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シッダールタ の商品レビュー

4.2

173件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2013/04/23

秩父の山奥に野宿に行った時に手元にあった本。 ヘッセ自身の宗教的体験を成道前の一人の修行者シッダールタに重ね合わせて告白している。 ブッダの伝記と見るのは難しいかもしれない。 人は時間によって苦しむ。 すべては、その時の状態のままでオームであり、完全なのだ。 欲望...

秩父の山奥に野宿に行った時に手元にあった本。 ヘッセ自身の宗教的体験を成道前の一人の修行者シッダールタに重ね合わせて告白している。 ブッダの伝記と見るのは難しいかもしれない。 人は時間によって苦しむ。 すべては、その時の状態のままでオームであり、完全なのだ。 欲望に溺れるシッダールタの葛藤なども描かれている。

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2013/04/21

ブッダの出家前の話かと思って読み始めたのですが、ぜんぜん違いました。ちゃんとカバー裏には、ブッダについて描かれた話ではなく、修道者の話だって書いてありましたね。確かに…。 ヘッセについては私は全く知らないため、どのような思想的な遷移をたどった人物かは知らないのですが、作中時々シ...

ブッダの出家前の話かと思って読み始めたのですが、ぜんぜん違いました。ちゃんとカバー裏には、ブッダについて描かれた話ではなく、修道者の話だって書いてありましたね。確かに…。 ヘッセについては私は全く知らないため、どのような思想的な遷移をたどった人物かは知らないのですが、作中時々シッダールタをはじめ登場人物が語り始める思索は原始仏教としては、というか仏教としてはすごく違和感があります。 元々仏教圏の人だったらまずしないような仏道者の描き方で、なんだかその違和感が感慨深かったです。ヘッセ自身も、仏教というのが結局どのようなことを言っているのか、彼なりのロジックで掴めなかったんだろうなあと いうのがうかがえました。 ブッダとシッダールタの問答もなんだかしっくりこず、腑に落ちない感じが残りました。 仏教や原始仏教について、小説を描くなら、作者オリジナルの解釈で描き出される仏教でいい、と思うのですが、いかんせんヘッセ自身が煮え切ってないんじゃないかと思います。 原始仏教にまつわる超訳オリジナル小説ではアンベードカルの「ブッダとそのダンマ」がありますが、こちらはアンベードカル自身が掴み取った仏教の本質とは何か、ブッダとは何者であるかが、あっつい創作エピソードを重ねぶっつけられてくる感じがするのですが、 「シッダールタ」は「すべてのものに愛があり神が存在する」 的な、キリスト教的な解釈にぼんやりたどり着いてしまったのがちょっと物足りないです。 仏教逸話の二次創作だと思うと面白いなーと思います。 ぜひブッダ本人についての二次創作も作ってほしかったし、読んでみたかったです。

Posted byブクログ

2013/03/11

著者自身が見つけた真理への旅な一冊。 かなり難解であり、未だに理解できていない。 ただ、ヘッセのたどり着いた答えである事がよくわかる。 人生を考えるヘッセの答え。

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2013/01/26

興味深く読みました。 欲を捨てられなかったり道に迷ったり…それが人間らしいってことなのかな?人間って愚かだな。時々嫌になる。 でも人間やってんだから自分を認めて俗世に対応していかなければ。。 宗教って何を信じるかじゃなくてどう生きるかを示してるんだなって思った作品。

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2012/12/28

分かる気がするけど、自分は分かっているのか…この小説の最後にかけて、シッダールタの悟りの説明の迫力みたいなものがすごい。世界を愛する、という感覚は自分の目の前のことに向き合う、ということに違い感覚ではないかと思う。

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2012/11/06

文学ってすごいと思う。このような本に出会うことが出来て、本当に良かった。縁起、久遠、十界互具など。P136「彼は彼らを理解した。理解して、思想や見識によってではなく、ひたすら本能や希望によって、導かれている彼らの生活を共にした。」、P122のカマーラを看取る場面、その後の息子との...

文学ってすごいと思う。このような本に出会うことが出来て、本当に良かった。縁起、久遠、十界互具など。P136「彼は彼らを理解した。理解して、思想や見識によってではなく、ひたすら本能や希望によって、導かれている彼らの生活を共にした。」、P122のカマーラを看取る場面、その後の息子との葛藤なども好きな場面。

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2012/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『車輪の下』に続き著書を読んだ。 シッダールタという少年が父と別れ、沙門となり、友人と別れ、ブッタに出会い、最後には悟りを開くという物語。 主人公のシッダールタが遍歴を通じて自分の内面を徹底的に追い求めていく姿に圧巻。 そして文体がとにかく美しい。

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2012/10/16

最初に、あれブッダのほうのシッダールタじゃないの?と首をひねったけれど、すぐにヘッセの描くシッダールタの世界に引き込まれた 特に皮の流れの中で人々の輪廻のなかでも輝く人間性の中に悟りを見い出す場面は心打たれ泣けた 限りなく荘厳で美しい小説。

Posted byブクログ

2012/10/03

1回読んだときはまったく理解できなかった。その時はブッダの生涯が読みたかったのに、現実味のないお話で。 だいぶ後になって読み返したら、全然印象が違ってよかった。 ブッダの生涯が知りたいなら手塚治虫の「ブッダ」がいいよ。 これはまた別の話です。

Posted byブクログ

2017/08/16

 ヘッセの求める答えは教会にはなかったようだ。  インドの聖人を題材にして書かれた本書でも、主人公はヘッセの他の作品同様、何かを求めて、迷い、挫折し、苦しんでいく。    どこまで求めても手に入らぬ答え。  しかし、今回は少なくとも前へ進んでいる感がある。  主人公も若者から、...

 ヘッセの求める答えは教会にはなかったようだ。  インドの聖人を題材にして書かれた本書でも、主人公はヘッセの他の作品同様、何かを求めて、迷い、挫折し、苦しんでいく。    どこまで求めても手に入らぬ答え。  しかし、今回は少なくとも前へ進んでいる感がある。  主人公も若者から、人生を過ごし、老年を迎えている。  作者の思想の成熟を表しているのか。  すべての迷い、苦しみも無駄ではなかったのだろう。  生まれ、生き、死ぬまでの経験が積み重なって流れとなる。川となる。    ヘッセの探求の旅は行き着く先を見つけたのだろうか。  東洋に答えを見つけようとしたヘッセを、もう少し知りたくなった。  

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