白痴(上) の商品レビュー
ドストエフスキーは、…
ドストエフスキーは、本書主人公ムイシュキン公爵を「キリスト」として描いています。古来より多くの文学者はキリストを描こうと苦心してますが、私の知る限りそれに成功したのは、本書とセルバンテスの「ドン・キホーテ」とメルヴィルの「ビリー・バッド 」くらいです。現代に甦った「キリスト」は、...
ドストエフスキーは、本書主人公ムイシュキン公爵を「キリスト」として描いています。古来より多くの文学者はキリストを描こうと苦心してますが、私の知る限りそれに成功したのは、本書とセルバンテスの「ドン・キホーテ」とメルヴィルの「ビリー・バッド 」くらいです。現代に甦った「キリスト」は、必然的に「異邦人」となり悲劇的な結末を向かえます。本書は、「カラマーゾフの兄弟」の有名な<大審問官>の章を読み解く上でも必読の書であると思います。
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ドストエフスキーの五…
ドストエフスキーの五大長編のひとつ。美しい人ムイシュキンをめぐる物語は、ほかのドストエフスキー小説とはすこし毛色が違う。
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ドストエフスキー作品…
ドストエフスキー作品の中ではとても読みやすい本。
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終盤近いところのロゴ…
終盤近いところのロゴージンと公爵の顔を並べた場面のみ、克明に脳裏に焼きついている。
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「無条件に美しい人間」キリストを描くことを目指したこの作品ですが、キリスト教の知識がなくとも十分すぎるほど楽しむことができます。(もちろん、知っていた方がより深く味わうことができますが) それほど小説として、芸術として優れた作品となっています。 『罪と罰』の影に隠れてあまり表...
「無条件に美しい人間」キリストを描くことを目指したこの作品ですが、キリスト教の知識がなくとも十分すぎるほど楽しむことができます。(もちろん、知っていた方がより深く味わうことができますが) それほど小説として、芸術として優れた作品となっています。 『罪と罰』の影に隠れてあまり表には出てこない作品ですが、ドストエフスキーの代表作として非常に高い評価を受けている作品です。これは面白いです。私も強くおすすめします。
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一人の繰り言は少なめに人間関係が前面に出ている。他者に対する対応や感情の機敏が事細かに描かれる。その中で時折寓話めいた事件や問題提起が挟まれ、周りから浮いているムイシュキン公爵の反応や対応に哲学が浮かび上がってくる。何箇所もラインを引き付箋を貼りたくなるような観念があった。興味深...
一人の繰り言は少なめに人間関係が前面に出ている。他者に対する対応や感情の機敏が事細かに描かれる。その中で時折寓話めいた事件や問題提起が挟まれ、周りから浮いているムイシュキン公爵の反応や対応に哲学が浮かび上がってくる。何箇所もラインを引き付箋を貼りたくなるような観念があった。興味深く共感し、感動もし、胸が痛くなる。
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ドストエフスキーに取り掛かるには、それなりの覚悟がいる が、そんなこと言ってるとなかなか読み始められないのでエイヤー的な勢いも必要だ そして本書はなんとなーくドストエフスキーっぽくないような変な予感もして、それを確かめたかっだのだ(なんかいちいち言い訳したくなるのです) 主人...
ドストエフスキーに取り掛かるには、それなりの覚悟がいる が、そんなこと言ってるとなかなか読み始められないのでエイヤー的な勢いも必要だ そして本書はなんとなーくドストエフスキーっぽくないような変な予感もして、それを確かめたかっだのだ(なんかいちいち言い訳したくなるのです) 主人公は身寄りのない公爵 幼い頃の重度の病気(てんかん)によりスイスで療養、成人しロシアへ戻る 知り合いらしい人間もいないが、彼の人柄で初日の汽車の中から、人脈があれよあれよと広がる 正直で純粋、誰からも好かれる文句なしの善人の理想の人物として描いたようだ そしてこのタイトルから、少々勘違いしてしまっていた 決して何もかも肯定的でおだやかで心優しい紳士… というわけではない もちろん白痴であったかもしれないが今はどちらかというと思慮深さが品よく目立っている 自分という軸をしっかり持ち、自分の頭で考え行動する 嫌な部分だってあるし、言いたいことを言うときもある 後悔するような発言や行動だってする そう考えると思った以上に普通の人に近い (というか今回の白痴の登場人物たちはなかなかのクセモノが多く(いつもか…)、公爵の人の善さは際立つ結果にはなっている) 今更ながらにドストのこの世界というのは 当時のロシアで有り得た状況なのだろうか… もちろん小説として読んでいるが これほど他人と話し合い、息がかかるほど近づき、思ったことを素直にぶつける 罵倒や悪態もすさまじい この人々の圧に読んでいるだけ息がしづらくなる場面が何度もある 他人にこんなことされたら… 他人にこれほど憎しみを持ったり蔑んだり、それを面と向かってぶつけられたら… そんなことが日常茶飯事にあり過ぎる! 小説だからだよねぇ? それとも当時のロシアはあり得たのかしら? いちいち各家庭に問題があるし、いちいち各キャラクターに問題があり過ぎるし、皆、胸に一物を抱えている(ふぅ) 一応恋愛モノにあたるとは思うが、上巻はそんなものより公爵を通じて人と人との全力の激しいぶつかり合いが多く、もうドロドロで激しくて時には嫌悪感から目をそむけたくなるようなことが結構起こる 歪んだ人間も多く、自己否定とプライドが相まって破滅的なキャラクターが多い そしてお互いがその触れられたくない部分のジワリジワリとあぶりだし合って、そこまで追い詰めあわなくても… とかなりの緊迫感が絶え間なく続く 人間の深層心理に迫り過ぎて息苦しくなるほど重いは重いんだけど、ドストにしてはテンポがよくて非常に読みやすい(ちょっとビックリした) おまけにところどころミステリーっぽく展開させるため読み手を飽きさせない(今までこんなサービス精神みたことない気がする…) ドッと疲れるのだが、圧倒的にやはり面白い 相変わらずのユーモアでその暗さを打ち消す効果も光る ちなみに私は激昂家のハチャメチャな人格を持つリザヴェータ夫人が結構好きだ(近くに居たら嫌だけど…) やさしさと意地悪さが相反し過ぎて、自分でも持て余し出すとすぐキレる 世間知らずで傲慢で誇り高く、地方の(笑)女王様のような性格である 何から何まで首を突っ込みたがり、夫や娘や公爵らをひっかきまわしていく なんだけど、なんかかんかこの人は人を結ぶ役目をしており、夫人を通して多くの人が絡み合う 面白いキャラクターであり、ご本人は気づいておられないが重要な役割を担っている こういうキャラクターを生み出すところがドストエフスキーの凄いところである 他にも読みどころは満載 トーツキイとナスターシャ・フィリポヴナの歪んだ関係も非常に面白いし、公爵が見た死刑の話しも実に深く哲学的だ そしてスイスでの子どもたちとの悲しくも幸せな関係 こういうのって他の小説では読めない世界だなぁ さて下巻はどんな激しい展開が待ち受けるのだろうか
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面白いか面白くないかでいうとはっきり言ってよくわからなかったけど公爵が病気だけどいい人に見えるように書いてるのかなかと思った。
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この長大な小説を読んでいて、誰の会話か解らなくなることがあり、四苦八苦した。その中で、肺病を患った薄幸な少女マリイと子供達の交流を書いた挿話が好きだ。 また、ムイシュキン公爵とロゴージンの間で語られるナスターシャ・フィリポヴナに対する評価の違いは刮目に値する。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1868年 「罪と罰」に続く長編で、「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」と共に後期五大長編作品と言われる。 上下巻(新潮文庫)で、700ページ×2 くらい。 周りから「白痴」と言われる青年の悲しき恋バナ。 NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n/nc69530b930f9?magazine_key=m95e2f346041d まあ、美女のおかげでなんとか読了。 ナスターシャとアグラーヤのおかげ。 にしても、登場人物多いし、名前厄介だし笑 大変だわ。 特に、下巻の始めから中盤くらいがしんどかったなー。 イポリートの手紙演説、うざー。 イヴォルギン将軍のとことか。 何語ってたか?覚えてないな。 この辺りはちょっと意識なくなりながら読む。 宗教や国家の小難しい話とか、入ってこないわ〜。 もうそんなのいいから、ナスターシャ出してくれよ〜笑 てなっちゃった。途中全然出てこなくなったし。 クライマックスの美女二人の修羅場。立ち尽くす男二人。 美女二人の言い争いなら、観てられるかも笑 ムイシュキン公爵すごいよな、美女にモテモテ。 羨ましすぎる。でもこの二人大変そーだが。 白痴、バカ、純粋、誠実。「無条件に美しい人間」 そりゃ公爵は素敵な人だろうな。これに気づける美女二人も素敵。 ロゴージンもなんだかんだいいヤツだろうな。 ナスターシャ… 結局、そうなるんか。 うまくいかないもんだね、人生。 ちょっと今回は、気持ちに余裕がなかったせいか、途中飽きちゃったり、飛ばし気味だったりして、今更ながら、もったいなかった気がしてきてるので、次回読む機会があれば、細かく読み込みたいと思う。ドストさん自身が愛したというくらいだし。
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