中原の虹(第1巻) の商品レビュー
清朝末期から中華民国誕生までの混沌とした中国情勢を描く。西太后と袁世凱のイメージを一新させてくれる作品だ。まさに歴史上でこのようなやりとりがなされていたのではないかと思わせるほどだ。ただ,所々に夢の世界のような話や占い婆が出てきたり,現実から飛躍する場面もあるため,好き嫌いが分か...
清朝末期から中華民国誕生までの混沌とした中国情勢を描く。西太后と袁世凱のイメージを一新させてくれる作品だ。まさに歴史上でこのようなやりとりがなされていたのではないかと思わせるほどだ。ただ,所々に夢の世界のような話や占い婆が出てきたり,現実から飛躍する場面もあるため,好き嫌いが分かれるだろう。この時代の中国を描いたものはあまり読んだことはないが,時代小説と歴史小説の間のものとでも思って読むと楽しいのではと思う。神でも仏でもねえ,俺様は張作霖だ!の馬賊の張作霖の描き方はとてもスカッとする気持ちにさせてくれる。本書の主人公としては,張作霖,袁世凱,清朝のに多大な貢献をした太祖ヌルハチの子ダイシャンと3名挙げられると思うが,やはり張作霖が好きだ。張作霖は暴虐なれど非道に非ず,人道にもとると雖も天道にそうの理屈あり。続編となるマンチュリアンレポートにも期待したい。 全4巻
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「蒼穹の昴」の続編だが前作の登場人物は脇役。張作霖という魅力あるキャラクターを中心に近代中国が生き生きと描かれている。 「蒼穹〜」と合わせて、近代中国物の傑作。
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やっぱりおもしろい。壮大なスケールで迫力が違う。「満州の王者となる」と予言された張作霖と、大将軍になると予言された、李春雷を軸とした歴史物語。前々作『蒼穹の昴』の主人公、春児に兄貴がいたことすら忘れていたけれど。しかし、白太太は予言しすぎじゃないか?いったい何歳なんだ?実在した人...
やっぱりおもしろい。壮大なスケールで迫力が違う。「満州の王者となる」と予言された張作霖と、大将軍になると予言された、李春雷を軸とした歴史物語。前々作『蒼穹の昴』の主人公、春児に兄貴がいたことすら忘れていたけれど。しかし、白太太は予言しすぎじゃないか?いったい何歳なんだ?実在した人物の性格づけが好きですね。気さくな西太后や、少しぬけたところのある袁世凱が特に好きです。
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『ハーバード白熱教室』で愛国心について論議していたとき、 この本のおかげで、いろいろな視点から、愛国心や忠誠心について考えられて気がします。 白虎張を一度、目にしてみたいなぁ
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一気に読みました。 主人公は馬賊の長ですが、春雲の行方知れずだった三番目の兄も出てきます。 初っ端からあれほどどこに隠されたか謎だった龍玉が愛新覚羅の一族以外の手に渡ってしまいましたが。 そして、白太太は今回もあちこちで出てきましたが、一体何歳なんでしょうね…。
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シリーズ第三段です。今回の主役は張作霖になります。天命がないのに、外国から清を守ろうとする西太后や袁世凱もまだまだがんばります。祖先の霊や、占いなど、小説ならではのプロットもありますし、史実にどこまで正確なのかは疑問もありますが、面白かったです。
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今回のヒーローは張作霖。フィクションだからあれですが、とにかくカッコいい!!彼がどんな人となりだったのかは、研究書を読んでいないのでわかりませんが、とりあえずこれを読んだら彼のファンになることまちがいナシvv それとは別に、今回の主人公は李春雷。『蒼穹の昴』の主人公の一人・李春...
今回のヒーローは張作霖。フィクションだからあれですが、とにかくカッコいい!!彼がどんな人となりだったのかは、研究書を読んでいないのでわかりませんが、とりあえずこれを読んだら彼のファンになることまちがいナシvv それとは別に、今回の主人公は李春雷。『蒼穹の昴』の主人公の一人・李春雲の実兄で、彼が幼い頃に家を出、数々の修羅場を踏んで雇われ壮士となった。彼が張作霖に命を買われ配下となり、彼の視点から張作霖が語られていく感じ。 登場人物たちそれぞれにドラマがあり、丁寧に且つ飽きさせずに描かれています。今はまだあまり物語が進んでいませんが、そのうち伏線が複雑に絡み合うはずです。確か。 とにかくどんどんページが進んでしまう、ヤメラレナイトマラナイの浅田次郎でござい\(^o^)/
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「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」の続編で、馬賊の長である張作霖を中心にした物語。 前作の登場人物のその後も気になるし、龍玉を手に入れた張作霖がどうなっていくかも楽しみだし、序盤から盛りだくさんな感じ。
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『蒼穹の昴』『珍姫の井戸』に続く中国の宮廷小説の完結編。 ・あらすじ 『蒼穹の昴』に続く中国の宮廷小説。 落日の王朝に新たな英雄が生まれる。 のちに満州馬賊の長となる青年、張作霖の視点から描かれています。彼の勇ましさに痺れてしまいます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【中原の虹、1】 浅田次郎さん 清朝末期、占い師の老婆を助け、住み込んでいた旅籠を追われた 張作霖はその老婆から「中原の虹をめざし、満州の王たれ」との ご託宣を受ける。 張作霖の真の敵は清国でも、ロシア軍でも関東軍でもなかった。 彼の敵は貧乏と飢渇だった。 満州四億の民のうち三億九千九百九十九万までが貧困に あえぎ、「没法子(どうしようもない)」という あきらめの風潮が世間を満たしていた。 十数年後、彼は奉天の総欖把になっていた。 ☆ 李春雷は生きるために、病気の兄や幼い弟妹を捨てて 都にのぼり、そこで戦稼業で身を立てる壮士となった。 人を信じず、彼が信じる物は愛銃のブローニングと 愛馬の竜騎馬だけだった。 その李春雷は浪人市場で張作霖に一千元で買われた。 相場が一人三十元の中で一千元は破格の値段といってよかった。 春雷は張作霖と行動を共にするに従い、彼の人としての大きさと 交渉術に感服し、彼に付き従っていこうと決意する。 ☆ 浅田次郎さん原作「蒼穹の昴」の姉妹本といっていい本作品。 まだ1巻目を読み終えたトコ。。 李春雷の弟で、「蒼穹の昴」で西太后の大総管太監となった 李春雲なども出てきて、これからの展開が楽しみです。
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