マイクロソフトでは出会えなかった天職 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった 竹蔵は社会起業に興味があってこの本を手にしてみました。以前読んだ「チェンジメーカー」の内容があまりに素晴らしかったので、じゃあディテイルはどうなのか?というのが知りたかったというのが動機です。 著者はマイクロソフトでパルマーの元マーケティングマネージャとして充実した日々を送っていましたが、休暇のトレッキングのために訪れたネパールで本が傷むのを防ぐために図書館の本棚に鍵をかけてしまう光景を目にして、本の寄贈をボランティアとして始めます。本の寄贈が図書館の建設になり、学校の建設になり、ネパールからベトナム、カンボジアにサポート地域が広がり、そして洪水災害をきっかけにスリランカで大規模な学校の復旧活動に広がっていく様子が記されています。 著者が披露しているなかで興味深かったのはマイクロソフトから学んだという”大きく考えること”と”各地のリーダーを信頼して権限を委譲すること”、そして”明確な数字で全てのことを示すこと”です。 もう一つ決定的な言葉として、”お金をくださいということを堂々と言えること”があります。 竹蔵自身もそうですが、日本では社会奉仕というと”無償”、”献身”などの言葉と同様に、”うさんくさい”、”はずかしい”という言葉も浮かんで来ます。そこには、”お金を稼いだら社会に恩返しをしなければならない”という哲学がほとんど教育も実践もされていないという現状があるのではないかと思います。 ”このお金はほんとうに有効に使われているのだろうか?”とか”関わり合うと引っ張りこまれるんじゃないか?”などと考えずに済む、自主的に社会奉仕に関わっていけるような雰囲気を作って行く必要があるんだなと感じています。さて、何ができるか? 閑話休題。前後して読んだ「ヒトデはクモよりなぜ強い」という本に書いてあった、分散型の組織の触媒役を果たす人の要件(人と人をつなぐハブになる素養を持つ、権限を適度に委譲する、自ら率先して指針を示すが強制はしない)をウッド氏が果たしているということも興味深く感じています。こちらも面白い本だったので、次回の記事もご期待ください。 竹蔵
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志の強さは人の心を動かし。いつか世界を…そして未来を変える。 そんな志を持てるものにタ今まで出会えてきただろうか? そんな関心のあることはあっただろうか? 考えさせられる本です。
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元Microsoft幹部の著者が、ヒマラヤのトレッキングを機にNPO設立へと動き始める、という内容の自叙伝。 世界を代表するハイテク企業の幹部からいちNPOのファウンダーへの転身は、ハイキャリアを追い求める人生からすれば脱線に他ならない。そこに対する著者の葛藤やそれでもやり続ける...
元Microsoft幹部の著者が、ヒマラヤのトレッキングを機にNPO設立へと動き始める、という内容の自叙伝。 世界を代表するハイテク企業の幹部からいちNPOのファウンダーへの転身は、ハイキャリアを追い求める人生からすれば脱線に他ならない。そこに対する著者の葛藤やそれでもやり続ける意義と考えが描かれており、物語として面白い。 また実業とNPOという一見すると全く異なるジャンルのようでありながら、求められるスタンスやスキルには共通があるというメッセージがあり、これは有用な示唆であると感じる。 後半は少し冗長ではあるが、概ね良書。
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一言紹介 マイクロソフト元重役がある登山をきっかけにNPOの設立から活躍までを描いたノンフィクション作品。 ------------------------------------------------ 自分総括 ボランティア団体と聞くと、普通の企業とは180度違う価値...
一言紹介 マイクロソフト元重役がある登山をきっかけにNPOの設立から活躍までを描いたノンフィクション作品。 ------------------------------------------------ 自分総括 ボランティア団体と聞くと、普通の企業とは180度違う価値観で動いてるように感じられる。 しかし、組織を運営していくうえで成果の出し方、コミュニケーションの仕方など共通してるんだなと。 考えることに時間をかけず行動にうつすこと。 目標は大きく考えること。 結果は数字にしできるだけ精査すること。 などなど、先日読んだホリエモンとも共通した意見もあり、何事も大切な考えは変わらないことを教えてくれた。
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物語としての内容、ノンフィクションとしての衝撃、どちらも素晴らしいです。過去のエグゼクティブの暮らしから、本という短なもので、世界を変えてる社会起業家というこの人物がは偉大です。
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"・貧困者の写真を見せて哀れみを利用した寄付金集めは人間の尊厳を否定している。罪悪感のマーケティングではなく貧困の解決策を提示すべき。 ・ビジネスでは粘り強さが必要。断られても「今はダメという」意味ですよね?と聞き返し何度でも可能性を追い求める精神が必要 ・世界での...
"・貧困者の写真を見せて哀れみを利用した寄付金集めは人間の尊厳を否定している。罪悪感のマーケティングではなく貧困の解決策を提示すべき。 ・ビジネスでは粘り強さが必要。断られても「今はダメという」意味ですよね?と聞き返し何度でも可能性を追い求める精神が必要 ・世界での非識字者8億5千万人のうち2/3が女性。ネパールの成人男性の非識字率は39%で、成人女性は75%に達する。 ・カンボジアはクメール・ルージュの時代に学校の80%を焼き払われ、教師の90%が虐殺された。 ・世の中にはうまくいかない理由をあげることが大好きな人が多すぎる。一人で考える時間が長いほど否定的な力に吸い寄せされる。 考えることに時間をかけ過ぎず飛び込んでみること。"
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この物語は、マイクロソフトに勤める著者が休暇をすごすためにネパールに訪れたことから始まる。ここで、彼は現地の小学校を訪れ、「ここでは本が貴重であり、この本が痛まないように子供たちが触れないようにしている。あなたはこの状況を救えます。次に来るときは本を持ってきてほしい」という校長か...
この物語は、マイクロソフトに勤める著者が休暇をすごすためにネパールに訪れたことから始まる。ここで、彼は現地の小学校を訪れ、「ここでは本が貴重であり、この本が痛まないように子供たちが触れないようにしている。あなたはこの状況を救えます。次に来るときは本を持ってきてほしい」という校長からの願いを聞く。彼は、この言葉を胸に深く刻み込み、友人、知り合いにこのエピソードを伝え、本を寄付してくれるように頼んだ。当初は、100冊も集まればよいと考えていたが、なんと3000冊以上が集まり、これを次の休暇にネパールに届けた。 普通の人なら、ここまででもありえないような善意だろう。しかし、この行動が彼の中に深く眠っていた天使を目覚ました。貧しいために、本を読めない子供たちに本を。親を手伝わなければならないために、学校へ行けない子供たちに、教育を。この衝動が、彼にマイクロソフトでのキャリア(35歳ですでにエグゼクティブだったらしい)を捨てさせ、社会起業家への道を決断させる。ここからの苦難、葛藤の道のりは本書を読んでほしい。 このレビューを読んでいる方なら、自分の人生においての本の重要性は、言わずもがなであろう。この重要性を理解するのならば、彼に賛同し、彼の団体であるroom to readを支えよう。私は、アマゾン・アソシエーターでの収入と、不必要な蔵書の販売売り上げをすべてroom to readに寄付することにする。 なお、本書の利益はroom to readの資金になるそうなので、この本は古本ではなく、新しいものを買ってほしい。
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いつかは社会貢献を始めたいと考えているが現実的に踏み出せない多くの人に向けて、今日からでも活動できる基盤を作ったRoom to Readの活動にとても共感できた。タイトルが「マイクロソフトでは出会えなかった天職」ではあるが、マイクロソフトで得たもの(やろうとしていることではなく結...
いつかは社会貢献を始めたいと考えているが現実的に踏み出せない多くの人に向けて、今日からでも活動できる基盤を作ったRoom to Readの活動にとても共感できた。タイトルが「マイクロソフトでは出会えなかった天職」ではあるが、マイクロソフトで得たもの(やろうとしていることではなく結果を最重視すること。個人を攻撃するのではなくアイディアを攻撃すること。自分の仕事に関する数字を精査し続けること。部下への忠誠心を忘れないこと。)がなければ起業もうまくいかなかったと書かれていたのが印象に残った。ただ書籍として一流のビジネスマンを辞めて起業する際の葛藤やプライベート事情など個人的に冗長と感じる部分が多かったのが残念。
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考えすぎずに飛び込んでいきたいなぁーって思いました。バリバリのビジネスマンが社会実業家になるまでの経緯が綴られていて非常に興味深い。犠牲にしてきたもの、それと引き換えに得られたもの。どちらが大きいかは今の自分にはまだ分かりません。
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NPO「ルーム・トゥ・リード」のCEOであるジョン・ウッド氏の著書です。 NPO「ルーム・トゥ・リード」はアジア、アフリカで図書館、学校の開設を支援するNPO団体です。 マイクロソフトでエリートビジネスマンであった著者が、ネパールへの休暇旅行での体験をきっかけにマイクロソフト...
NPO「ルーム・トゥ・リード」のCEOであるジョン・ウッド氏の著書です。 NPO「ルーム・トゥ・リード」はアジア、アフリカで図書館、学校の開設を支援するNPO団体です。 マイクロソフトでエリートビジネスマンであった著者が、ネパールへの休暇旅行での体験をきっかけにマイクロソフトを退社し、NPOを立ち上げ現在に至るまでの半生記を綴っています。 この本を読んで感じたことは、以下の通りです。 ・行動することが何より大事 ・天命を得たと確信した人間は強くエネルギーに溢れる ・NPOの活動もビジネスと同等の競争がある ・うらやましい この本は、読んでいて気持ち良くなれる本で、感動を覚える人も多いのではないでしょうか? この本でNPOの活動に賛同する人も増えるでしょうし、NPOの活動も加速するでしょう。 また、効率的なNPOの運営の為、私財が目減りしつつあった著者は、この本の印税で少しは補填されたと思われます。 正にWin-Winを体言した本ですね。 こういったビジネスセンスに感心です。
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