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ランドマーク の商品レビュー

2.7

56件のお客様レビュー

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2009/12/14

昔、本を読まないボーイフレンドが、 本を読むようになって、 いちばん最初に言ったのが、 「本って、こんなエロいことが書いてあるのね。 みんな良く電車とかで読んでるよね。 真面目に本を読んでいる人の見方が変わったわ」 でした。 どんな本を読んだのか、今でも本読みのようです。 この...

昔、本を読まないボーイフレンドが、 本を読むようになって、 いちばん最初に言ったのが、 「本って、こんなエロいことが書いてあるのね。 みんな良く電車とかで読んでるよね。 真面目に本を読んでいる人の見方が変わったわ」 でした。 どんな本を読んだのか、今でも本読みのようです。 この本を読んで最初に思い浮かんだのは、その時のこと。 かなりびっくりしちゃった。 でもどんどん読んでいくと、あれあれ、いろんなこと考えなきゃ いけない本になってきた。 ランドマークになりうるような大きなものに、 自分しか知らないこと少しずつ少しずつ埋めていくのは、 気持ちがいいだろうな。

Posted byブクログ

2009/10/25

好きな作家はと聞かれたら、必ず入れるであろう作家の一人です。 文学界や芥川賞を取るなど純文学の作家ですが、この「ランドマーク」は彼の作品の中でも特に純文学っぽい作品だと感じました。 舞台は大宮。大宮駅前に建設中の地上35階建ての超高層ビル。 その建設に関わる設計士・犬...

好きな作家はと聞かれたら、必ず入れるであろう作家の一人です。 文学界や芥川賞を取るなど純文学の作家ですが、この「ランドマーク」は彼の作品の中でも特に純文学っぽい作品だと感じました。 舞台は大宮。大宮駅前に建設中の地上35階建ての超高層ビル。 その建設に関わる設計士・犬飼と、鉄筋工の隼人という二人の毎日が描かれます。 犬飼が設計したビルはフロアが捩れながら積み上げられる螺旋の構造を持っている。 そのビルの設計が進むに伴って交互に描かれる犬飼と隼人の毎日も少しずつずれていき・・・、というお話。 舞台が東京でなく九州でもなく、大宮であることには意味があるんですが、個人的には、大宮には一年間予備校に通っていたことがあり、描写される街の風景も所々目に浮かんできたり、そこらへん妙に感情移入できて良かったです。 捩れていく二人の生活が徐々に緊迫感を増していく描写はさすがです。 吉田さんの作り出す会話は本当にリアリティがありすぎて、時々ゾッとしてしまいます。 ただ、交互に描かれる二人の生活がどこで交わるのかと思いながら読みつつそこを裏切られるっていう。これは何だろう。別のとこに着目してもう一度読むべきなのか。 スパイラルしたビルの柱はいつまでも交わらずに上へ上へと続いていくということか。不思議な感じ。 二人の男の捩れていく生活から僕が感じたことは、 鬱々としていること、退廃的であること、やるせないこと、うまくいかないこと、不安であること、イライラすること、などなど。 そういう負の感情の認識や共感。 それが世の中に、というより一人ひとりの人間の中に存在するのである、ということ。 それはきっと人によっては難しく考えなくとも意識できていたり、普段の人間関係の中で消化できるのかもしれないが、そうでない人にとってはそういう感情の存在の認識はきっと生きていくために必要なことであり、きっとそこらへんが純文学たる所以なのかなぁ、と取りとめもなく見当違いに思いをめぐらせた本でした。 吉田修一に興味がある人は別の本から入る方が良いかもしれません。

Posted byブクログ

2009/10/04

気づいたら話が終わっていて 吉田修一の気持ちとリンクできないと よくわからないまま終わってしまうお話だと感じました でも大宮にゆかりがあるので、ちょっと好きです

Posted byブクログ

2011/09/18

高層ビル建築現場で働く鉄筋工隼人、そしてその高層ビルの設計士犬飼の日常が描かれる。あまり起伏のない物語。わかりにくい作者の意図。それなのに、なぜか私は惹かれて読んでしまう。出稼ぎにきているおじさんたちや、仕事浸けで妻がわからなくなる犬飼。日常に次第にいらいらしてくる隼人。この作品...

高層ビル建築現場で働く鉄筋工隼人、そしてその高層ビルの設計士犬飼の日常が描かれる。あまり起伏のない物語。わかりにくい作者の意図。それなのに、なぜか私は惹かれて読んでしまう。出稼ぎにきているおじさんたちや、仕事浸けで妻がわからなくなる犬飼。日常に次第にいらいらしてくる隼人。この作品に渦巻く空気感、人々のありようが「悪人」へと続くのだなと実感できた。「悪人」前段階の不安感を喚起させてくれた。

Posted byブクログ

2009/10/04

正直言えば、あまり面白くない小説だった(笑) しかしながら、話の内容に引き込まれたポイントがある。 それは地元:大宮をモデルに話が展開しているということ。 ちょうど物語の舞台である大宮駅の西口開発というのは、地元民にとっては、ものすごくリアリティがある。 オレの子供の...

正直言えば、あまり面白くない小説だった(笑) しかしながら、話の内容に引き込まれたポイントがある。 それは地元:大宮をモデルに話が展開しているということ。 ちょうど物語の舞台である大宮駅の西口開発というのは、地元民にとっては、ものすごくリアリティがある。 オレの子供の頃は大宮は東口しか拓けておらず、西口は小さな駅前バスターミナル、そして駅前の吉野家しか覚えていない・・^_^; それが大学入る頃には、丸井やダイエーのDOM、そしてデパートのそごう出店。 また高層ビルのソニックシティもそびえ立っていた。 この小説では、大宮西口に架空の35階建て、高さ180メートルの高層ビル「O−miyaスパイラル」の建築現場が登場する。 そして話の中に駅前の細い路地にある「ラーメン日高」や「栄光ゼミナール」など、本当に存在する店のことが描かれており、 主人公の行動しているエリアが「ああ、あそこだ・・」と想像できるのが面白かったのだ。 以前、ブログに記した「天使のナイフ」(薬丸岳)という小説も、確か大宮が舞台だった。 こういう視点で印象に残る小説というのも、笑えるね・・

Posted byブクログ

2009/10/04

ねじれたランドマークに、ねじれた社会生活を送る2人の男性を投影して話は進む。 都市部周辺に住まい仕事をする人々の、日常からでは伺えない、異常な精神状態。 だいぶ前に読んだんですけど。 本の名前ときれいな水色に惹かれました。 の割りに、内容はどちらかと言えば、人間の心情に迫るもの...

ねじれたランドマークに、ねじれた社会生活を送る2人の男性を投影して話は進む。 都市部周辺に住まい仕事をする人々の、日常からでは伺えない、異常な精神状態。 だいぶ前に読んだんですけど。 本の名前ときれいな水色に惹かれました。 の割りに、内容はどちらかと言えば、人間の心情に迫るもの。心の葛藤とか孤独感とか。30代くらいに確かに考えを巡らせてしまいそうだと、自分に投影するシーンもしばしば。 ねじれた超高層がテーマなので、当時建設中だった、名古屋のアレを思い浮かべながら読みました。それにしてもランドマークってなんで、どうしてもほっそりしたイメージ喚起をさせられるんだろうなぁ。

Posted byブクログ

2009/10/04

文庫になっていたので購入。 相変わらず好みの完全に分かれそうな作風。 でもついつい買ってしまうのは何でだろ? ってか舞台が大宮!あまりに地元なんで書かれている風景がまじまじと浮かび面白い。 出だしがHap`1 Kingdamだもんな〜。 地元愛で星プラス1してます。

Posted byブクログ

2009/10/04

大宮に建設中であるランドマークの設計者とその建設工事にかかわっている二人の男の物語。 二人の生活が交わることもなくNumber10からラストに向かって終局していく。 言葉にならないなにかを大事にしたくて、何かをする。 けどその“何か”すら確実なものではないのだが、そうするしかな...

大宮に建設中であるランドマークの設計者とその建設工事にかかわっている二人の男の物語。 二人の生活が交わることもなくNumber10からラストに向かって終局していく。 言葉にならないなにかを大事にしたくて、何かをする。 けどその“何か”すら確実なものではないのだが、そうするしかないと思う彼等。 ランドマークが完成に近づくにつれて集結していくようにおもいが束ねられていく感覚がしていく。 なんともいえないぐっとした感覚が残ります。

Posted byブクログ

2009/10/04

これはどちらかというとパークライフ系だと思われる。つまり純文系。なぜって結論がないから?それにしても・・・・・・「なぜかしら」がほんと気にな(略)

Posted byブクログ

2009/10/04

いつか読もうと思っていた吉田修一。 入社直前に読めました。 たぶんこの作品は代表作じゃないんだろうけど、充分に彼の特性がわかる一冊だった。 彼の小説は、小説なのに非常にリアリティーのある小説だ。 つまり現代社会を映し出す鏡のような役割を自作に担わせている。 そう...

いつか読もうと思っていた吉田修一。 入社直前に読めました。 たぶんこの作品は代表作じゃないんだろうけど、充分に彼の特性がわかる一冊だった。 彼の小説は、小説なのに非常にリアリティーのある小説だ。 つまり現代社会を映し出す鏡のような役割を自作に担わせている。 そういう点で村上龍に近いものを感じたし、非常に力を持った作家だということがわかった。 もう一冊くらい読みたいな。時間があれば。。

Posted byブクログ