若き詩人への手紙・若き女性への手紙 の商品レビュー
リルケが手紙に込めた情熱とか、優しさとか、痛みとか、そういう色んな暖かさが、驚きと一緒に心に入ってくる。P41〜の「神」のくだりが好き。飲み込みきれなくて何回も読んでるけど;
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若い詩を書く男性と、若い女性にリルケが送った手紙をまとめたもの。 文通なのに、リルケから出した手紙しか載っていないので文脈が分かりにくい。 男性へ送った手紙には詩論がほぼ冒頭にだけ載っていた。 「必然から生れる時に、芸術作品はよい」とし、自らの内に入ることで 素直に出てくるものだ...
若い詩を書く男性と、若い女性にリルケが送った手紙をまとめたもの。 文通なのに、リルケから出した手紙しか載っていないので文脈が分かりにくい。 男性へ送った手紙には詩論がほぼ冒頭にだけ載っていた。 「必然から生れる時に、芸術作品はよい」とし、自らの内に入ることで 素直に出てくるものだから、芸術家は孤独なのだとリルケは考える。 だからこそ、芸術作品に批評やジャーナリズムを求めることは無駄だともする。 この「孤独」にリルケはとてもこだわるのだが、それを自分の部屋から 高い山頂に突然移されるような不安と、すべてのものから無限に遠くなる 感覚のようなものというたとえはとても分かりやすかった。 他にも、イロニーは創造力があるときにだけ使える生をとらえるひとつの道具とか 自分の詩をちがう筆跡で、つまり他人のもののように読むのも大切だという 考え方も書かれていて、そこは面白かったのだが それ以外は精神的な悩みにリルケが答える形になっていて、その悩みを持っていない わたしからすると、すべてがピンとこなくて、ただ目が滑るばかりの一冊だった。
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フランス文学の授業でたまたま名前を耳にして、なんとなく手に取った一冊。 わたしにとって手放せない一冊になりました。 辛いときに読み返してはしおりをはさみ、また途中から読んでいます。 思い悩んでいる友人がいたら、この本を薦めたいと思っています。 こんなに真摯な手紙は見たことがあり...
フランス文学の授業でたまたま名前を耳にして、なんとなく手に取った一冊。 わたしにとって手放せない一冊になりました。 辛いときに読み返してはしおりをはさみ、また途中から読んでいます。 思い悩んでいる友人がいたら、この本を薦めたいと思っています。 こんなに真摯な手紙は見たことがありません。
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「『若き詩人への手紙』は、一人の青年が直面した生死、孤独、恋愛などの精神的な苦痛に対して、孤独の詩人リルケが深い共感にみちた助言を書き送ったもの。『若き女性への手紙』は、教養に富む若き女性が長い過酷な生活に臆することなく大地を踏みしめて立つ日まで書き送った手紙の数々。その交響楽に...
「『若き詩人への手紙』は、一人の青年が直面した生死、孤独、恋愛などの精神的な苦痛に対して、孤独の詩人リルケが深い共感にみちた助言を書き送ったもの。『若き女性への手紙』は、教養に富む若き女性が長い過酷な生活に臆することなく大地を踏みしめて立つ日まで書き送った手紙の数々。その交響楽にも似た美しい人間性への共同作業は、我々にひそかな励ましと力を与えてくれる。」(あとがきより) どの手紙も静かに落ち着いていて穏やか。相手を思いやる気持ちが随所に現れていて、静かに温かい気持ちになりました。
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この書簡集によって語りかけられることのできる「若き詩人」および「若き女性」とは、さて、今このとき何処に存在しているものやら。前者と後者は、それぞれに成立年代も難解さの種類も違います。だから、むしろお買い得。それにしても、これらのBriefeを受け止めて何らかの(正否どちらでもいい...
この書簡集によって語りかけられることのできる「若き詩人」および「若き女性」とは、さて、今このとき何処に存在しているものやら。前者と後者は、それぞれに成立年代も難解さの種類も違います。だから、むしろお買い得。それにしても、これらのBriefeを受け止めて何らかの(正否どちらでもいい)反応をすることのできる者は……??300円余りで、かなりの歯応えあるのに、な。300円ならスタバかタリーズのほうがいい?そう言われると、私も返す言葉はないが。
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お手紙ありがとうございました―リルケさんから届く手紙にはポエジーが含まれていて、きっと紙の重さよりももっと重いはずだろう。 詩人リルケが、若き詩人(志望)へ書いた手紙を公開した一冊。 創作への思い、創作と生活、創作と思想、ハウツーなんてないのはわかっている。だからこそ実作者...
お手紙ありがとうございました―リルケさんから届く手紙にはポエジーが含まれていて、きっと紙の重さよりももっと重いはずだろう。 詩人リルケが、若き詩人(志望)へ書いた手紙を公開した一冊。 創作への思い、創作と生活、創作と思想、ハウツーなんてないのはわかっている。だからこそ実作者から何か得たい。 きっと何かが手元にのこるだろう。創作者をめざさない者にも、めざしている者にも。
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調べもののために図書館で借りた。リルケの言葉の引用(英語版)「You must give birth to your images. They are the future waiting to be born.」がこの『若き詩人への手紙』にあるというウェブ上の情報があったため、...
調べもののために図書館で借りた。リルケの言葉の引用(英語版)「You must give birth to your images. They are the future waiting to be born.」がこの『若き詩人への手紙』にあるというウェブ上の情報があったため、目を通したが見つからなかった。角川文庫版(佐藤晃一 訳・1952年初版・第二部は「愛する人たちへ」)にも目を通してみたが、徒労に終わった。引用元はこの本ではないのだろうか。それとも原語から英語、日本語への翻訳の過程でそれぞれ解釈が違って、英語に訳された文を日本語版で探すことがまちがっているのだろうか。 これがどの作品からの引用なのか、おわかりの方がいらっしゃったら、ぜひお教えください。またその日本語訳があるのかどうかもおわかりの方は、教えてください。よろしくお願いします。 本書は目を通しただけでは何にもならず、じっくり考え、理解しながら味わって読む必要があると思った。でもせっかく手にする機会があったので印象的な部分を書き抜いてみる。 孤独について、リルケは「あなたはあなたの孤独を愛してください。そして孤独が美しい嘆きの声を響かせながらあなたに味わわせた苦痛をになってください。というのは、あなたに近い人々が遠く思われる、とあなたは言われますが、それこそあなたの周囲が広くなり始めたことを示すものにほかなりません。そして、もしあなたの近くが遠くあるのならば、あなたの遠くはもう星々のあいだに没し、実に大きいものです。あなたは誰一人伴うことのできないまでになったあなたの成長をお喜びなさい」と肯定的にとらえているのが、印象的だ。 「仮にあなたの身に起る何物かが病的であるとしても、病気こそ一つの有機体が異物を排除するための一つの手段であるという事実をお考えになってください。そういう時、人はそれが病気であることに助力し、それが完全に病気の経過をたどり、そこから抜け出すことに助力するよりほかありません」の箇所は、百年以上も前にこう考えていたことに感嘆する。
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リルケの詩を愛する人だけでなく、認識力の深い人間になりたいと望む人は読んでおいて損はないと思う。 時間を越えてリルケの魂にふれよう。
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薄い本だが、内容は濃い。タイトルのままにリルケの手紙が記されている。芸術家にとって学ぶ事、癒される事は多い。
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この本のことを忘れないかぎりは未熟な若者でいることができるのではないだろうか。 それ以上に困難で、甘美なことはないだろう。
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