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中原の虹(第1巻) の商品レビュー

4.2

68件のお客様レビュー

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おもしろい!

壮大な歴史物語が、またひとつ誕生した。時は清王朝の末期。『蒼穹の昴』から10年後の世界が舞台だ。広大な大地を統べる覇者となるのは、誰なのか……。熱く激しい魂を持つ者たちの、野心と夢が駆け巡る!

abtm

2021/08/22

『蒼穹の昴』の続編。張作霖を描く。日本では馬賊の親玉程度の扱いしかないが、中華四億の人民の貧困や飢餓をなくそうとする志をもった人物と描かれる。日本軍の傀儡の軍閥というイメージがあるが、愛国者と描かれる。張作霖の印象が変わる。 『蒼穹の昴』では喪失されたままになっていた龍玉を手に...

『蒼穹の昴』の続編。張作霖を描く。日本では馬賊の親玉程度の扱いしかないが、中華四億の人民の貧困や飢餓をなくそうとする志をもった人物と描かれる。日本軍の傀儡の軍閥というイメージがあるが、愛国者と描かれる。張作霖の印象が変わる。 『蒼穹の昴』では喪失されたままになっていた龍玉を手に入れ、息子の張学良に渡す。張学良は第二次国共合作実現の立役者である。皇帝にはならなかったが、中国の行く末に影響を与えた人物である。龍玉の持ち主の力があったとするならば興味深い。 愛新覚羅溥儀の継承は、当人が幼少であったことは別として、家系図から見れば順当に見える。しかし、当時の人々にとってはサプライズであった。 袁世凱は御都合主義者・権力亡者に描かれていたが、それだけでない面も出てくる。これが一貫性を持ったキャラクター造形になるかが問題である。史実では袁世凱は中華帝国皇帝を宣言した。まさか龍玉を手に入れたとは思えない。どう描くのか気になる。

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2021/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「蒼穹の昴」第三部。張作霖の卦。 李春雷が張作霖に出会い、五当家(No5)となってゆくまで。張作霖が「龍玉」を手に入れる件は「勲は民の平安」という錦のもと、彼の行動に正義があるとの象徴か?同時に、立ち会った春雷に対して「消せない過去」への向かい方を示しているのか? 印象的なフレーズは下記。 ★「おめえは貧乏人の底力ってえのを知らんらしい」 ★「正義は数や銭で決まるものではない。たった一人で世界中を敵に回しても、正義は正義だ。」 ★「汝の戦いは未だ始まってはおらぬ。これから始まる。」 ★「これで俺は、満州の空や風が一等好きになれるさ。…。まだしばらくは、白虎張の子分でいられる」

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2016/10/02

この巻は張作霖とその壮士である李春雷の馬賊として酷いことをしていた話である。人を殺すことをなんとも思わなくなるとはどういう感覚をしているのだろうか?中国人の人なりを淡々と描いているところは浅田氏の凄い筆力だ。官僚は権力をかさにして民衆を抑圧しているところは今の共産主義体制そのもの...

この巻は張作霖とその壮士である李春雷の馬賊として酷いことをしていた話である。人を殺すことをなんとも思わなくなるとはどういう感覚をしているのだろうか?中国人の人なりを淡々と描いているところは浅田氏の凄い筆力だ。官僚は権力をかさにして民衆を抑圧しているところは今の共産主義体制そのものだと思う。次巻では春児が活躍するのだろうか?人の好い登場人物が出てきてほしいと切に願う。

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2015/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【読了メモ】(150120 16:30) 浅田次郎『中原の虹』(一)/講談社/2006 Sep 25th/ただ一度会いたい、を、こんな形で叶えるものなのか…。しかしマァこれは私の感覚だ。世の中何もかも、ただそれとしてあるだけなんだろうし。

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2016/01/02

素晴らしい作品です!! 馬賊の張作霖、西太后の死、袁世凱の野望、そして越過長城まで。特に第四巻後半の兄春雷が将軍という立場を弁えながら、弟春児、妹玲玲に再会する場面には落涙。蒼穹★5.0、珍妃★4.8、中原★4.9。次はマンチュリアンへ。シリーズが読了したら、すぐにでも蒼穹から読...

素晴らしい作品です!! 馬賊の張作霖、西太后の死、袁世凱の野望、そして越過長城まで。特に第四巻後半の兄春雷が将軍という立場を弁えながら、弟春児、妹玲玲に再会する場面には落涙。蒼穹★5.0、珍妃★4.8、中原★4.9。次はマンチュリアンへ。シリーズが読了したら、すぐにでも蒼穹から読み返したい気分です。引用候補もたくさんありますが、厳選してUPします。【第42回吉川英治文学賞、おくダマ賞2015】

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2015/02/21

清の時代が終わろうとするとき、他国の植民地支配を避けるために西太后が秘密裏に策を講じていく。最後がかなりあっさり終わってしまうところが残念。龍玉がどこへ行ったのか書いてほしいなと思う。

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2014/02/02

物語がここから始まる予感。 …いや、もうシリーズ9冊読んでますが… この辺りの歴史は守備範囲外なので、どうなるのか全然わからないのが、面白い。 蒼穹の昴を読んだ時にも思ったのだけど、歴史を物語る部分と家族の情を描いた部分があまりにもテンションが違う気がして、戸惑います。 ど...

物語がここから始まる予感。 …いや、もうシリーズ9冊読んでますが… この辺りの歴史は守備範囲外なので、どうなるのか全然わからないのが、面白い。 蒼穹の昴を読んだ時にも思ったのだけど、歴史を物語る部分と家族の情を描いた部分があまりにもテンションが違う気がして、戸惑います。 どちらも面白いんだけどね。 文秀と春児の今後が楽しみ。

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2013/10/26

「蒼穹の昴」続編ということで読み始めました。馬賊のお話がメインで、躍動感があり、どんどん読んでしまいました。浅田さんの風景描写、心の描き方など、繊細でリアルで、気に入っています。

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2013/08/16

著者の「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」を読んで恐らく11年以上になります。それが浅田次郎との初めての出会いで強烈な印象でした。今回は張作霖を主人公として前作「蒼穹の昴」の主人公・春児(春雲)とその兄・春雷が登場します。西太后と春雲が張作霖の報告を聞く中で側近の名前から兄・春雷であること...

著者の「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」を読んで恐らく11年以上になります。それが浅田次郎との初めての出会いで強烈な印象でした。今回は張作霖を主人公として前作「蒼穹の昴」の主人公・春児(春雲)とその兄・春雷が登場します。西太后と春雲が張作霖の報告を聞く中で側近の名前から兄・春雷であることを直感する場面はちょっと感動的な映画を見るようなシーンです。張作霖の側近たちが集まってきて集団を形成していく場面は「梁山泊」を思い出させる部分があります。少し冗長な書き出しでしたが、この辺りから次巻へ向けての展開が楽しみになってきました。

Posted byブクログ