五分後の世界 の商品レビュー
いわゆる"戦闘系"の村上龍作品の中では、特にファンタジー感が強い作品。現代風に言うと"異世界転生モノ"に近いのだろうか。戦後、連合国に占領された世界線の日本を舞台に熱気漂うゲリラ戦の描写からは、著者の"日本人よ、戦え"と...
いわゆる"戦闘系"の村上龍作品の中では、特にファンタジー感が強い作品。現代風に言うと"異世界転生モノ"に近いのだろうか。戦後、連合国に占領された世界線の日本を舞台に熱気漂うゲリラ戦の描写からは、著者の"日本人よ、戦え"という強いメッセージが通底していることを感じる。色々と伏線が回収されない点は気になったが、エンターテイメントとしても楽しめる一作。
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今の世の中から5分後にずれた、未だ連合国と戦い続けている日本、そしてそちらの世界に移ってしまった男の話。 プライドを持って余計な事は考えず生き延びる、というテーマを感じた。
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政治思想バリバリ強めのSF ある意味で理想の日本として描かれる日本国軍。国を売りながらもプライドだけは強い日ノ根村、そして帝国。みたいな構図かな。「すぐ外に敵がいるのだから国内で差別をしてる暇はない」という日本国軍はやはり一種の理想の形として描いてると思っていいのかな。対照的な存在として日ノ根村では明確に差別する対象を5世帯常に持っておくことがコミュニティを保つためのルールになってしまっている。「こういう基準のものが差別される」というルールはありながらも結局「常に5世帯」というのが、いかにも、「自然に差別されるべく差別されている」のではなくて「コミュニティ全体のためにそういう存在を作っておく」便宜的なシステムとして差別があるとしてあるのが、らしい。 というかこれで終わりなのかよ。 一章と二章のラストでずっと触れてた時計が五分ずれていたのをずっとここまでずっと直さなかったのは元の世界に戻る、あるいはこの世界で生きるつもりはないという心の現れだとしたら、結末はその逆ということか。
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이 소설은 조지오웰의 1984를 연상하게 만든다. 모든 배경이 어둡고 회색빛에 가깝다. 어느 순간 5분 후의 세계로 떨어진 주인공 오다기리는 지금과 너무 다른 일본에서 오직 살아남는 것 만을 생각하며 점차 앞으로 나아간다. 이 소설에서는 유독 전쟁 ...
이 소설은 조지오웰의 1984를 연상하게 만든다. 모든 배경이 어둡고 회색빛에 가깝다. 어느 순간 5분 후의 세계로 떨어진 주인공 오다기리는 지금과 너무 다른 일본에서 오직 살아남는 것 만을 생각하며 점차 앞으로 나아간다. 이 소설에서는 유독 전쟁 장면이 많이 나오는데 꽤 긴 편인지라 집중력을 유지하기가 쉽지 않다. 또한 장면의 전환이 없이 주인공을 따라 모든 줄거리가 움직이기 때문에 자칫 지루해지기 쉬운 구조도 보여진다고 생각한다.
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ランニングの最中に突如洞窟に飛ばされた小田桐は、其処が旧日本軍が降伏せず徹底抗戦を続ける5分後のパラレルワールドだと知る。 日本人の人口は1000万人を割り、日本国土はソ連、中国、アメリカなどの連合軍に分割されながらも、混血児を含む日本軍兵士たちの士気は高く戦争は終わる気配がない...
ランニングの最中に突如洞窟に飛ばされた小田桐は、其処が旧日本軍が降伏せず徹底抗戦を続ける5分後のパラレルワールドだと知る。 日本人の人口は1000万人を割り、日本国土はソ連、中国、アメリカなどの連合軍に分割されながらも、混血児を含む日本軍兵士たちの士気は高く戦争は終わる気配がない。 村上龍の詳細な武器•人体•歴史描写により小説全体の構成にはリアリティがあり、SFでありながら本当にあり得た世界線であるかのように錯覚してしまう。
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みんなの目的は金しかねえが、誰も何を買えばいいか知らねえのさ、だからみんなが買うものを買う、みんなが欲しがるものを欲しがる、大人達がそうだから子供や若い連中は半分以上気が狂っちまってるんだよ、いつも吐き気がして当たり前の世の中なのに、吐くな、自分の腹に戻せって言われてるんだから、あたまがおかしくなるのが普通なんだよ
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タイトルがポップだったので図書館でなんとなく手に取って読み始めました。あらすじくらい読めばよかった。。。 災害やウクライナの戦争や、安倍元総理の銃撃など、最近「過去の歴史と思い込んでいた」ことがわりと目の前で起こるようになり、「理不尽な死」を想像することが多くなっていたので、こ...
タイトルがポップだったので図書館でなんとなく手に取って読み始めました。あらすじくらい読めばよかった。。。 災害やウクライナの戦争や、安倍元総理の銃撃など、最近「過去の歴史と思い込んでいた」ことがわりと目の前で起こるようになり、「理不尽な死」を想像することが多くなっていたので、ここへきて本書の生々しい戦闘の描写は精神的にクるものがありましたが、最後まで読みました。 死という恐怖を目の前にすると人間は冷静さを失って、敵のまえに飛び出していってしまうのが実際にそうなんだろうなと思います。小田桐が何度も精神を奮い立たせて生き延びようとするのが印象的でした。 最後に小田桐が5分前の世界に戻って、そこからどうなるのかというのを唯一の楽しみに読んだのですが。。。 こういうラストかー うわー 絶望とも希望とも取れないラストは、膝から崩れる感覚になりました。 ただ5分後、5分前という設定だけポンと渡されて、パラレルワールドをみさせられるという強引さにあっけに取られました。 この世界の日本は、人口の激減してしまって、混血だらけになってしまったけど、それでもダンスや音楽、技術などが世界に影響を与えているというのが、意外というか不思議で、自分の頭のなかで現実と小説の日本の姿に混乱してしまいました。 あと、兵士同士が敬語を使わない理由について、「責任の所在があいまいになるから」と言っていました。現代のビジネスマインドで使えることがあるかもしれないので覚えておこうとおもいました。
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読むのに非常に時間がかかる本。1ページの情報量が多く、集中して読まないと特に戦闘シーンの描写は何が起こっているのかわからなくなる。とはいえ、その圧倒的な臨場感と秀逸につくりこまれた世界観は本当にすごい。主人公の心理描写を事細かにしているわけではないのに、最後の主人公の決断はごく自...
読むのに非常に時間がかかる本。1ページの情報量が多く、集中して読まないと特に戦闘シーンの描写は何が起こっているのかわからなくなる。とはいえ、その圧倒的な臨場感と秀逸につくりこまれた世界観は本当にすごい。主人公の心理描写を事細かにしているわけではないのに、最後の主人公の決断はごく自然で、感動すら覚えた。続編も是非よんみたい。
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前半の戦闘シーン、文章から感じる熱量が凄まじくて一気に読み上げてしまった。 ゆっくりダラダラと、物語に集中するまでに時間がかかる僕としては、かなり珍しい。 そこで終わるんかい、というか、尻すぼみ感はあるけど、読んでよかった。
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