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そして夜は甦る の商品レビュー

4

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

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2017/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ハードボイルドな探偵の物語。 少しひつこいぐらいの回りくどい表現が、読み進めるスピードを遅めるのだが、 全体的には良いストーリーだし、キャラもいい味付けができていると思う。 最後まで読んで、やたら疑問が残った事が多く、 不完全燃焼だった作品

Posted byブクログ

2017/06/18

「そして夜は甦る」。原りょうさん。1988年のデビュー作。ハヤカワ文庫。 原りょうさんの、「探偵沢崎シリーズ」の第1作です。 「探偵沢崎シリーズ」というのは、 ●主人公が「私立探偵・沢崎」(下の名前は誰も知らない。そういう意味では「新宿鮫」もそうですが)。 ●全て、沢崎の...

「そして夜は甦る」。原りょうさん。1988年のデビュー作。ハヤカワ文庫。 原りょうさんの、「探偵沢崎シリーズ」の第1作です。 「探偵沢崎シリーズ」というのは、 ●主人公が「私立探偵・沢崎」(下の名前は誰も知らない。そういう意味では「新宿鮫」もそうですが)。 ●全て、沢崎の一人称。という意味も含めて、強烈に、レイモンド・チャンドラー作の「フィリップ・マーロウ・シリーズ」の日本版、という確信犯的な作り。 ●1988「そして夜は甦る」、1989「私が殺した少女」、1990「天使たちの探偵」、1995「さらば長き眠り」、2004「愚か者死すべし」。計5作しか今のところない。 ●どれも、文章、風格、無駄の無さ、全て一級品で、オモシロイ。と、僕は思います。 ●恐らく作者の意思でしょうが、まったく映像化されたことがありません。 というシリーズ。 # そして、フィリップ・マーロウ的なブンガク世界を真面目にやっていますから、事件のあらすじを描写することに意味はないんですが... 「そして夜は甦る」という小説は、 ●大財閥のファミリー、そこの娘から、「夫であるルポライターが行方不明、探して」という依頼を受ける。 ●ルポライターは、どうやら「記憶喪失の、指が一本無い男」の取材?をしていた。 ●指が一本無い男、は、どうやら、「都知事選候補者狙撃未遂事件」の関係者である。 ●都知事(と、その弟)は、石原慎太郎さん(と、その弟の裕次郎さん)を、露骨に彷彿とする人物。 ●結局、全ては、都知事(慎太郎サン的な人)と、その弟が、都知事選に当選するために描いた狂言だった。 ●そしてその犯人役を、身内で騙してなすりつけようとする財閥ファミリー内の犯罪があった。 というお話です。 「狙撃犯の男」は、設定としてはジャズピアニスト。 犯人のうちの数名は、映像プロダクション、映画会社の助監督だったりスタッフだったりします。 (作者の原りょうさんが、長らくジャズピアニストとして活動されていました。でもそれでは(恐らく)食べて行けずに。 長い間、映画や映像の制作現場で助監督をやったり脚本を書こうとしたり、されていたそうです) # あまり説明するのも野暮なんですが、このシリーズ、僕は大好きです。(再読です) フィリップ・マーロウの日本版である、というのはその通りなのですが、そんなことよりも、「それで、面白いのか面白くないのか」ということだけだと思うので。問われるべきは。 主人公の皮肉、比喩、独白の文章の切れの良さ。反骨精神。でも大人なしなやかさ。 それから、娯楽に徹してダレ場の無い展開。テンポの良さ。 つじつまとか、自然さとか、リアルとか。そういう近代日本ブンガク的な四畳半風味にまったく囚われない、エンターテイメントな自由さ。 僕は実にオモシロイし、好きです。 今回も、ちょっとばたばたしてて、「確実に面白い本を読んで癒されたいな」という状況で、再読してしまいました。 # チャンドラー風、マーロウ風の中年日本人男性をどう作るか、という工夫のあとがあちこち見られます。 原さん自身がそうなんでしょうけれど、「囲碁ファンである」というあたりなんか、良いなあ、と思います。 # 携帯電話も無い時代、1980年代後半。 近過去の風俗資料っていう懐かしさ?という意味でもチョット面白かった。 # シリーズ全体を貫く設定が、 主人公沢崎は、かつて、渡辺、という探偵に薫陶を受けた。事務所も「渡辺探偵事務所」だった。 ただ、その渡辺(元刑事でもある)は、妻と子を交通事故で亡くしてしまって以来、アル中に。 そして、暴力団の大量の麻薬と、億単位の現金を盗んで失踪してしまった。 という過去のアヤがあります。 今回再読して、「妻と子を事故で亡くして、アル中になった」という一文が、グッと来ました。 初読のときは、確かまだ、独身でした。

Posted byブクログ

2017/03/08

右手をポケットに隠した 海部と名乗る男が、 ルポライターの佐伯の行方と 依頼内容を教えろと迫る。 私立探偵・沢崎には、 その佐伯という男に覚えが無かった。 続け様に佐伯の家族から接触を受け、 数日間行方の知れない彼を 正式に捜索する依頼を受けた沢崎は、 怪文書と銃撃事件で話題とな...

右手をポケットに隠した 海部と名乗る男が、 ルポライターの佐伯の行方と 依頼内容を教えろと迫る。 私立探偵・沢崎には、 その佐伯という男に覚えが無かった。 続け様に佐伯の家族から接触を受け、 数日間行方の知れない彼を 正式に捜索する依頼を受けた沢崎は、 怪文書と銃撃事件で話題となった 都知事選の裏に広がる謎に挑む。 二作目を先に読んでしまったので 改めて原尞のデビュー作を手にした。 今作はより私立探偵らしい話で、 事件の実に複雑な設定が見事だった。 沢崎や錦織警部のハードボイルドな 立ち居振る舞いは既に確立されていて その格好良さに痺れた。

Posted byブクログ

2016/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

このシリーズは結構読みやすいナリ。 テンポも良くて、謎があってソレを解決して、またひと波乱あって、ズバッと解決して、わかりやすい。 それでいてハードボイルド感もしっかり出ていて。 わかりやすい読みやすい作品は、下手すると子供だましだったり、雰囲気がダサくなったり、ライトな雰囲気が出るんですが、この作品はしっかりしている。 良作です。

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2016/02/06

評価が良かったので内容も確認せず読んでみたら、思いがけずミステリでびっくりした。もうちょっと手に汗握るというか意外な展開が欲しかった気がする。 あと時代柄かわかんないけど、出てくる女性キャラがみんな頭悪そうに書かれてるのが気になった。自分を殺して男を立てるのは当然で、その上で尻軽...

評価が良かったので内容も確認せず読んでみたら、思いがけずミステリでびっくりした。もうちょっと手に汗握るというか意外な展開が欲しかった気がする。 あと時代柄かわかんないけど、出てくる女性キャラがみんな頭悪そうに書かれてるのが気になった。自分を殺して男を立てるのは当然で、その上で尻軽か不合理か過度に感情的かのどれかという感じ。やはりそのあたりの考え方に古さを感じる。 錦織警部はかっこいいと思います。

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2016/01/04

『私が殺した少女』に続き、原作品二作目。ハードボイルドってあまり読む気がしないんですが、こちらの作品はスラスラ読めちゃいました^^ ミステリとはまた違う魅力があってイイなぁ。こちらは処女作なので、次作の直木賞受賞作と比べると出来はあまり良くないけどやっぱ面白いわ!

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2015/10/20

「ハードボイルド万歳!」 寡作な為、決してメジャーな作家とは言えないと思うが、知る人ぞ知る本格ハードボイルド小説。探偵沢崎の所作、粋な言葉の一つ一つがしびれるほどにカッコいい(渡辺探偵事務所の沢崎なんてことを何度も説明する下りまで考え抜かれている!)。携帯なぞ無い時代に書かれた...

「ハードボイルド万歳!」 寡作な為、決してメジャーな作家とは言えないと思うが、知る人ぞ知る本格ハードボイルド小説。探偵沢崎の所作、粋な言葉の一つ一つがしびれるほどにカッコいい(渡辺探偵事務所の沢崎なんてことを何度も説明する下りまで考え抜かれている!)。携帯なぞ無い時代に書かれた作品なので伝言サービスや国電なんて若い世代の人には分からないであろう単語も飛び出すが、それでも本質を貫く骨太さは約30年経った今でも変わらない。登場人物の相関関係も複雑でなかなかの読み応え。だからこそ、そんな中で己を曲げない沢崎の存在がキラリと光る。時代が変わっても色褪せない、というのはこういうことをいうのだろう。本作が初めて世に出てから、シリーズとしては短編を含め5作しか書かれていないが、未だに最新作に焦がれる自分がいる。

Posted byブクログ

2015/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 最初にチャンドラーを意識しているなと思った。  ハードボイルドはアメリカの風土の小説のように思っていて、日本を舞台にしているものは、どうしても偽物感や回りくどさを感じて流行らないと思っていた。  この小説を読んで、少し考えは変わった。ミステリ小説の中にうまくハードボイルドを取り込んでいるなと思った。

Posted byブクログ

2015/05/09

ネタ切れで何を読もうか迷って、「このミステリーがすごい!」の入賞作を選んだ。 これは88年に国内作品2位に入ったもの。 それだけなら読もうと思わなかったけど、この原さん、89年に1位、91年に5位と続けて選ばれてる。 これはかなり期待できるんじゃないの!?と読んで見たものの。 い...

ネタ切れで何を読もうか迷って、「このミステリーがすごい!」の入賞作を選んだ。 これは88年に国内作品2位に入ったもの。 それだけなら読もうと思わなかったけど、この原さん、89年に1位、91年に5位と続けて選ばれてる。 これはかなり期待できるんじゃないの!?と読んで見たものの。 いやーまいった。べったべたのハードボイルドですよ。 主人公のセリフが回りくどい。 回りくど過ぎて、何が言いたいのか分からないとこがたまにある。 周りの人、よく会話できてんなーとヘンなところに感心。 でも、ほとんど何も分からない手探りの状況にありながら、情報の取捨の判断とかかけひきとか、ほぅと感心するところもあり。 なんとなく、海外のミステリィを読んでいる感じ。 チャンドラーを意識して書かれているようだし。 結局わたしには合わなかった。

Posted byブクログ

2013/10/07

ハードボイルド系だけどめんどくさいのでミステリ系にカテゴリ。 あながり間違ってないとは思う。 これぞ、ハードボイルドという感じの小説。 伝言ダイアルってところが時代を感じていい味だなあと。

Posted byブクログ