M8 の商品レビュー
前半は地震予知研究がテーマ。 先日岐阜大のH先生も、もう地震予知は研究自体畳んでいるんだな的なことを書いていた。そう、きっと予知まではきっとできないんだろうと思っているが、「仮に予知ができるとしたら(or世の中が諦めてないとしたら)」的なフィクションとして読む面白さということかな...
前半は地震予知研究がテーマ。 先日岐阜大のH先生も、もう地震予知は研究自体畳んでいるんだな的なことを書いていた。そう、きっと予知まではきっとできないんだろうと思っているが、「仮に予知ができるとしたら(or世の中が諦めてないとしたら)」的なフィクションとして読む面白さということかな。 ※加えて、やっぱり洪水対策はある程度「予知」ができる点で、全然違う現象だよなと改めて思い知った。そういえば以前に面接で「一週間後に洪水が来るとわかったら、何をする?」ってきいたこともあったな(今思っても良い質問だ)。 後半は、発災後の惨状や対応の様子が並ぶ。確かに、(数多のレビューにもあるとおり)被害のリアリティーには驚くことも多い。特に、沿岸部の石油貯蔵タンクの爆発を止めるために上空から決死の放水をする下りは、福島の原発事故をまさに予見していたかのようでさえある。 名大のF先生の「見たくないものを見る」にも通じるリスクだし、こういうイマジネーション豊かな作家の作品は、実際に地震災害の対策を考えるうえでも役に立つかもしれない。 そう、一国民として言えば、タイムラインもしくは目黒巻的な効果さえありそうなのである。 トイレに逃げ込むのが意外に安全、とか、サバイバルのための考えるヒントがある。 政府の対策を考えるにあたっては、どうだろうか、、一石を投げた側面のしては、予算を投じての事前防災の意義や、交通の計画運休、職員の増員、など。。 少なくとも、洪水は地震と違って「予知」ができるのだ。
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"違う、と瀬戸口は思った。しかし声に出しては言えなかった。人間は本来自然の一部なんだ。自然とともに生きてきた存在なんだ。それがいつの間にか、人間だけが特別であるかのように考えるようになった。自然を支配するとか、共存するとかおこがましいような気がする。" 科学...
"違う、と瀬戸口は思った。しかし声に出しては言えなかった。人間は本来自然の一部なんだ。自然とともに生きてきた存在なんだ。それがいつの間にか、人間だけが特別であるかのように考えるようになった。自然を支配するとか、共存するとかおこがましいような気がする。" 科学は凄まじく進歩しているけども、地震の予知は未だ為せていない。 けれども、今の私たちが予知されてどれだけ本気で準備しようとできるか。 この本ではそんな私たちの怠慢を指摘しながらも いつ来るかわからない地震に対して"そのための準備さえしておけば、地震なんてけっして恐ろしいものじゃない"と言い切っている 被害は免れなくても、それを最小限にする事はできる、と あと、学者の縦社会の弊害を浮き彫りにしている 今回は判定会を信じるか無名の学者を信じるか、という場面もあるが 少し緩くなったとはいえまだまだ上に物申せない場所が多い 全てを許すわけではないが、間違いを素直に認め、正しいことを正しくやろうとすることができたら。それが理想なのだろうな。と思った。
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所々で人間のやるせなさを感じた。 まず1つは地震が起こる前、地震シミュレーションに対して全く見向きもしなかったところだ。阪神淡路大震災が起こる前に失敗して以来、シミュレーションに対する信頼が無くなったのか、1ヶ月以内に地震が起こるという差し迫っている状況でも耳を傾ける人間は少なかった。人間は過去の失敗の怖さから新しい技術に対する不安感を払拭できないのだ、ということを突きつけられ、やるせなさを感じた。 また、実際に予告ができたとしてもあの時こうすれば良かった、というように後悔が残ってしまっており、全体の数字で見て被害を減らすことができたとしても、被災者遺族にとっては何も意味がない。マクロ的に見てよくても、ミクロで見た時にどうしても後悔が残ってしまうということに結局人間は無力なのだということを感じてしまった。 しかしこの本を読んで、地震に対する危機感を思い出すことができた。 非被災者は東日本大震災のことを忘れかけていて、地震に対する危機感が薄くなっていると思うので、防災について考えるきっかけになってよかった。
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豪雨やウイルスと違って、一瞬で起こるのが地震。そのうちホントに来ると言われ続けるも、その直前までが日常と変わらないので対策の意識を継続するのは難しい。地震対策は票に繋がらない(だから政治家が本腰入れない)のも納得。
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東京で巨大地震が起こってしまったら…と言うストーリーで個人的に好きなジャンルなのでスイスイ読みました。
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マグニチュード8規模の直下型大地震が東京に迫っていることを予知してしまったら、、、。いつか起きると認知しながら起きて欲しくない心理で見なかったことにしてる『今』読んでおきたい一冊。
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使命感。困難のなか、諦めない人達と共に頑張れたらと思う。周りが投げやりになったら、自分は、流されるだろうか、頑張れるだろうか。
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内容(「BOOK」データベースより) 28歳の若き研究者、瀬戸口の計算式は、マグニチュード8規模の直下型大地震が東京に迫っていることをしめしていた。十年前の神戸での震災、あのとき自分は何もできなかった。同じ過ちを繰り返したくはない。今、行動を起こさなければ…。東京に巨大地震が起こ...
内容(「BOOK」データベースより) 28歳の若き研究者、瀬戸口の計算式は、マグニチュード8規模の直下型大地震が東京に迫っていることをしめしていた。十年前の神戸での震災、あのとき自分は何もできなかった。同じ過ちを繰り返したくはない。今、行動を起こさなければ…。東京に巨大地震が起こったら、高速道路は、地下鉄は、都心のビル街は、いったいどうなるのか。最新研究に基づいてシミュレーションした衝撃の作品。
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三つの大陸プレートが重なる日本では、地震の脅威から逃れられる場所はありません。 建物が倒壊する大地震が、いつか襲ってくることを受け入れて、自分にできる備えをしておくことの大切さを改めて痛感しました。 非常食、ファーストエイドキットの準備。そして、伝言ダイヤルの使い方。個人でできる...
三つの大陸プレートが重なる日本では、地震の脅威から逃れられる場所はありません。 建物が倒壊する大地震が、いつか襲ってくることを受け入れて、自分にできる備えをしておくことの大切さを改めて痛感しました。 非常食、ファーストエイドキットの準備。そして、伝言ダイヤルの使い方。個人でできることはしておこうと思います。
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この小説は、阪神淡路大震災の風化を恐れた?著者によって架空であるが、この小説が書かれた当時までのデータであるがそれを元にしてかかれたものです。 東京にM8クラスの直下型地震の予防・予知から発生とその後が書かれています。
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