車輪の下 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ハンスのような勤勉な努力家がアカデミックになろうとするとハイルナーのような天才との差に落胆してしまうことはあるだろう。一見ハンスの方が社会で上手くやっていけそうに思えるが実際ハイルナーが成功する。かといってアカデミーの世界から離れるのは困難で、結局、元からアカデミーとは無縁の人々と同じように生きていくことも難しい(できるのかもしれないが)。ハンスにとって死は救いであるように感じた。
Posted by
神学校生活において、ある生徒が亡くなった際に、教師というのはなぜ生前は生徒を罵り、無下に扱うのに、亡くなると尊いもののように扱うのかというような事が書いてあり、深く共感した。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
辛かった。主人公のハンスが最後死んでしまうような話だったとは。特に最後ハンスの死に顔が「ほとんど朗らかにさえ見えた」p259 とあってより悲しくなった。 ヘッセのほぼ自伝小説ということだが、小説と現実の大きな違いは母親の存在の有無ということにひかれた。ハンスは心の救いがなかったために自滅という最期をとげるがヘッセは母親のおかげで立ち直れた。 受験後に読んだから受験勉強の辛さはよくわかったが、ハンスは私よりもっと勉強して常に頭痛がするようになり、休暇期間も勉強し続けていたため、その苦しさは計り知れなかっただろうと思った。規則ばかりで芸術や自由を無視する風潮は良くないのだろう
Posted by
まずまずの読み応えだった。ヘッセはもともと詩人気質らしいが、それが顕著に出ている。文章が詩的で難読な箇所もあるが、ストーリー自体は純文学と同じような感じがして味わい深かった。また読みたい作品。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
予備知識なく読み始めたので、ハッピーエンドで終わる話なのか、そうでないのか、ハラハラしながら読んだ。 結果的に、周囲の期待に押しつぶされてしまうハンスであるが、自分はそれを救えただろうか?と自問するも、その自信はない。 きっと自分を正当化して、神学校の校長のように振る舞うのではないだろうか。父親もハンスを救えず、実際にヘッセを救ったのが母親だったというのはなんとなく理解できる気がした。
Posted by
つらかった 子どもを追い詰めたくないな とにかく生きていてくれればいい 楽しいことが多ければより良い
Posted by
「車輪の下」がこんなに胸の苦しくなる話だとは知らなかった…ヘルマンヘッセが描く未熟な青年像って天才的に的確で、地の文も意外と生々しいけどどこかナレーターの眼差しがあたたかい気がして大好き。その分心に戒めみたいな傷ができた気がする…
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大学の時の教授が挙げていたので読んでみたいなぁと思っていた本。やっと読み終わった。 文体としては少し読みにくいけど、内容は職業柄、とても考えさせられる。教授が挙げた理由がわかった気がする。あとハンスのような人(自然を必要とするという意味で)が数人思い浮かんで親近感が湧いた。 全体的を通して好奇心という言葉がポイントだなと思った小説。好奇心・向上心は輝かしい一方、脆い。 内容として勉強、あるいは学校は一般的に神聖化されてて、雁字搦めで、対照に恋愛とかは俗物的なものと見られるのはわかるけど、なんとも言えないモヤモヤ感が残った。人にとって、何が良いんだろう? 穢されるといった表現が度々あったけど、どうしてこう思ってしまうのだろうな。ただ、ハンスのように周りを蔑んでしまう気持ちもわかる。 ハンスのいわゆる転落人生の最後、あるあるやけど急に第三者の神視点から外れるところがハンスが神に見放されたように感じてつらい… でも読めてよかったし勉強になった。
Posted by
なかなかの悲劇的な物語に感じた。子供の幸せや、教育とは、期待の功罪、自分の意思の様に思えて実は思わされている(誘導されている)現実、色々なことを考えながら読みました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
勉強しすぎは死ぬ! 正確に言えば、労働の喜びや初恋の甘酸っぱい気持ちを覚えてこれからリア充デビューだ〜!ってところでお酒の失敗で川で溺れて死ぬ。やっぱり人間逞しく生き抜くには、素質に加えメンタルの大事さを感じました。
Posted by