五分後の世界 の商品レビュー
面白くて一気に読んだが、暗い気持ちと人間のどす黒い部分だけが印象に残った。人間の命は呆気なく、動物や昆虫と同じ。イエスも仏陀もアッラーもない。食うか食われるか、今の世の中は偽善社会で、長い歴史のなかで異常な時代かもしれない。
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決して戦争を賛成するわけではないけれど、 こんな未来もあったかもしれないのかと面白くて一気に読んでしまった。
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自分には合わなかったの一言。 あらすじを見てワクワクしたが、思ったようなものではなかった。 好きな人には申し訳ないが、だらだらとした印象を受ける文章で読むのがきつかった
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太平洋戦争が終結せず旧日本軍が地下都市を作って国連軍=米軍と戦闘を続けているパラレルワールドの1994年の話。ソ連が北海道、中国が九州、アメリカが本州、イギリスが四国をそれぞれ分割統治し、1950年代には北海道では米ソ、九州では米中が戦争。地下に潜った日本軍は素材技術/エレクトロ...
太平洋戦争が終結せず旧日本軍が地下都市を作って国連軍=米軍と戦闘を続けているパラレルワールドの1994年の話。ソ連が北海道、中国が九州、アメリカが本州、イギリスが四国をそれぞれ分割統治し、1950年代には北海道では米ソ、九州では米中が戦争。地下に潜った日本軍は素材技術/エレクトロニクスブレークスルーとなる発明により兵器輸出で外貨を獲得。地下に住む純ジャパ、地上のスラムに住む準国民、山間地の村などに住み米軍にかしづく非国民、というクラスター分けがされている。 前半は上記のパラレルワールド設定に関する説明記述が冗長。平成初期のバブル感と社会の焦燥感を反映した設定なのだろうけれど、少々都合良すぎる設定に思える。 後半のオールド東京という江東区あたりのスタジアム廃墟でのライブシーンから山間地域での戦闘シーンへのつながりは読み応えあり。一気に読んだ。
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自分の記憶力の無さに感謝したい。再読だが1行も覚えていなかった。おかげで楽しめた一級品の小説、傑作。
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5分後の世界は地獄です。著者の意図は違うかもしれないけど、現代がどれだけ恵まれているか再認識できました。
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ある男が気付くと、5分ずれたパラレルワールドの日本へ。その世界では日本の人口は26万に激減、地下で暮らし、第二次大戦終後も降伏せずにゲリラ戦を仕掛けています。その世界でつつましくも誇り高い日本人とともにすることで、男は秘められた才能を見出していくというストーリー。 龍氏も最高傑...
ある男が気付くと、5分ずれたパラレルワールドの日本へ。その世界では日本の人口は26万に激減、地下で暮らし、第二次大戦終後も降伏せずにゲリラ戦を仕掛けています。その世界でつつましくも誇り高い日本人とともにすることで、男は秘められた才能を見出していくというストーリー。 龍氏も最高傑作のひとつに上げていて、ファンからも人気の高い作品です。続編「ヒュウガ・ウイルス」もあります。「戦国自衛隊」とか好きな人は必読!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
龍作品10年ブランク後の復帰第2段に読んだが、他作品にないファンタジー感はとても面白かった。(自分ごとだが直近に伊藤計劃を読んでいたので軍事SF的な共通点をなんとなく比較してたりしたが) 現代ならラッパーかヤクザか、と言われるような幼少期を過ごし、その剥き出しのハングリー精神で戦闘をギリギリのところで生き抜く鬼気迫る描写、ワカマツのコンサート、音の壁が聳え立つようなビートミュージックの表現(この辺りは盟友坂本教授を彷彿)、対し聴衆が狂う暴動シーン。言うまでもない、村上龍の痺れるような活字の波を楽しむ事ができた。 そして、薄々読者に感じさせるのが舞台となっている別の世界の日本の魅力。現代とは真逆の飾らない、元々持っている男性が感じる女性の性的魅力、美しさ。共にする兵士達は非情な冷酷さとそれとは真逆の美しい人間味が垣間見えるシーン。それに気がつき魅力的に感じ始める小田桐。現代よりも人が美しく描かれていて何もかもが真逆の日本。(2023年現在ではその乖離はより強く感じる) 小田桐はこのタイムリープから帰ることができるのか。 という事を書きながらどういう作品だったかを自分なりに噛み締めながら振り返って分析してみると この作品は最高だったなと思います。 上述した内容に気がついた今、次読んだ時にまた違う感じ方が見つかる気がしていて、それもまた楽しみです。
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物語を読みながら、日本が戦争で降伏していなかったらどうなっていただろうと考えた。 この本の中にも出てきている通り、きっと人口は大幅に減少して、住む場所も地上には無くなってしまっていただろう。 「敵にもわかるやりかたで、世界中が理解できる方法と言語と表現で、われわれの勇気とプライ...
物語を読みながら、日本が戦争で降伏していなかったらどうなっていただろうと考えた。 この本の中にも出てきている通り、きっと人口は大幅に減少して、住む場所も地上には無くなってしまっていただろう。 「敵にもわかるやりかたで、世界中が理解できる方法と言語と表現で、われわれの勇気とプライドを示しつづける」 それでも、この物語の中で、生き残っている国民は日本人としてのプライドを死守し、世界に示し続けている。 かっこいいなあというのが純粋な感想だった。 現代を生きる日本人の特徴として、周りを見て動く集団意識が強い種族という言葉をよく耳にする。 これは、負けを認め、他国の文化を受け入れることで生き延びてきた私たちが、世界で生き残っていくために身につけた術そのものなのかもしれない。
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評価が難しい。 作者が恐らく当時の段階で最も描きたかった世界を本能のままに書き殴った作品。 俗な概要は大戦続行中の日本というパラレルワールドに放り込まれる異世界転生系。 誰が読んでも作者の血と汗を感じる入魂作品だが、正味全く入り込めなかった。 楽しめなかった自身の感性を恥じつつ...
評価が難しい。 作者が恐らく当時の段階で最も描きたかった世界を本能のままに書き殴った作品。 俗な概要は大戦続行中の日本というパラレルワールドに放り込まれる異世界転生系。 誰が読んでも作者の血と汗を感じる入魂作品だが、正味全く入り込めなかった。 楽しめなかった自身の感性を恥じつつも、剥き出しの村上龍は合わないという知見も得た。 SFモノとしては非常に重厚で迫力のある作品だと思う。
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