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巨人たちの星 の商品レビュー

3.8

114件のお客様レビュー

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    22

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2024/04/16

SFの話をしよう 極論を言えば、SFとは結局未来の物語のことだと言えよう そしてそれは、物語の語り部が「こんな未来になるといいな」と思った物語か「こんな未来になったら嫌だな」という物語に大別される 巨匠ホーガンが残した物語は果たしてどちらだったのか 物語はまず異星人の持つ...

SFの話をしよう 極論を言えば、SFとは結局未来の物語のことだと言えよう そしてそれは、物語の語り部が「こんな未来になるといいな」と思った物語か「こんな未来になったら嫌だな」という物語に大別される 巨匠ホーガンが残した物語は果たしてどちらだったのか 物語はまず異星人の持つ高度な科学技術を独り占めしようとする側とそれを阻止しようとする側の二つの超大国が暗躍する描写から始まる またしても繰り返されるのか、人類は歴史から何も学ばずにこの先も歩み続けるのか 暗い気持ちを抱かせたまま物語は進む しかし本当の敵の姿が見え始めた頃から物語の様相が変わり始める 隠されていた真実が明かされたとき、ホーガンが用意した人類の未来は「分裂」ではなく「団結」だったことを知る 「こんな未来になるといいな」という物語だ 諸君、J・P・ホーガンという語り部が残した人類の未来に向かって進もうじゃないか

Posted byブクログ

2023/08/20

『星を継ぐもの』、『ガニメデの優しい巨人』に続く、ジェイムズ・P・ホーガンの名作古典SFシリーズ第3作。 遥か昔に母星ミネルヴァを去った同胞と合流するため、地球に別れを告げて<ジャイスター>へと飛び立ったガニメアン一団を乗せたシャピアロン号。彼らの無事を祈る中、<ジャイスター>...

『星を継ぐもの』、『ガニメデの優しい巨人』に続く、ジェイムズ・P・ホーガンの名作古典SFシリーズ第3作。 遥か昔に母星ミネルヴァを去った同胞と合流するため、地球に別れを告げて<ジャイスター>へと飛び立ったガニメアン一団を乗せたシャピアロン号。彼らの無事を祈る中、<ジャイスター>からガニメアンの通信が届くが、それは標準伝送コードで送られた英語による通信文であった。ハントらは、<ジャイスター>のガニメアンが地球の言語と通信コードを把握していること、また通信文の内容から、地球が以前から彼らに監視されていたこと、彼らの中の地球を監視している一派が、地球に関する情報を故意に歪曲させて報告していることを予想する。シャピアロン号の様子と、地球が惑星間の大規模な戦争を起こそうとしているという情報が正しいのかを確認するため、地球を監視している一派には極秘裏に地球人と会談したいとの<ジャイスター>のガニメアンからの申し出を受け、彼らは新たな異星人との対面を果たす―――。 前作、前々作の様々な謎が解き明かされる(一応の、)シリーズ完結作。「まさか!人類の歴史の裏でそんなことが起こっていたとは!」・・・勿論フィクションなのだが、何とも歴史的瞬間に立ち会えたような満足感。これほどに知的探求心を刺激してくる作品(シリーズ)に出会ったことは無く、今後もこれを超えるものにはそうそう出会えることはないだろう。 本作は、「(人類の)ルーツを探る」という知的探求心を刺激する内容に加え、前作、前々作にはなかった手に汗握る展開も楽しむことが出来るものとなっている。終盤の攻防戦が非常に痛快!この内容だったら映像的にも映えそうだが・・・やはり一作目が一番映像化に向かないというのがネックか。。。 (2023年の)この冬、創元SF創刊60周年記念として、長らく未訳だったシリーズ第五部『ミネルヴァ計画(仮題)』の邦訳版が遂に発刊されるとのこと。めでたい!発売までにシリーズ第四部『内なる宇宙』も読んでおきたいところだ。

Posted byブクログ

2023/07/26

『星を継ぐもの』の三作目で、異星人と遭遇した後の世界での政治や社会にフォーカスが当たった作品。 これまでの2作は生物の進化やSF的な謎解きがメインで対立や戦争はなかったけど、今作は種族間の対立や社会の話だった。 最終的には全ての謎が判明して大団円になるけど、これまでの2作の感じ...

『星を継ぐもの』の三作目で、異星人と遭遇した後の世界での政治や社会にフォーカスが当たった作品。 これまでの2作は生物の進化やSF的な謎解きがメインで対立や戦争はなかったけど、今作は種族間の対立や社会の話だった。 最終的には全ての謎が判明して大団円になるけど、これまでの2作の感じで読み始めたら謀略や国同士の対立の話が続くからそれまでと印象が違っていて少し驚いた。 それまでに判明していなかった謎が最後に全て判明して、繋がっていくラストは良かった

Posted byブクログ

2023/07/16

「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」に続く三作目。小説の雰囲気が大きく変わり、良くも悪くもエンターテイメント性が強まったため、ハリウッド映画のような勧善懲悪な物語に感じてしまった。 人物描写が充実し、これまでどのような人物かあまり伝わらなかった登場人物たちもしっかり掘り下げら...

「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」に続く三作目。小説の雰囲気が大きく変わり、良くも悪くもエンターテイメント性が強まったため、ハリウッド映画のような勧善懲悪な物語に感じてしまった。 人物描写が充実し、これまでどのような人物かあまり伝わらなかった登場人物たちもしっかり掘り下げられ、心情が伝わりやすくなった点は良いと思う。 なかなか感動的でグッとくるシーンも多い。スペースオペラの要素も感じられるのでエンターテイメント映画向きの作品だと思う。 敵のブローヒリオのあの振り切った小悪党ぶりは、映像化されたなら憎めない悪役となること間違いなしなので、愚かで無能でどうしようもなく哀れで情けない彼の激しい怒りや荒れ狂う様子をぜひ映像で見てみたい。 今作は地球人の政治が主要なテーマとなってしまっているので仕方ないとはいえ、様々な場面で現実との乖離を感じる。そのせいか地球で起きた過去の悪辣非道な出来事全てがジェヴレン人のせいで片付けられるのも、フィクションと分かっていても、地球人賛美が強すぎて違和感を抱いた。 前作までのようにしっかりハントなりダンチェッカーなりが「地球人が行ったとは思えない理由」を説明してくれたなら納得できたと思うけど、ハッタリと敵の自白のみで解明されてしまったのが残念。 三作目にして一作目に戻るメビウスの環のような展開には興奮した。ただ、地味でありながらも堅実な検証を繰り返し、物語に説得力を持たせるあの雰囲気が好きだった人間からすると、評価は少し低めになってしまう。 ハントとリンのロマンス、リンのミッションインポッシブルさながらの敵施設への潜入など、物語としては魅力的で面白くはあるけど、これまでの作品と異なる要素が多すぎて「これじゃない」という感覚は最後まで拭えなかった。

Posted byブクログ

2022/12/28

ガニメアンシリーズ3作目、1作目はミステリー、2作目はファースト・コンタクト物と、細かいジャンルが変わっていったけれど、今作はとうとう宇宙戦争へ。 2作目で全然政治の話を出さなかったくせに、今回急に出してきて驚いた。前2作とも違う展開で今作も面白かった。

Posted byブクログ

2022/10/18

4.0 シリーズ第3作。今までの謎がすべて鮮やかに解明されます。いやはや良くもこんなストーリーを考えつくものだと驚嘆です。3作通してめちゃくちゃ面白かった。なんともう1作あるみたい。最後まで見届けよう。

Posted byブクログ

2022/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本当のことがわかっていく度に、読むスピードが速くなっていきました。過去といまを回り続けるところが面白かったです。

Posted byブクログ

2022/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

科学的推理が主だった前二作に比べ、本作は政治的な色彩が濃い。理系から文系へ重点が移ったというか。それはそれで面白かったが、個人的には前ニ作の方が好きだった。 本作で明かされた一番衝撃的な事実(そもそもフィクションだがその世界の事実)は、5万年前のミネルヴァ滅亡時にガニメアンによって助けられたランビアン(ジェヴレン人)が、仇敵であるセリアン(地球人)の文明の進歩を遅らせるため、ガニメアンから得た科学技術を使って魔術や奇跡を演出し地球人の合理的思考力を得るのを妨げたり、工作員を送り込んで戦争を煽って文明を破壊してきたこと。 5万年前の巨人コリエルの謎も明かされるが、コリエルはガニメアンではなく、体の大きいルナリアンだったようだ。

Posted byブクログ

2021/12/25

三部作の最後を飾る大団円。展開が速くて登場人物が多いので振り落とされそうになるけど、今読んでも古さを感じさせない。究極のメタバースを使った恒星間の駆け引きが息をつかせない。 これまで曖昧な部分があるのではないかと感じていた疑問が全て答えられるところも素晴らしい。 第一作目の驚きと...

三部作の最後を飾る大団円。展開が速くて登場人物が多いので振り落とされそうになるけど、今読んでも古さを感じさせない。究極のメタバースを使った恒星間の駆け引きが息をつかせない。 これまで曖昧な部分があるのではないかと感じていた疑問が全て答えられるところも素晴らしい。 第一作目の驚きと少し曖昧な部分も残すものの衝撃的な謎解きは比較的限られた人たちの間での議論が静謐な情景と(ガニメデの光景がその印象を強くしているのかもしれない)相まって謎めいた印象を残していたように感じる。第二作目はガニメアンたちの登場で世界の地平が実際に広がっていくオープンな感覚を抱いた。この第三作目はさらにダイナミックに世界が広がるものの一方で(広い意味での)人間たちの心の中の浅ましさや邪さが表に現れてきて、その愚かさが結局のところ円環のように続いていくように感じた。

Posted byブクログ

2021/11/09

「星を継ぐもの」からのジャイアンツスター三部作完結編。  テューリアンと呼ばれるガニメアンの子孫たちとの遭遇。  第三の勢力の登場。地球人類とはまた別の人類集団の存在。すなわち、かつてのミネルバを2分して対立した一方の勢力、ランビアンの子孫であり、今は惑星ジェヴレンに住むジェヴレ...

「星を継ぐもの」からのジャイアンツスター三部作完結編。  テューリアンと呼ばれるガニメアンの子孫たちとの遭遇。  第三の勢力の登場。地球人類とはまた別の人類集団の存在。すなわち、かつてのミネルバを2分して対立した一方の勢力、ランビアンの子孫であり、今は惑星ジェヴレンに住むジェヴレン人  ジェヴレン人は、同じ人類として長らく地球の監視にあたり、ミネルバ崩壊後に太陽系に残留したもう一方の勢力、セリオスのその後の様子をテューリアンに報告していた。  人類の起源にまで繰り広げられる展開に目が離せない。まさに、古典の名作にふさわしいシリーズ。  何回も再読したい。

Posted byブクログ