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M8 の商品レビュー

3.7

79件のお客様レビュー

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近い未来にありそうで、リアルに怖い

自然災害は、逃れようがない。故に、いかに正確にシミュレーションし、いざという時に備えるかが、鍵となる。東京をマグニチュード8の地震が襲う、という設定の本書。近い未来にありそうで、リアルに怖い。

midori

2023/09/05

巨大地震を扱ったヒューマンドラマ。 救出にむかったヘリが墜落するシーンが圧巻で今でも鮮明に覚えている。  自然からの警告を聴ける人でありたい。情報は隠蔽するものではないはずだ。  人は相手を切り裂く鉤爪も持たず、相手を噛みちぎる鋭い牙も持たぬ。  では何が強かったのか? ①集団の...

巨大地震を扱ったヒューマンドラマ。 救出にむかったヘリが墜落するシーンが圧巻で今でも鮮明に覚えている。  自然からの警告を聴ける人でありたい。情報は隠蔽するものではないはずだ。  人は相手を切り裂く鉤爪も持たず、相手を噛みちぎる鋭い牙も持たぬ。  では何が強かったのか? ①集団の力。②創造力。 人は集団の中で類まれなる個としての力を発揮し社会を支える生き物だと思う。飛行機、自動車、携帯電話などは、最初は頭の中の産物で、それを形にしてきた。  間違っていれば文明は滅ぶ。幾度となく繰り返されてきたのは歴史を見ても明らかだろう。どんな世界を自分が亡き後も残すのか?改めて問いたい。  

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2023/05/29

地震大国日本に暮らすものとしては、小説の中の話とは言え、とてもリアルで恐ろしく、大変興味深く読ませてもらった。 若い研究者瀬戸口は地震予知システムを作り上げ、かつての地震学の権威遠山とともに、その事実を世間に伝え被害を最小限に食い止めようと奮闘する。自分たちの考えに固執し、新しい...

地震大国日本に暮らすものとしては、小説の中の話とは言え、とてもリアルで恐ろしく、大変興味深く読ませてもらった。 若い研究者瀬戸口は地震予知システムを作り上げ、かつての地震学の権威遠山とともに、その事実を世間に伝え被害を最小限に食い止めようと奮闘する。自分たちの考えに固執し、新しいものを知ろうともしない偉い先生方。その堅い頭にイライラしながらも『まあ、現実はこうなるよなぁ』と変に納得。逆に瀬戸口たちの意見を聞き入れた都知事に対しては、『こんな簡単に信じちゃって大丈夫??』と心配してしまった。 まあ、そこがフィクションならではなんだろうけど。 そしてマグニチュード8の東京直下地震が起こる。ビルの倒壊、交通のマヒ、多発する火災、インフラの停止……自然の猛威の前に都会の人間はなすすべなく翻弄される。倒壊した建物の下敷きになり亡くなった人、高速道路で多重事故に遭い亡くなった人、たくさんの帰宅困難者、自宅を失い集まった避難民たち…全てが現実にも起こりうることで、不安と焦りを感じた。 しかも現実には瀬戸口はいない。地震予知のシステムもできてはいない。建物の耐震化も完全ではないし、ハザードマップもどれほどの人が真剣に読んでいるか…きっと被害はこの小説の中より大きくなる。 地震対策は票にはならない…と政治家が諦め、いつ起こるか本当に起こるかもわからないものにお金を使うことはもったいない…と国民が思っているうちは、この国はまた何度でも大震災で大きな損害を繰り返すのだろうなぁ。

Posted byブクログ

2022/03/20

東京都は防災マニュアルと一緒にこの小説を配ったほうが良いのでは。 色々な場所やタイミングで被災する人々を描いており、自分ごととしていつか来る首都圏の地震をシュミレーションすることが出来る小説です。 東京都民なら読んでおくことをオススメします

Posted byブクログ

2021/11/13

中盤で不要なキャラ登場やその背景の描写などあり、ちょっと冗長、中弛み感ありでしたが、自然災害への心構えをリマインドしてくれる良書でした。

Posted byブクログ

2021/08/12

この作品の後に東北の震災が起きた  実際の災害は何の斟酌も手心も加えてくれなかった  地球と共存なんてオコガマシイ  でも俺も17回忌のクチだから・・・・

Posted byブクログ

2021/08/03

興味のある分野なのでどんどん読めた。直下型地震により都市の機能が麻痺。次々と起こる災害。起こる頻度は低くとも一度起きると被害は甚大。

Posted byブクログ

2021/03/29

前半は地震予知研究がテーマ。 先日岐阜大のH先生も、もう地震予知は研究自体畳んでいるんだな的なことを書いていた。そう、きっと予知まではきっとできないんだろうと思っているが、「仮に予知ができるとしたら(or世の中が諦めてないとしたら)」的なフィクションとして読む面白さということかな...

前半は地震予知研究がテーマ。 先日岐阜大のH先生も、もう地震予知は研究自体畳んでいるんだな的なことを書いていた。そう、きっと予知まではきっとできないんだろうと思っているが、「仮に予知ができるとしたら(or世の中が諦めてないとしたら)」的なフィクションとして読む面白さということかな。 ※加えて、やっぱり洪水対策はある程度「予知」ができる点で、全然違う現象だよなと改めて思い知った。そういえば以前に面接で「一週間後に洪水が来るとわかったら、何をする?」ってきいたこともあったな(今思っても良い質問だ)。 後半は、発災後の惨状や対応の様子が並ぶ。確かに、(数多のレビューにもあるとおり)被害のリアリティーには驚くことも多い。特に、沿岸部の石油貯蔵タンクの爆発を止めるために上空から決死の放水をする下りは、福島の原発事故をまさに予見していたかのようでさえある。 名大のF先生の「見たくないものを見る」にも通じるリスクだし、こういうイマジネーション豊かな作家の作品は、実際に地震災害の対策を考えるうえでも役に立つかもしれない。 そう、一国民として言えば、タイムラインもしくは目黒巻的な効果さえありそうなのである。 トイレに逃げ込むのが意外に安全、とか、サバイバルのための考えるヒントがある。 政府の対策を考えるにあたっては、どうだろうか、、一石を投げた側面のしては、予算を投じての事前防災の意義や、交通の計画運休、職員の増員、など。。 少なくとも、洪水は地震と違って「予知」ができるのだ。

Posted byブクログ

2021/02/15

"違う、と瀬戸口は思った。しかし声に出しては言えなかった。人間は本来自然の一部なんだ。自然とともに生きてきた存在なんだ。それがいつの間にか、人間だけが特別であるかのように考えるようになった。自然を支配するとか、共存するとかおこがましいような気がする。" 科学...

"違う、と瀬戸口は思った。しかし声に出しては言えなかった。人間は本来自然の一部なんだ。自然とともに生きてきた存在なんだ。それがいつの間にか、人間だけが特別であるかのように考えるようになった。自然を支配するとか、共存するとかおこがましいような気がする。" 科学は凄まじく進歩しているけども、地震の予知は未だ為せていない。 けれども、今の私たちが予知されてどれだけ本気で準備しようとできるか。 この本ではそんな私たちの怠慢を指摘しながらも いつ来るかわからない地震に対して"そのための準備さえしておけば、地震なんてけっして恐ろしいものじゃない"と言い切っている 被害は免れなくても、それを最小限にする事はできる、と あと、学者の縦社会の弊害を浮き彫りにしている 今回は判定会を信じるか無名の学者を信じるか、という場面もあるが 少し緩くなったとはいえまだまだ上に物申せない場所が多い 全てを許すわけではないが、間違いを素直に認め、正しいことを正しくやろうとすることができたら。それが理想なのだろうな。と思った。

Posted byブクログ

2020/12/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

所々で人間のやるせなさを感じた。 まず1つは地震が起こる前、地震シミュレーションに対して全く見向きもしなかったところだ。阪神淡路大震災が起こる前に失敗して以来、シミュレーションに対する信頼が無くなったのか、1ヶ月以内に地震が起こるという差し迫っている状況でも耳を傾ける人間は少なかった。人間は過去の失敗の怖さから新しい技術に対する不安感を払拭できないのだ、ということを突きつけられ、やるせなさを感じた。 また、実際に予告ができたとしてもあの時こうすれば良かった、というように後悔が残ってしまっており、全体の数字で見て被害を減らすことができたとしても、被災者遺族にとっては何も意味がない。マクロ的に見てよくても、ミクロで見た時にどうしても後悔が残ってしまうということに結局人間は無力なのだということを感じてしまった。 しかしこの本を読んで、地震に対する危機感を思い出すことができた。 非被災者は東日本大震災のことを忘れかけていて、地震に対する危機感が薄くなっていると思うので、防災について考えるきっかけになってよかった。 

Posted byブクログ