも物語味が強いような 少しでも現実を知りたいというような気持ちが 無ければ充分に満足できるかもしれない
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あとがきの解説にあった 【若年性アルツハイマーへの理解が広まることを、いや、広まっていることを願っています。】 のメッセージ。この本が出版されたのが2004年。今は2023年なので20年近く経過しているのに、理解が広まったとは感じられない。 丹野 智文 『認知症の私から見える社会』 という本を最近読んだ。丹野さん御本人が39歳で若年性アルツハイマー病を発症、その御本人が書いた本。 その丹野さんをモデルにした 『オレンジランプ』 も読んだ。 そのため、内容は頭に入りやすく、やっぱり、と思うことも多々あった。 この本は50歳で若年性アルツハイマー病を発症した広告代理店の営業マン佐伯が、仕事でもプライベートでも、なんとか取り繕おうとし、だんだん受け入れざるを得ない状況になる話。 メモをポケットにパンパンに詰め、忘れないよう、自分なりの工夫をするも、アルツハイマー病の進行がそれを追い抜いていく。 渋谷の真ん中で、道に迷いポケットのメモをばらまいてしまうシーンはこたえる。そこでさり気なく、しかも適切に電話で案内する部下の生野は、素晴らしい。 こういう人になりたいと思う。 親近者にアルツハイマー病の人はいませんか、と医者に聞かれても、いない、と即答するのは認めたくない気持ちの現れか。 病気を知って、騙すような人も、思いがけず助けてくれる人も、様々。 でも一番理解してほしい人、妻の枝実子が最初は民間療法などに走っても、最終的に佐伯に寄り添って伴走してくれる。 身近に50歳前後で同じように発症、退職、徘徊、介護施設に入り、発症から15年で亡くなった人がいる。 話に書いてあるほど現実は甘くないし上手くも行かない。 知っている限り、どのパターンも妻がいる。この妻がアルツハイマー病になったら、おひとりさまでなったら、と考えると、恐ろしくなる。 私が私をわからなくなる、その前に消えたいと思う。 長生きしてしまう今の時代ならではの悩みか。 それでも、読んでいない人にはぜひ読んでほしい一冊。
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読み終わり思ったことは、何より若年生アルツハイマー怖いなと思った。そして、優しくされても冷たくされても悲しくなる病気なのだと感じた。 病気に向き合う主人公が居た堪れなく、備忘録が寂しくて、事あるごとに思い出せ、頑張れ、と応援しながら読むが病気は進行していくばかり、、。 周りは手を差しのべてくれるが敵のように思え、思考を巡らせるが認めきれずに自分を責める。 当たり前のことが出来ず素直に落ち込み苦しくなる。鬱になるとは初めて知ったが、読んでいくにつれそうなっても仕方ないように思えた。 ラストが、孫、娘夫、娘、奥さんですら忘れてしまうが、せめてもの優しさに溢れるシーンで良かった。
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50歳の部長職で若年性アルツハイマー病に罹患した話。 こういう話を読んでいると、ふと何かを思い出せないときに「アルツハイマー」という単語が浮かんでヒヤッとする。 もっと酷く書くこともできただろうけど、主人公の人柄なのか苦悩を描きつつ、周りに当たることがないという印象だった。 陶...
50歳の部長職で若年性アルツハイマー病に罹患した話。 こういう話を読んでいると、ふと何かを思い出せないときに「アルツハイマー」という単語が浮かんでヒヤッとする。 もっと酷く書くこともできただろうけど、主人公の人柄なのか苦悩を描きつつ、周りに当たることがないという印象だった。 陶芸家の先生は誤解であってほしかったな。 最後はきれいに終わったけど、大変なのはそこからなんだろうなという印象だった。
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アルツハイマーって名前しか聞いたことなかった。 認知症もそうだけど、記憶が無くなるのは精神的にも辛いし本人も周りも辛いし人格も変わっていくみたいだし治療法がないってのもなぁ。頭がいい人、薬を早く作って欲しい!この主人公は性格が穏やかでしっかり考えて向き合う人だったから余計切なかった。記憶があるうちに写真に残して綺麗なもの好きなもの沢山頭に入れとこう。
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主人公が語る物語の大部分は、冷静に自分を見つめているように見えるけれど、ときどき挟まれる「備忘録」から病状の進行がうかがえてヒヤッとしました。 自分が自分でなくなる恐怖。だけど例え自分のことがわからなくなっても、それまで生きてきた証は周りの人の中に残っている。大切な誰かを失うこ...
主人公が語る物語の大部分は、冷静に自分を見つめているように見えるけれど、ときどき挟まれる「備忘録」から病状の進行がうかがえてヒヤッとしました。 自分が自分でなくなる恐怖。だけど例え自分のことがわからなくなっても、それまで生きてきた証は周りの人の中に残っている。大切な誰かを失うことは想像もしたく無いけれど、心の中で生き続けていると考えると少しだけ前向きになれそうです。
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