いつか陽のあたる場所で の商品レビュー

乃南アサ【著】

2009/10/04

大好きだったホストに入れあげるためテレクラなどで知り合った相手をホテルに連れ込み睡眠薬を飲ませてその隙に現金等を盗む昏睡強盗を働いた芭子（はこ）と
DVの夫に耐えかね、やっと授かった子供の命を守るため夫を殺し、子供を夫の両親に預けて出頭した綾香。

二人はかつて同じ刑務所で服役し、現在は社会復帰している。
前科（マエ）持ちだと周囲に知られることのない様、ひっそりと暮らす彼女たちの心の葛藤の日常について語られている。

「駆け込み交番」の高木聖大巡査も登場。
警察とみるとビクビクしてしまう芭子のことを気に入ってなぜかつきまとう。
これって、警官じゃなきゃストーカーだよな

罪を償ってでてきたはずの彼女たちだが、周囲にそのことがばれるとどんな扱いを受けるか分からない。
心の闇をもちつつ生きていこうとする二人の姿がいい。

2011/07/16

刑期を終えて出所した芭子と綾香、二人は過去を隠し互いに励ましあいながら新しい人生を探している。4編の連作の短編からなる。新しいシリーズという事で今後も楽しみ。加害者が出所後社会復帰することは大変なことだ思う。いつも周囲に気遣いながらいつ過去の過ちが知れやっとつかんだ平穏が壊れるかと脅えながら暮らしている。それも罪を犯した事の罰だとは知りつつも少しづつ普通の生活を取り戻しつつある二人の姿。いつも明るく前向きな綾香、実は職場で大変な思いをしていた。それでも過去の事件を起こす前よりも今のほうがいいというのが悲しい。サスペンスでもミステリーでもないけれど、女二人が自分の人生を行きなおそうと一生懸命な姿が健気でよかった。

2009/10/07

・ちょっと系統の変わった物語、でしょうか。高木が相変わらずムカつくのですが（笑）、出番が少なくてちょっと驚き。・ムショ帰りの女二人が、ひっそりと生きています。家族との話が切なかった…。7年ってわりと長いですよね。そりゃあ言葉も覚えるよね。なしわりとか筋彫りとか、へー！って感じでした。

2009/10/04

ワケあり女性二人の成長物語、としか書けません。あの「高木聖大」もちょい役で登場します。悪くはないんです。悪くはないんだけど、ちょっとリアリティに欠けるというか、心に響かないというか…

2009/10/04

過去に事件を起こし、刑務所に服役、出所してから、二人は人の眼を気にしながら生きていく。
明日に向かおうとする二人に いつか陽があたる日が来ることを願いたい

2011/07/17

一見普通のお嬢様が東京下町の一軒家に一人暮らし。近所には海外留学に行ってたコトになってるけど、実はムショ帰りの芭子。心許せるのはムショ仲間だった綾香だけ。強く生きてって願わずにいられない最後でした。せつないのはもちろんだけど、たくましくて元気が出る2人組でした。