幸福な朝食 の商品レビュー
39/100 88年 第一回 日本推理サスペンス大賞優秀作 過去堕胎した自分を責め続け、ヒステリー性の想像妊娠騒ぎを起こす。 そして、正常とはいえない言動と行動をとりはじめる志穂子。 後半もかなりの後半からの展開なんですけど、ラストを含めこのあたりのお話しが駆け足。 ...
39/100 88年 第一回 日本推理サスペンス大賞優秀作 過去堕胎した自分を責め続け、ヒステリー性の想像妊娠騒ぎを起こす。 そして、正常とはいえない言動と行動をとりはじめる志穂子。 後半もかなりの後半からの展開なんですけど、ラストを含めこのあたりのお話しが駆け足。 志穂子の男関係の多さにも辟易した。 同じ劇団員、ディレクター二人、マネージャー、俳優兼声優、退団した人形使い・・ どれもこれも己の都合からの関係。 自分の思い通りに行かない40手前の女性がヒステリーを起こし、挙句気がふれたってだけ。 これ読んでも志穂子がじぇんじぇん可愛そうに思えない。 身から出た錆。 有名な女優を陥れるあたりのトリックだって、特筆すべき内容でなし、 悲しくもなく、さほどの驚きもなし、
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『凍える牙』で直木賞を獲った乃南アサのデビュー作。 で、彼女の以降のキャリアを否定するみたいで恐縮だけど、直木賞受賞作よりこっちの方が好きだわ。物語中で起きる「出来事」を追うのではなく、一人の人生を追っているという感触。人一人を知ったという深い手触りがあって、読み終わった後もそ...
『凍える牙』で直木賞を獲った乃南アサのデビュー作。 で、彼女の以降のキャリアを否定するみたいで恐縮だけど、直木賞受賞作よりこっちの方が好きだわ。物語中で起きる「出来事」を追うのではなく、一人の人生を追っているという感触。人一人を知ったという深い手触りがあって、読み終わった後もその人が、一人の知人として自分の中に生きている気がする。こういう読語感になる小説は極めて稀。相性の問題もあるんだろうけど、最近読んだ中では抜群に好きだわ。
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◆あらすじ◆ 女優を目指して上京した少女は、運命の悪戯に全ての夢を打ち砕かれ、孤独のうちに歳月を過ごしてきた。 だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶けはじめる。 ……なぜ忘れていたのだろう。 あの夏から、私は妊娠しているのだ。 そう、何年も、何年も、こ...
◆あらすじ◆ 女優を目指して上京した少女は、運命の悪戯に全ての夢を打ち砕かれ、孤独のうちに歳月を過ごしてきた。 だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶けはじめる。 ……なぜ忘れていたのだろう。 あの夏から、私は妊娠しているのだ。 そう、何年も、何年も、この子は待っていてくれたのよ……。 濃密な心理描写が絶賛された直木賞作家のデビュー作、待望の文庫化。
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タイトルからは想像できぬ内容です。 28歳でこんな<女の情念>が描けるなんて凄い、と思いました。 人形つかいの世界がリアルです。
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初出1988年(新潮社) サスペンス。人形使いのある女性の家族,結婚,子供に対する焦燥感や嫉妬や怨念の極致。
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芸能人になる夢を、そっくりな芸能人が現れたことにより絶たれ、人形劇を操る人になった主人公。段々と壊れていく様を描いた作品。 すごく怖いわけじゃないけど、時々書かれている描写にドキッとさせられるありました。人形が出てくるって言うのがコワイ・・・女の人は結局子どもに行き着くんでしょ...
芸能人になる夢を、そっくりな芸能人が現れたことにより絶たれ、人形劇を操る人になった主人公。段々と壊れていく様を描いた作品。 すごく怖いわけじゃないけど、時々書かれている描写にドキッとさせられるありました。人形が出てくるって言うのがコワイ・・・女の人は結局子どもに行き着くんでしょうか・・・
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乃南(のなみ)アサさんのデビュー作…というか、第一回 日本推理サスペンス大賞というの候補作品だったらしく。大賞ではなく優秀賞あたりだったようです。私が読んだのは、アマゾンにはもう検索にかからなかったハードカバー版なんですけども、佐野洋氏や 椎名誠氏の選評で 比較的厳しい書評が巻末...
乃南(のなみ)アサさんのデビュー作…というか、第一回 日本推理サスペンス大賞というの候補作品だったらしく。大賞ではなく優秀賞あたりだったようです。私が読んだのは、アマゾンにはもう検索にかからなかったハードカバー版なんですけども、佐野洋氏や 椎名誠氏の選評で 比較的厳しい書評が巻末に載ってました。 文章の上手さとか筋運びとかの専門的なことはわかりませんけれども、けっこう引き込まれるお話でしたよ。最後まで読まないとなんか怖くて落ち着かないよ、みたいな。怖いんですよね。オンナノシアワセって何だろうと。結婚とか出産とか全然光り輝くゴールじゃないですよ。私に言わせると。前向きに生きるために必要不可欠な通過点ではないです。選択肢のひとつだと思うけどね。主人公、志穂子は、孤独のあまり狂っていくんですよね。狂気に変わるほどの孤独って怖いですね。人との関わりを拒絶するように生きてきたのは君でしょ、とつっこみたくなるような面もあったけど。花のような美人に生まれて、女優を志していたら、自分のそっくりさんが先にデビューしてしまう。そっくりさんはどんどんスターダムを駆け上がる。こうなるともう、どこへ行っても「スターのそっくりさん」という印象に勝てなくなる。こういうの、つらいってわかるけれども。設定はすごく斬新で面白い。それでもショウビズの世界にいたくて、人形使いとして生きてる志穂子。人形にだけ心を打ち明けるような、ぷっつん系小悪魔美女。怖いです。でも終わり方、好きだったな。もしかしたらすごく身近にあったかもしれない幸せを読者に見せて終わるかんじで。伊吹が上京するのがもうすこし早ければどうなっていたか、いろいろ想像してしまいます。 乃南さんファン、女性にすごく多いですよね。次は代表作を狙ってみよう。『凍える牙』あたりかな。。
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次どうなるの?んで、どうなるの?? って、気になってしまってガンガン読み進んでいきました。・・・怖かった。
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美しい容姿を持ちながら幸せになれない暗く孤独な女。ここまで美女でも孤独でもないが、女としてわかる部分が多く、一歩間違えれば、自分も、と思う恐怖。 文章としては視点がころころ変わるのでちょっとわかりにくいのが気になった。
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夢を打ち砕かれ、嫉妬と孤独の中で徐々に精神が病んでいく主人公。運命なのかもしれないが、物事のタイミング、人生の選択が一つでも違っていれば、こんなことにはならなかっただろう。そんな中、どこかで誰かが自分の事を見ていてくれた、気にしていてくれた事が、たった一つの救いだったと思う。主人...
夢を打ち砕かれ、嫉妬と孤独の中で徐々に精神が病んでいく主人公。運命なのかもしれないが、物事のタイミング、人生の選択が一つでも違っていれば、こんなことにはならなかっただろう。そんな中、どこかで誰かが自分の事を見ていてくれた、気にしていてくれた事が、たった一つの救いだったと思う。主人公がそれに早く気付くことができたら・・
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