会社は頭から腐る の商品レビュー
年末年始に読んだ本のなかでは、一番ハラに落ちた本。 MBAを取得したコンサルタントが机上の空論を振り回すのではなく、 自分の会社をつぶしかけた経験と、産業再生機構で手がけた企業再生から 得たご自身の話なだけに、理論的かつ納得感高い。 従来の経営システムの問題点を、 「...
年末年始に読んだ本のなかでは、一番ハラに落ちた本。 MBAを取得したコンサルタントが机上の空論を振り回すのではなく、 自分の会社をつぶしかけた経験と、産業再生機構で手がけた企業再生から 得たご自身の話なだけに、理論的かつ納得感高い。 従来の経営システムの問題点を、 「『カイシャ幕藩体制』における人材登用・育成システムにある。」と 論じてあるところから引き込まれてしまった。 「そこには善も悪もなく、言い換えればインセンティブと性格の 奴隷となる『弱さ』にこそ人間性の本質の一つがある。性悪説 でもなく、性善説でもない、『性弱説』に立って人間を見つめ たときに、はじめて多くの現象が理解可能となってくる。 (中略) それを理解し、どう対処すれば『弱さ』を克服して、組織の腐 敗を防げるのか、さわには弱さを強さに転化して、企業体とし て強い集団と成し得るのかに経営の本質的な課題があるのだ。」 「昔から『組織は戦略に従う』のか、『戦略は組織に従う』のかと いう論争があるが、あえていえば、組織も戦略もそこで戦ってい る生身の人間の本性に従うというのが正しいと思う。」 これからもう1回読み直します。 ★★★★★
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ここ数年来、トップマネジメントの人たちの生態というのに関心があるのですが、こういう視点の本はあまりなかったと思って、購入してみた。大変面白く読み進めました。著者の冨山さんの指摘は面白く興味深かったです。特に、彼自身が産業再生機構のCOOとして活動する中で考えたこと、感じたこと、そ...
ここ数年来、トップマネジメントの人たちの生態というのに関心があるのですが、こういう視点の本はあまりなかったと思って、購入してみた。大変面白く読み進めました。著者の冨山さんの指摘は面白く興味深かったです。特に、彼自身が産業再生機構のCOOとして活動する中で考えたこと、感じたこと、そして実際に成し遂げたことなどを交えながらの論理展開を行っているところが、現実の話として凄く印象深かったです。中でも、「プロとしての意識の持ち方」や、「本当に人を動かして成し遂げるために必要となる覚悟」といったところには、大変共感しました。一度一緒に仕事してみたいと思っちゃいました。
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