家族狩り オリジナル版 の商品レビュー
最後まで一気読み!
タイトルからして壮絶。崩壊していく「家族像」。一家心中なのか、連続殺人事件なのか。かかってきた電話の意味は?たたみかけるような展開で最後まで息つく間を与えません。克明な心理描写が、読者の心を震わせます。
TKS
家庭内暴力に悩む家族が連続して一家惨殺される。しかも容疑者とされる少年は、いづれの事件でも自殺。第一発見者となった高校教師と、自らも家庭内に問題を抱える刑事は、共に事件の核心に近づき犯人に辿り着く。 以前ドラマで見た時は、凄惨な殺害現場シーンばかりが誇張されていたが、小説では殺人...
家庭内暴力に悩む家族が連続して一家惨殺される。しかも容疑者とされる少年は、いづれの事件でも自殺。第一発見者となった高校教師と、自らも家庭内に問題を抱える刑事は、共に事件の核心に近づき犯人に辿り着く。 以前ドラマで見た時は、凄惨な殺害現場シーンばかりが誇張されていたが、小説では殺人に至るまでの犯人の異常な心理状態や、事件に関わっていく刑事馬見原とその家族の心理描写など、ドラマでは描かれていなかった登場人物の内面がかなり深く描かれていて面白かった。長編小説なのに中だるみしておらず場面展開が早く最後まで真相がわからない。物語後半でようやく犯人らしき人物が登場するタイミングも、良かったと思う。ただ、やはり殺害現場の描写があまりにも残虐で恐すぎるので、星は3つ。
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分厚いし、2段に分かれてるし読めるかなとおもったけど、読み出したら止まらなかった。 ただのミステリーではなくて、家族(親子)の愛情・問題・理想について様々な考えをもっている登場人物がいて、理想の家族像=‘’家族が子どもにとって一番の居場所‘’であるが、必ずもそうはいかないとき第三者が居場所・関わりを作ってもいいのではないか。多少問題があっても血の繋がりのある家族と一緒にいた方がいいのではないか。 様々な立場の人たちの目線の思想は考えさせられました。 テーマは重く、事件の内容も悲惨ですが人間味のある登場人物のせいか難しくて進まないということはなかったです。 一応ハッピーエンドと思えましたかわエピローグではまたぞくぞくしちゃいました。
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うーん。すごい描写に寒気がします。天童荒太さんは、ともかく優しさ美しさに惹かれていた作家さんだったのですが、こんな真反対の作風もあるんですね。凄い!
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この本は予想とはまるで違った展開だった…。そこは良かったが…。今までこれほど残虐な描写を目にしたことがあっただろうか?(読んでいる途中震えが来て、そのシーンだけ読み飛ばしてしまった)活字を目で追うだけで、リアルにイメージ出来るほどの作家の筆力に舌を巻く思いだ。(貴志さんの「黒い家...
この本は予想とはまるで違った展開だった…。そこは良かったが…。今までこれほど残虐な描写を目にしたことがあっただろうか?(読んでいる途中震えが来て、そのシーンだけ読み飛ばしてしまった)活字を目で追うだけで、リアルにイメージ出来るほどの作家の筆力に舌を巻く思いだ。(貴志さんの「黒い家」も相当怖かったが、あちらは心理的に怖かったのであって、怖さの種類が違うような気がする) 面白かった、とは言えないが狂気を描いた本の中では一級品だと思う。天童荒太さん、素晴らしいです。
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久々に読みごたえのある小説に出会った感あり 犯人誰だ― と思いながら、そっち行ったか まぁ主要登場人物の中から...と考えれば 途中から怪しげさ満載になっていきましたからね いつの世も悩みは絶えず... 最後がハッピーエンドの人たちもいて後味は悪くないかな
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2段組みの541ページ。 その後エピローグ的に1段の1章がついて、合計562ページの長編だった。 物語は、いきなり残酷きまわりないシーンから始まった。 1996年4月29日。東京の静かな住宅街。麻生夫婦がのこぎりで身体を引き裂かれて殺されるという事件がおこった。不登校で家庭内暴...
2段組みの541ページ。 その後エピローグ的に1段の1章がついて、合計562ページの長編だった。 物語は、いきなり残酷きまわりないシーンから始まった。 1996年4月29日。東京の静かな住宅街。麻生夫婦がのこぎりで身体を引き裂かれて殺されるという事件がおこった。不登校で家庭内暴力もあった息子が両親を殺害して自殺したとみなされたが、その後、同じ東京で実森夫婦が頭や足から灯油をかけられ、焼き殺されるという事件がおこる。やはり不登校で家庭内暴力をしていた息子が灯油を飲んで死んでいるのが見つかり、息子による犯行とされた。 2つの事件を調べた馬見原刑事は、あまりに似すぎている事件にかえって違和感を覚え、独自に調査を始めた。高校に入学したばかりの息子を事故で失っていた馬見原は同い年ぐらいの少年少女の家庭的に不幸な状況は黙って見ていられなくなっていた。精神的に不安定な妻も気になるが、実父から暴力を受け続けている少年研司とその母綾女のことが気になって仕方がない。馬見原は家庭的に修羅場を持っていたのだ。そのせいもあって、残忍な事件が子どもの手によってなされたとは信じられない。 そして麻生家殺人事件の第一発見者となった美術教師・巣藤浚介。 不登校気味の生徒のいる実森家を訪ねたあと、すぐに殺人事件が起こったり、問題行動の多い女生徒亜衣から何かといやがらせをうけるという、事件が彼のテリトリーでおこっているような、嫌な役割を担っている。亜衣のおこした問題行動で知り合った児童相談センターの氷崎遊子からも冷たい視線でみられる始末。あまりに不運がまとわりつくので、巣藤浚介は引っ越しを考え、中古の一軒家を契約するつもりで見に行った。そこで知り合ったのが白蟻駆除業者の大野だった・・・。 あまりにえげつない殺害シーンが続くので、 人間が本当にこのような殺し方をできるのか、と恐くなった。 これを高校生ぐらいの少年がしたというのは、信じられない。 しかも殺したのは、自分の親、だ。 だがストーリーが進むにつれて、どうやら真犯人は別にいるらしいので 少しはほっとした。 真犯人、刑事の馬見原、教師の巣藤浚介、 そして氷崎遊子と女子高生亜衣。 主要な登場人物がそろって、 家庭的に傷をもっているのがなんとも痛ましい。 多感な中学・高校生の複雑な心理状況は 大人には理解しにくいものだ。 親の見栄や世間体で物事をみてはいけないのだ。 子どもの本当の気持ちをわかってやるにはどうすればいいのだろう。 物語は終わったけれども 終わらせてはいけない重要な問題定義が残されていると思う。 プロローグとエピローグは 電話相談室にかかる相談者との電話の会話だった。 今日もどこかでこのような電話が鳴っているのだろうか。 SOSは、解答者ばかりか 相談者の周りの大人たちが早めに気付いてやらねばならない。 1995年当時のオリジナルバージョン。 なんとも考えさせられた、天童荒太さんの力作だった。
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東京の静かな住宅街で立て続けに起こった殺人事件 家庭内暴力をしていた子供が家族を惨殺し 自分も自殺した・・ そう警察も結論付ける中、たったひとりの刑事だけが 疑問を抱いていた。 巻き込まれた高校教師、施設の女性職員たちと 犯人に迫る 重い、とにかく重い。 そして「家族」と...
東京の静かな住宅街で立て続けに起こった殺人事件 家庭内暴力をしていた子供が家族を惨殺し 自分も自殺した・・ そう警察も結論付ける中、たったひとりの刑事だけが 疑問を抱いていた。 巻き込まれた高校教師、施設の女性職員たちと 犯人に迫る 重い、とにかく重い。 そして「家族」というものを深く考えさせられる。 全編、狂気に支配された骨太な小説です
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家族とは……といったことを考えさせられる本でした。 子どもが不登校になったり、荒れてしまったときの親の気持ちや、大人を信用できない子どもの気持ちはわかるけれども、犯人の気持ちは全くわからなかった。 いかにも「フィクション」という感じの小説。
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登場人物ほとんど頭おかしい。読んでいるこっちもおかしくなってしまう。増補改訂版も読む気だったけどその気なくなった。
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