車輪の下 の商品レビュー
ハンスの儚い人生が悲しく美しい。 学業で自信や優越感をもちそれを武器に生きていくのかと思いきや、人間らしい感情によって居場所を失い、友人もいなくなり、誰にも理解されず苦しむ。もうがんばらなくていいけど、故郷で生きるためには再びがんばらなければならない。 2年間の遅れがありながらも...
ハンスの儚い人生が悲しく美しい。 学業で自信や優越感をもちそれを武器に生きていくのかと思いきや、人間らしい感情によって居場所を失い、友人もいなくなり、誰にも理解されず苦しむ。もうがんばらなくていいけど、故郷で生きるためには再びがんばらなければならない。 2年間の遅れがありながらも機械工の見習いとなり、頑張るが緊張の糸が解かれたのか、願っていた死へと向かう。あの湖で死んだ同級生もこのような感情だったのだろうか。 恋、友情、若さゆえの苦しさを思い出す。
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とある青年(優秀)が自滅していくお話。 解説を読んで知ったが、自叙伝に近いものとのこと。 こういう自滅的な小説を書く作家って、自らの人生も波瀾万丈な気がする。だからこそ後世に残る作品が書けるのかな。。凡人には無理ということか。。
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初めて女の人に触れて、おとなになりたくないって泣いてるのがキュンとした 社会に殺されちゃった男の子 描写は瑞々しいけどストーリーは平坦といえば平坦 詩人気質なんやねえ
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成績(数字)や周囲の期待にとらわれて、自分を見失うところはわかる 何が幸せなのだろうか。。 風景描写が素敵
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人生は「こんなはずじゃなかった」の繰り返しであり、読者は読者なりの「こんなはずじゃなかった」を生きている中でこの小説に巡り会って、ヘルマン・ヘッセの「こんなはずじゃなかった」に共感したり、落ち込んだり、打ちのめされたりするのだろう。 しかし、ヘッセは惨めでボロボロでヨロヨロで辛く...
人生は「こんなはずじゃなかった」の繰り返しであり、読者は読者なりの「こんなはずじゃなかった」を生きている中でこの小説に巡り会って、ヘルマン・ヘッセの「こんなはずじゃなかった」に共感したり、落ち込んだり、打ちのめされたりするのだろう。 しかし、ヘッセは惨めでボロボロでヨロヨロで辛くて辛くて堪らない経験をしても、それでも生きていたからこの小説を書き上げることができたのだ。それこそ最も重要なことなのではないか。
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理想と現実のギャップですな 自分の理想を叶えるために日々を邁進していたのに、皮肉にもその理想は自分が求めていたことと違ったというわけだね そんなギャップに戸惑い、人に支えられながらやってきたけど、その人もいなくなって、女や遊びを覚え、自分が最終的に何を目指していたかわからなくなっ...
理想と現実のギャップですな 自分の理想を叶えるために日々を邁進していたのに、皮肉にもその理想は自分が求めていたことと違ったというわけだね そんなギャップに戸惑い、人に支えられながらやってきたけど、その人もいなくなって、女や遊びを覚え、自分が最終的に何を目指していたかわからなくなってしまう これは対岸の火事ではない 我々にも往々にして起こりうることだ ハンスはどうすれば悲劇を回避できたのだろうか 理想を諦めればよかったのだろうか それがバンズを救うとするならば、諦める、ということの概念を問う物語でもあると感じた
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ハンスのような勤勉な努力家がアカデミックになろうとするとハイルナーのような天才との差に落胆してしまうことはあるだろう。一見ハンスの方が社会で上手くやっていけそうに思えるが実際ハイルナーが成功する。かといってアカデミーの世界から離れるのは困難で、結局、元からアカデミーとは無縁の人々と同じように生きていくことも難しい(できるのかもしれないが)。ハンスにとって死は救いであるように感じた。
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神学校生活において、ある生徒が亡くなった際に、教師というのはなぜ生前は生徒を罵り、無下に扱うのに、亡くなると尊いもののように扱うのかというような事が書いてあり、深く共感した。
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辛かった。主人公のハンスが最後死んでしまうような話だったとは。特に最後ハンスの死に顔が「ほとんど朗らかにさえ見えた」p259 とあってより悲しくなった。 ヘッセのほぼ自伝小説ということだが、小説と現実の大きな違いは母親の存在の有無ということにひかれた。ハンスは心の救いがなかったために自滅という最期をとげるがヘッセは母親のおかげで立ち直れた。 受験後に読んだから受験勉強の辛さはよくわかったが、ハンスは私よりもっと勉強して常に頭痛がするようになり、休暇期間も勉強し続けていたため、その苦しさは計り知れなかっただろうと思った。規則ばかりで芸術や自由を無視する風潮は良くないのだろう
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まずまずの読み応えだった。ヘッセはもともと詩人気質らしいが、それが顕著に出ている。文章が詩的で難読な箇所もあるが、ストーリー自体は純文学と同じような感じがして味わい深かった。また読みたい作品。
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