星を継ぐもの の商品レビュー
<感想>いわゆるSFと考えて読むと肩透かしを食う。気宇壮大なテーマなのだが、淡々と謎を解明していく過程を追っていく話なので、そういう意味では極めて科学的ともいえる。「星を継ぐもの」という邦題、表紙から受ける印象が内容とギャップを感じさせることも、あれっと思わせる一因かもしれない。...
<感想>いわゆるSFと考えて読むと肩透かしを食う。気宇壮大なテーマなのだが、淡々と謎を解明していく過程を追っていく話なので、そういう意味では極めて科学的ともいえる。「星を継ぐもの」という邦題、表紙から受ける印象が内容とギャップを感じさせることも、あれっと思わせる一因かもしれない。決して否定的な意味ではない。ただ、SFという枠を忘れて、単に一小説として読むと、話の展開、人物描写など淡々としすぎて物足らない印象は残る。回答がまずあり、そこへ至る筋書きを組み立てただけのような物足らなさが。
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いまさらだけど読みました、時代を感じさせないどころか技術的描写がイマに近いのが驚き、題材が好みなので続編を即購入!
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今から30年ほど前に書かれたSF。最近何かと紹介されているのが目に付いていたので、気になって読み始めました。 月面に人が進出し、木星まで有人探査ができるようになった時代に、月面で宇宙服を着た死体が発見される。しかし、「彼」はなんと5万年前に死亡していた!「彼」は一体何者なのか。 その謎を追いかけていくうちに、「彼」の存在の謎だけではなく、月の謎、そして人類そのものの謎にも、迫っていくことになる。。。 というなんとも壮大なスケールの話でした。 久しぶりにSFを読みましたが、この物語みたいに(未来の)科学技術を軽やかに、楽しげに書く物って意外と少なかったので新鮮でした。 私自身が理系であることも影響するのかもしれませんが、こう、ピースが当てはまっていく場面はわくわくして読めました。 「星を継ぐもの」というタイトルが最後の最後でぴたりときて、いい。
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いやー、SFって普段読む気がしないんだけども、これは面白い。 1980年に書かれたとは思えないリアリティ。 多くの謎が積み重なりそれが一気に解決される気持のよさ。 爽快でした。 ひとつ難癖をつけると、この結末だと有色人種の存在理由が証明できないのでは?
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まるでミステリー小説のように謎がたて続けにたたみかけられ、自分も謎解きに夢中になってしまうところが、この小説に引き込まれる理由だと思う。僕は半ばくらいでやっと結末の最後の謎解きの予想がついたが、そこからはそれが正解かどうか確かめたくて最後まで一気に読んだ。 作者は天体や生態、テク...
まるでミステリー小説のように謎がたて続けにたたみかけられ、自分も謎解きに夢中になってしまうところが、この小説に引き込まれる理由だと思う。僕は半ばくらいでやっと結末の最後の謎解きの予想がついたが、そこからはそれが正解かどうか確かめたくて最後まで一気に読んだ。 作者は天体や生態、テクノロジーというものを通して謎かけをしてくるので、その上での一種の思考実験をすることになる。そこがSFのSFたるゆえんであり、読者はいかにもSF的な楽しみ方ができる。多分、ホーガン自身がそれを楽しんでいるのだと思う。 一方、そういう耽溺のためにはどうしても文学的美しさはあえて排除するしかないという側面もある。つまりバラード的きらびやかさも、ハインライン的ロマンスも求めることはできない。 それでもSF耽溺者は月の上から見える焼きただれる惑星や、丘のうえで雄叫びを上げる宇宙服の男を幻視して心を震わすことができるのだから、これでよいのだ。
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まさにハードSF!1つの謎を発端に仮説が仮説を呼ぶ道のりにはミステリ要素も。 プロローグで語られるエピソードが本編に重みとロマンとを与えている。 結末までしっかりと語られていて読み応えあり。プロローグでは若干のミスリードも。 MVP:チャーリー
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SFを読みなれていないので読み進めるのに苦労。でも判らないなりに読み飛ばさないで良かった。ラストの、あまりにも壮大でロマンティックな結末が嬉しい。SF好きじゃない人にも思わず勧めたくなるのがわかる、読後感の良い小説。
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最近話題になっている本。偶然父親の本棚にあったので読んでみた。内容は間違いなくSF。それもかなり面白い。SFに慣れていない人にとっては、物語の序盤はSF独特の雰囲気と難解なSF固有の単語、そして長い外人名という三大SF倦厭要素?で苦しめられること間違いなしだが、我慢して読み進め...
最近話題になっている本。偶然父親の本棚にあったので読んでみた。内容は間違いなくSF。それもかなり面白い。SFに慣れていない人にとっては、物語の序盤はSF独特の雰囲気と難解なSF固有の単語、そして長い外人名という三大SF倦厭要素?で苦しめられること間違いなしだが、我慢して読み進める価値はある本だと感じた。 主人公は一人の天才科学者で、スターウォーズのように派手な戦闘はなく、物語は彼の研究生活が軸になる。次々と発見される事実に対して、考察、検証を重ね、一つの仮説を導いていく。これらの過程はまさに現代の研究者そのものであり、少しでも理系の気がある人なら、読みながら興奮を覚えていくだろう。 科学者同士のいがみ合いや、辺境の地における小さくも熱い友情。徐々に真実へ近づいていく緊張感と、科学者ならではの失敗。SFといってもワープなどはなく、近未来SFといった設定で、エアカーなる乗り物は出てくるが、飛ぶ車だと思えばいい。 プロットはかなり練られているようで、今も尚未解決な問題に対する理由付けを一応行うことで、物語に厚みを増している。その上で、物語の最後には衝撃の展開が待っている。 これほど熱いSFはあまり無いのではないだろうか。逆に、ここまでしなければSFを書くことは難しいのだと感じた一冊だった。
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月面で発見された5万年前の死体…という冒頭の謎だけでワクワクしてしまいます。 本書はSF小説の傑作ではあるものの、調査、発見、推理の地道な繰り返しは、本格ミステリーにも通じていると思います。 主人公が一同を集めて推理を披露する様などまさに推理小説。 一段落、と思ったところへ、さらに推理が続く2段オチの構成に大興奮しました。 とにかく壮大な謎と真相。 おもわず宇宙の彼方へ思いを馳せたくなる名作です。
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会社に入ってビジネス本以外の本を読む機会は非常に少なくなってしまったが、次から次へ謎を呼び、一見関連のなさそうな事象を統合してどう解釈していくか、という思考プロセスが非常に面白かった。よくストーリーができています。
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