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歌う船 の商品レビュー

4.3

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

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2023/12/01

「金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に繋がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔けめぐり、苛烈な任務をこなす。が、嘆き、喜び、愛し、歌う、彼女はやっぱり女の子なのだ……! サイボーグ宇宙船...

「金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に繋がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔けめぐり、苛烈な任務をこなす。が、嘆き、喜び、愛し、歌う、彼女はやっぱり女の子なのだ……! サイボーグ宇宙船の活躍を描く傑作オムニバス長編。」

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2023/10/27

SFを読んだーという感じが物凄くする作品。主人公のヘルヴァは宇宙船ですが女の子。結構重い設定ですが、彼女がその生を満喫しているのでとても明るく読めます。 読みにくいと感じましたが、内容の面白さ故飽きることなく読めました。 宇宙船が恋をして歌って旅をする。わくわくする冒険譚です。

Posted byブクログ

2022/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

重度身体障害者として産まれたヘルヴァ。生命維持装置なしで生きられない彼女の、申し分なく賢い脳髄を生かすために、<中央諸世界>が選んだのは彼女をサイボーグ宇宙船として活用する策だった。チタニウムの殻に閉じ込められた「殻人<シェル・パーソン>」として神経系の手術を受けて宇宙船に繋がれ、<中央諸世界>の一員として与えられる過酷な任務を遂行するヘルヴァは、宇宙船の音声装置を駆使して美しい歌声を響かせる「歌う船」としてその名を馳せていく。心は乙女・身体は宇宙船のヘルヴァが経験する、恋と友情と努力の日々・・・。 ・・・うーん・・・。良くも悪くも、「古典」ですね。 面白いです。読んでる最中は次が気になって仕方なくて、ページを繰る手が止まりません。が、ページを繰りながらも心のどこかにしこりを感じる、鴨的にはそんな作品でした。 ヘルヴァをはじめとする「殻人<シェル・パーソン>」が、自らの生き様を誇りと感じ、人間として成すべきことを成していると胸を張って主張できる。昨今のダイバーシティの観点から、素晴しい作品だと思います。 ・・・が、鴨的にはどうしても、「殻人<シェル・パーソン>」が幼児の頃からその生き様に疑問を感じないよう外挿的な教育を受けていること、一方的に<中央諸世界>から課せられる借金(=殻人<シェル・パーソン>として生まれ変わるための経費)を返すために一定期間”奉公”に出なければならないこと、借金を返済した後も宇宙船として生きる以外の選択肢が事実上ないこと・・・こうしたことに、違和感を感じざるを得ません。 ヘルヴァ自身が、この世界観に多少の違和感を感じていることは、読み進めるとそれなりにわかってきます。が、最終的にそこそこハッピーエンドに落ち着いているところが、また良くも悪くも古典だよな、とは思います。 そして、同じオンナとして、ヘルヴァに訊きたい。 なぜ最後にナイアル・パロランとくっつく???(爆) この展開がもぅ本当に心から理解できなくて、メロドラマとしてもよくわかりませんでした・・・アン・マキャフリィと趣味が合わなかった、ということなのか・・・w いろんな角度から突っ込みどころ満載です。そういう意味でも、面白い作品です。

Posted byブクログ

2022/03/15

読んでからこれが1969年の作品であることを知って驚く。なんというか、ガジェットに傾注せずに人間を描くことで、時間が経っても、時代が変わっても古さを感じることなく読めるのかな。 この人の作品、ちょっと説明が足りずいきなり作品内世界の物事が登場するので慣れないと途中で厳しくなるかも...

読んでからこれが1969年の作品であることを知って驚く。なんというか、ガジェットに傾注せずに人間を描くことで、時間が経っても、時代が変わっても古さを感じることなく読めるのかな。 この人の作品、ちょっと説明が足りずいきなり作品内世界の物事が登場するので慣れないと途中で厳しくなるかもしれないですが、そこを乗り越えれば。独特の雰囲気が広がります。

Posted byブクログ

2020/07/20

SF。スペースオペラ。 作品を通して、宇宙船の身体を持つ主人公ヘルヴァの心理描写がメインとなる。 はじめの3話は純粋なSFの雰囲気で好き。 後半の3話は、演劇や恋愛など、苦手な要素が多くてイマイチ。 個人的には、もっとドライな感じの作品が好みだが、主人公に感情移入しやすく、好きな...

SF。スペースオペラ。 作品を通して、宇宙船の身体を持つ主人公ヘルヴァの心理描写がメインとなる。 はじめの3話は純粋なSFの雰囲気で好き。 後半の3話は、演劇や恋愛など、苦手な要素が多くてイマイチ。 個人的には、もっとドライな感じの作品が好みだが、主人公に感情移入しやすく、好きな人は多そう。人気作品というのも納得。

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2018/12/08

再読 40年以上前に書かれた作品だから だとしてもSFというより この世界の常識が通じない異星異世界異人間ファンタジーというくらい SFのSがサイエンスなら人間の思いつくカガクとしてありえない変なところが 現在としては目に付く変な作品 その異世界ぶりがかえってSFかもしれない ...

再読 40年以上前に書かれた作品だから だとしてもSFというより この世界の常識が通じない異星異世界異人間ファンタジーというくらい SFのSがサイエンスなら人間の思いつくカガクとしてありえない変なところが 現在としては目に付く変な作品 その異世界ぶりがかえってSFかもしれない また原文のせいか訳文のせいかわかりようもないが 文章もかなり読みづらい すごく読みづらい 文章として「正しい」のかもしれないが 現在の娯楽小説向きでない「文体」だと思う そういう変な世界と設定読み取りづらい文章という特徴を除けば 大人向けマンガ雑誌とかにひとやまいくらでありそうな (変な)スペオペ舞台の職場もの 新訳で読みたいがそうすると古典度を消失しかねないか

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2016/10/16

宇宙船の体を持つサイボーグの少女が主人公のSF小説となると、とっつきにくい感じがしますが、そんなことは無かったですね。 あくまでも、ちょっと普通でない少女の成長物語、といったらくだけすぎかな。

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2015/05/14

彼女は歳をとらない。しかし彼女は歳をとる。 彼女は歳をとる。しかし彼女は歳をとらない。 彼女にとって、歳月とはどんな意味を持つのだろう。 今の彼女は、うら若き乙女だ。 そしてこれからの彼女も、うら若き乙女であることもできるはずだが、歳月は流れていく。 肉体は不死でも、歳月は流...

彼女は歳をとらない。しかし彼女は歳をとる。 彼女は歳をとる。しかし彼女は歳をとらない。 彼女にとって、歳月とはどんな意味を持つのだろう。 今の彼女は、うら若き乙女だ。 そしてこれからの彼女も、うら若き乙女であることもできるはずだが、歳月は流れていく。 肉体は不死でも、歳月は流れ、経験は増していく。 それはまさに歳をとるということだ。 歳をとって、彼女はどう変わるのか、どう変わらないのか。 そして彼女は、歳月というものをどう扱うのか。 永遠を約束されているが、永遠は永遠で、途方もない質量を持っている。 歳月は彼女にとって、命の水となるのか、冷たい刃となるのか。 最期の時。 その時まで、彼女はどう生き、どう変化していくのだろう。

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2014/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった! 久しぶりに中高生の頃読んでたハーレークインロマンスを読んだような読後感。 パロランが好き!もう、ホントやることなすこと、大分悪党でストーカーのような気もするけど、共感できるところも大いにあり、抜け目もなく、お互いに悪いところも堂々と言い合い、もうむしろ、この人達罵り合ってるんじゃないかというようなセリフで愛の告白をしあっているところとか、たまらなかったです。 読み始めた最初の方は、SFとしての道具立てや描写が、コンピューターが身近になる前の価値観での古さ、人間の匂いがありすぎる機械の描写に思えて、かえってとっつきにくさを感じてしまったけれど、コレヴィ任務の時の全く違う星系、コミュニケーションは取れるけれど、全く異なる「知的生命体」の描写に「私達にとって未知なるもの」への敬意みたいなものが感じられて、そこからようやく入り込めるようになった気がする。 演劇、というか、舞台で発散される「エネルギー」に大きな価値観が見出される、って発想は面白かった。 一部地域としての文化的背景や価値観がそのエネルギーを生み出すのに一役買っているはずだから、それを「未知なるもの」にそのまま伝えるというのもおかしな話ではあるけれど。そこは、イキイキ描かれている登場人物達のキャラクターでカバーされていたような。 勧められて読んだのだけれど、確かに、面白かった。

Posted byブクログ

2013/04/13

前半、後半は動きがあって面白いが真ん中辺りは少しだれてしまい読む速度が極端に落ちてしまった。 SFというジャンルではあるが、とどのつまりヘルヴァの恋物語でした。 ヘルヴァが前半で失ってしまったブローンへの思いをどうやって断ち切り、新しいブローンを受け入れられるか。ずっと仕事上の付...

前半、後半は動きがあって面白いが真ん中辺りは少しだれてしまい読む速度が極端に落ちてしまった。 SFというジャンルではあるが、とどのつまりヘルヴァの恋物語でした。 ヘルヴァが前半で失ってしまったブローンへの思いをどうやって断ち切り、新しいブローンを受け入れられるか。ずっと仕事上の付き合いでしかなかったブローンから生涯の相棒としてのブローンを探すまでのお話でした。できれば、後日談も読んで見たいところです。

Posted byブクログ