君の名残を(上) の商品レビュー
学校帰りに大きな木の下で雨宿りをしていた友恵と武蔵。 その近くにいた友恵の友人の弟である志郎。 雷に打たれた三人は、鎌倉時代の別々の場所へ飛ばされてしまう。 教科書にあった歴史は知っているが、細かいことはわからない。その中で三人はどう生きていくのか。 そして互いの存在が同じ時代に...
学校帰りに大きな木の下で雨宿りをしていた友恵と武蔵。 その近くにいた友恵の友人の弟である志郎。 雷に打たれた三人は、鎌倉時代の別々の場所へ飛ばされてしまう。 教科書にあった歴史は知っているが、細かいことはわからない。その中で三人はどう生きていくのか。 そして互いの存在が同じ時代にあることを、彼らはまだ知らない。
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タイムスリップもののSF歴史ミステリーであるが、運命論の中で人生や意志がどのような意味を持つのか、生き死にのはっきりとした時代背景の中で描写されている。 救いがないような描写も多く、諦観にも似た命題の提示が重たいので、合わない人にはボリューム的にも読み進めにくいかもしれない。ただ...
タイムスリップもののSF歴史ミステリーであるが、運命論の中で人生や意志がどのような意味を持つのか、生き死にのはっきりとした時代背景の中で描写されている。 救いがないような描写も多く、諦観にも似た命題の提示が重たいので、合わない人にはボリューム的にも読み進めにくいかもしれない。ただ、歴史の裏にある一人一人の意志や想いが丁寧に描写されていて、私は手が止まらなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何となく手に取ったこの本。 こんな“大スペクタクル歴史ロマン”だとは思わなかった! 『君の名残を(上)』 朝倉卓弥 (宝島社文庫) 普通に高校生活を送っていた少年少女たちが、過去にタイムスリップし、歴史上の人物としての運命を背負わされてしまう話である。 おやまたタイムスリップもの?と思ったが、この前読んだ本多孝好さんの「イエスタデイズ」よりもはるかにスケールが大きい。 だって800年前に行っちゃうんだから。 同じ高校に通い、同じ剣道部に所属している幼なじみの「白石友恵」と「原口武蔵」、友恵の友人由紀の弟「北村志郎」。 この三人が、ある日神社の境内から忽然と姿を消した。 …というところまでが「プロローグ」。 続く「友恵之章」「武蔵之章」で、友恵と武蔵がどうなったのかが語られる。 なんと友恵は木曾義仲の妻「巴御前」に、武蔵は源義経と行動をともにする「武蔵坊弁慶」として、平安末期、源平の争いの渦中を生きることになる。 このあたりまで読んだ時、うーんちょっと待てよ、と止まってしまった。 普通に歴史小説やんと思ったのだ。 高校生がわざわざタイムスリップしてくる意味ってあるんかな? そんな中途半端な設定にしなくても、そのまま「歴史小説」として書いても十分読み応えのあるいい作品なんじゃないかな、と。 最初は、友恵と武蔵の時を越えた悲恋物語だと思っていたのだが、友恵ちゃんはあっさり義仲っちと結婚しちゃって、え、なんで?武蔵くんは?みたいな。 800年前という想像を超えた状況に放り出されたわりには、すぐに馴染んでいるところも気になった。 ……が。 ところがどっこい一筋縄ではいかなかったね。 作者のすごさがだんだん分かってくる。 キーパーソンともいえる、眉に傷のある謎の坊さんの存在が見え隠れするにつれ俄然面白くなってきて、その人物の過去が語られる「修羅之章」で目が離せなくなり、続く「幕間」で三人が消えた後の「現代」の様子が語られるころには、ページを繰る手が止まらなくなってしまった。 いやーすごい。 やられたー。 「六波羅之章」は、平家が滅亡に向かう話で、まさに“盛者必衰の理”が、緻密な筆致で丁寧に描かれる。 平清盛の衰退。 頼朝の出兵と時を同じくして、平家討伐を掲げ兵を挙げた源義経と武蔵坊弁慶(武蔵)。 木曾義仲と巴(友恵)。 そして源頼朝の参謀である北条四郎義時(志郎)。 (書き忘れていたが、雨の中自転車で姉を迎えに行こうとしていた志郎君は、神社からどこにタイムスリップしちゃったのかと思っていたら、なんと、北条政子さんちだったのだ!) 現代から飛ばされてきた三人が、奇しくも同じ方向に少しずつ向かっている。 そのあたりの筆運びは実にスリリングだ。 “平成”という時代に生きる高校生であった彼ら。 彼らは歴史の“結末”を知っている。 それゆえの悲しみは、物語が進むにつれて重みを増していくのだろう。 この物語全体の底を流れる“得体のしれないものの意思”は、どこへ行き着くのか。 友恵、武蔵、志郎の運命は !? 下巻へ続く!
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面白かった!! 歴史&ファンタジー小説 鎌倉時代成立に向けた物語 上巻では 剣道部主将で幼馴染の友恵と武蔵、さらには友恵の友達の弟の志郎が平安末期にタイムスリップするところから始まります。 そして、それぞれがその時代の主要人物として歴史の流れに組み入れられます。 友恵は木曽義...
面白かった!! 歴史&ファンタジー小説 鎌倉時代成立に向けた物語 上巻では 剣道部主将で幼馴染の友恵と武蔵、さらには友恵の友達の弟の志郎が平安末期にタイムスリップするところから始まります。 そして、それぞれがその時代の主要人物として歴史の流れに組み入れられます。 友恵は木曽義仲の妻の巴御前 武蔵は源義経の従者の武蔵坊弁慶 志郎は北条時正の息子の北条義時 それぞれが、なぜ、この時代にタイムスリップしてきたのか? そして、その時の流れの中で、すでに決められているであろうそれぞれの運命に対してどう対峙するのか といった展開です。 それぞれは、意外にもあっさり平安時代に溶け込んじゃうのね(笑) そんな中、上巻では、清盛が逝去し、義仲と巴の息子義高が人質として頼朝の元へ行くところまでが語られています。 下巻に続く..
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話の内容は大河ドラマな純粋な歴史小説。 しかし始まりは3人の高校生のタイムスリップ。 奇想天外だが引き込まれる。 平安から鎌倉にかけての歴史をもう一度、見直そうと思った。その方が楽しめる。
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入りは現代小説というかファンタジーだが、だんだんと歴史の渦(源氏と平氏の争い)に巻き込まれていく。構成がおもしろい。語り口は固めで、若干読みにくく感じた。たまに狂気がまじる。 じっくり腰を据えてファンタジーを読みたい人や読みやすい歴史小説を探している人におすすめ。(歴史が苦手な学...
入りは現代小説というかファンタジーだが、だんだんと歴史の渦(源氏と平氏の争い)に巻き込まれていく。構成がおもしろい。語り口は固めで、若干読みにくく感じた。たまに狂気がまじる。 じっくり腰を据えてファンタジーを読みたい人や読みやすい歴史小説を探している人におすすめ。(歴史が苦手な学生は教科書の暗記よりこれを読む方が覚えられると思う)
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平家物語の世界に三人の未来人が絡む話 一人は木曽義仲の妻、巴御前 一人は源義経の従者、武蔵坊弁慶 一人は北条時正の息子、北条義時 平家物語で運命に翻弄される義仲、義経、頼朝の側で、三人の未来人はその運命を打破出来るのか? そして、たまに声が聞こえる運命を司る者の正体は?...
平家物語の世界に三人の未来人が絡む話 一人は木曽義仲の妻、巴御前 一人は源義経の従者、武蔵坊弁慶 一人は北条時正の息子、北条義時 平家物語で運命に翻弄される義仲、義経、頼朝の側で、三人の未来人はその運命を打破出来るのか? そして、たまに声が聞こえる運命を司る者の正体は? 全編は義仲と頼朝の仮初めの同盟までの話です。 因みに、源義経が未来人である弁慶に決定論のような話をする場面が印象に強く残りました。 後編が楽しみです。 因みに、運命を司る者の正体が火の鳥で、阿修羅がガオウって事は無いですよね!?
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タイトルがとても素敵。 現代から平安時代へとタイムスリップしてしまった三人。 平家物語を余り知らない私でも何とか付いていけました。 どんな結末になるか全く読めません。 何年も積んでいた本なので味わって下巻を読もうと思います。
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読み始めてすぐに時代物に突入してしまった。 時代物は苦手なのだけれど、面白く読み進めました。 幼い頃から剣道をやっている幼馴染の高校生、白石友恵と原口武蔵は、ある日友恵の親友、北原由紀の弟、志郎と3人一緒に神社の神木に落ちた雷とともに平安時代にタイムスリップしてしまう。 しばらく...
読み始めてすぐに時代物に突入してしまった。 時代物は苦手なのだけれど、面白く読み進めました。 幼い頃から剣道をやっている幼馴染の高校生、白石友恵と原口武蔵は、ある日友恵の親友、北原由紀の弟、志郎と3人一緒に神社の神木に落ちた雷とともに平安時代にタイムスリップしてしまう。 しばらくは自分の置かれた状況を飲み込めずにいるが、時代の流れに逆らうことはできず、この時代の人間として生きていく。 友恵は友恵御前として、武蔵は武蔵坊弁慶として、志郎は北条義時(青年期は江間小四郎)として平家物語の中で懸命に生きる。 今後の展開が楽しみ。
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高校の時に出会った作品。あれから7年ごしに読んでも熱くなる作品。二部作であますことなく映画化してほしい作品です。
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