1,800円以上の注文で送料無料

ねずみ女房 の商品レビュー

4.7

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

同僚から児童書なんだけどに大人の女性が好きだと思う、と聞いて手に取る。 以下内容覚書と感想 めすねずみとして忙しく暮らす中、鳥かごに囚われたハトと出会う。 何も食べようとしないハト。口にしたいものはコレジャナイ。自由に空を飛び朝のつゆをついばみたい。めすねずみはハトから空を飛ぶことの素晴らしさや自由な外の暮らしを聞く。 空を飛べたら、外の世界を見られたらと憧れを抱きながらこねずみがうまれ、ハトに会えない日が続くが思い立ってハトの元へ。ハトはめすねずみの訪れををずっと待っていた。もう会えないかもと思ったよぅと何度も言いハグをするハト。羽毛の胸は暖かく。 ある日めすねずみはハトを逃がす。 ※こんなに短いお話なのに、暖かくて切なくて胸がぎゅぅぅとなった。小さな生きものたちのお話ではあるがいわずもがな、置き換えて思うところがあるヒトはたくさんいることだろう。おすねずみも登場するがこういう夫さんいるよねという感じ。 昔の映画「テルマ&ルイーズ」とかちょっと思い出した。 著者には『ねずみの家』というお話もあり、こちらはどうなっているか気になる。

Posted byブクログ

2023/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ねずみ女房の心にめばえた未知の世界への憧れ 平凡に暮らしていた女房ネズミとオスネズミ。ある日女房ネズミは、いつものように食べ物を探していると、家主のウィルキンソンさんが用意したかごに捕えられているハトと出会います。ハトからを空を飛んでいたころの外の世界の話を聞いた女房ネズミは、自由に羽ばたきたいハトの心情に強く心を打たれ、渾身の力で、かごの戸を開けてやります……。美しい魂の輝きが伝わってくる珠玉の名編です。 読んであげるなら ― 自分で読むなら 小学中学年から」

Posted byブクログ

2022/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ハトとの出会いを通して、日々の貧しいルーチンの生活の中で、これまで思考したことのない事を思考し、やがて、「星を見る」一瞬の体験を得る、めすねずみ。 自分を取り巻く小さな世界から、ほんの一瞬だけれど、さらに広い世界、自分の世界を超えた世界に触れた者の、内面の輝き。めすねずみにとって、ハトを自由にしてやった後、窓から見えた光景は、神秘体験と言ってもいいかもしれない。 人生は、そんな「永遠の瞬間」によって、意味あるものとされ、輝きを放つ。たとえ、他の誰も、最も身近な家族でさえも、気が付かなかったとしても。 ハトの「物語」を通して、めすねずみの想像の翼が羽ばたいていく描写も良かった。 色々な解釈ができる、寓話的、詩的な物語。

Posted byブクログ

2022/05/25

河合隼雄さんの本ではじめて知り、図書館で借りました。これは大人の女性のための本ですね。主人公のめすねずみに自分を重ねて読んでしまいます…。 なんて書くと、既婚女性にしか面白くない本みたいに思わせてしまうかもしれませんが、もちろんそんなことはないです。 外の世界を知らないめすねず...

河合隼雄さんの本ではじめて知り、図書館で借りました。これは大人の女性のための本ですね。主人公のめすねずみに自分を重ねて読んでしまいます…。 なんて書くと、既婚女性にしか面白くない本みたいに思わせてしまうかもしれませんが、もちろんそんなことはないです。 外の世界を知らないめすねずみの素直な質問や行動はかわいいですし、ハトとのやりとりはさり気なくても心打たれるものがあります。 それに何といっても挿絵がとっても素敵。細かな表情の描き分けもされていて、お話を一層魅力的にしてくれています。 私も狭い世界で生きているので、このねずみにとっても共感してしまいました。広い世界に自由に羽ばたいていくものを見送る立場は少し切ないですが、ねずみは自分なりに納得できる答えを見つけたので良かったです。 いろいろな気持ちにが沸き起こってくる本で、とても感動しました。母親にも見せてあげたかったな。 子供向けの本だなんて、なんだか信じられない。

Posted byブクログ

2021/09/01

ゴッデンの追記まで含めて物語。「わたしのねずみは、出してやらなければいけない」。そう自分の範囲のものは、断固としてあるべき場所に戻すべきなのです。囚われをほどかなくてはいけません。ほどくものは、これまでの誰かと比べて、とりわけ何か特別な才能が必要なわけではありません。ほんの少し心...

ゴッデンの追記まで含めて物語。「わたしのねずみは、出してやらなければいけない」。そう自分の範囲のものは、断固としてあるべき場所に戻すべきなのです。囚われをほどかなくてはいけません。ほどくものは、これまでの誰かと比べて、とりわけ何か特別な才能が必要なわけではありません。ほんの少し心を震わすことさえできればいいのです。 何もないような物語ですが、いえいえ、どこでも掘れば豊かな泉が湧いてきます。ジェンダーの問題も外に目を向けさせてくれる教育や対話の重要性も感じ取れます。

Posted byブクログ

2021/05/19

わたしも新しい世界に胸をときめかせ、自ら行動できるねずみになろう。一生井の中で暮らさなければいけないとしても、海を知りたい。知って、ときどき忘れつつ、恋焦がれながら暮らしたい。

Posted byブクログ

2020/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルだけではどんな話なのか想像しにくい。 しかし児童文学という枠におさめるにはもったいない。 いろいろな方が推薦されていて、だいたい内容を分かった上で読みました。それでも、非常に味わい深く物語の意味するところが、またメッセージが何だったのか、考えさせられました。 家庭を持っているねずみの奥さんが、自分の気持ちや意志、行動の選択などを、悩み、考え、自ら切り開いていく物語です。 いつの時代も変わらない、女性の生き様・悩みなど児童文学には収まらないメッセージ性があるように思います。 女性が読むも良し、男性が読むも良し、高校生くらいなら教科書に載せてディスカッションしても良いくらいかと思います。 後半、涙が出ました。何と言ったら良いのか。自分はどの登場人物(動物)に当てはまるのか。ふさわしい場所に居場所があることが幸せなんだろうけど、もっともっと素敵な場所もたくさんある。自分が見たい場所、行きたい場所、でも自分が選ぶ場所、選んだ場所。人生はまさに選択の連続、そして解答のない問い。 ねずみ女房が、晩年家族に囲まれていたことが救いでした。

Posted byブクログ

2019/06/19

ウィルキンソンさんの家に住み、この家が全世界と思って生きてきた、女房ねずみ。 我儘なオットと、小さな子どもたちを抱え、日々の生活に追われる。 でも彼女は他のねずみとはちょっとちがう。 窓ガラスを通して見る、遠くの庭の花々や、木々に憧れを抱いていた。 ある日、金ピカの鳥かごの...

ウィルキンソンさんの家に住み、この家が全世界と思って生きてきた、女房ねずみ。 我儘なオットと、小さな子どもたちを抱え、日々の生活に追われる。 でも彼女は他のねずみとはちょっとちがう。 窓ガラスを通して見る、遠くの庭の花々や、木々に憧れを抱いていた。 ある日、金ピカの鳥かごの中にある豆を取ろうとカゴに入り、そこにはハトがいることに気づく。 そしてハトとはなかよくなり、ハトから外の世界のことを聞かせてもらうことが、何よりも楽しみになっていく。、ハトも、捕らわれ、飛べなくなってしまったやるせない身の上から、 女房ねずみと話すのを唯一の楽しみとしている。 オットに耳を噛まれようが、外の世界とハトが気になって仕方ない女房。 彼女の決断は。。 素敵なお話だった。まるで恋みたいに。 フランス文学かと思った!

Posted byブクログ

2019/02/09

河合隼雄推薦の書。 無意識の世界へ導くアニムスがハト。 見かけは変わらないけど飛ぶということを知ったねずみ女房は何か違うと思われていた、というところがいい

Posted byブクログ

2018/09/01

面白かった。小さい世界しか知らないねずみが、広い広い空を見上げて、知らない世界を思うのか。鳩を逃してあげても、自分も外に行くわけじゃないのがいいな。自分の知らない世界を夢見て楽しむやり方だってあるよね。冒険だけが素晴らしいわけじゃない。誰の心だって自由でいいはず。子供や孫たちの中...

面白かった。小さい世界しか知らないねずみが、広い広い空を見上げて、知らない世界を思うのか。鳩を逃してあげても、自分も外に行くわけじゃないのがいいな。自分の知らない世界を夢見て楽しむやり方だってあるよね。冒険だけが素晴らしいわけじゃない。誰の心だって自由でいいはず。子供や孫たちの中にも、空を見上げる子はいなかったのかなあ?あとこれ、人間の子供はどう詠むんだろ?

Posted byブクログ