星を継ぐもの の商品レビュー
2、3年前に買ったままずっと積んでいたのだけど、ようやく読めた。 いや~、評判にたがわず面白かった。 基本的に、宇宙考古学というか、月面で発見された5万年前の人間の死体がいったいなんなのかを、生物学者、言語学者(謎の文字で書かれた手帳が発見されたから)等々、たくさんの専門家たちが...
2、3年前に買ったままずっと積んでいたのだけど、ようやく読めた。 いや~、評判にたがわず面白かった。 基本的に、宇宙考古学というか、月面で発見された5万年前の人間の死体がいったいなんなのかを、生物学者、言語学者(謎の文字で書かれた手帳が発見されたから)等々、たくさんの専門家たちがチームを組んで少しずつ解明していく様を克明に描いたもの。その克明ぶりがとにかくすごい。謎そのものも、解明の手順も、ちょっとしたひらめきのあり方も、すべてがリアルで心をつかまれる。だから、敵が襲ってきてドンパチやったり宇宙船が遭難したりというクライシスは起こらないのに、ずっとわくわくしながら読んだ。 人間模様とか主人公の悩みとか、そういう余計なものが一切なくて、純粋に謎を解明したいという好奇心、ルーツを探りたいという探究心ですべてが成り立っているという、この上なく純粋なSF。常に人気投票の上位を占めるのも納得だった。主人公ハントの、めっちゃ発想が豊かでフットワークも軽く、でも部下にどんどん仕事を振って、自分の気づかなかった提案もしっかり受けとめるという最高級のリーダーぶりもいいよね。惚れる。 あと、『星を継ぐもの』っていうタイトルがかっこいい。原題はInherit the Starsだから、かなり忠実に訳しているけど、ひとつまみの詩情が加わっている。すてき。
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15ページで断念 完全に無理なタイプでした… 用語、情景が一切入ってこず想像を膨らまずに足るとこまで息つかなかった感じでダラダラと活字の集まりが蠢いていたようでした。
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科学から得た事実をもとに、事象を空想を張り巡らせる。壮大なSF。今ある事実だけを、当たり前のようにみるのではなく、こうやって違う仮説を立てるのは大事だ。一方で、地球と対の星が破滅したことにより、現代に警笛を鳴らしている。破滅か共生か。
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人類の技術が進み、宇宙開発が進んでいる世界っていうのがもうワクワク。そして月面調査で深紅の宇宙服を纏った死体が見つかり、それを巡るお話。陰謀とかそういうのはなくてただ純粋にルナリアンとガニメアンの文化や進化の説明と機会のあれこれが書かれている。とても面白かったです。巨人シリーズが...
人類の技術が進み、宇宙開発が進んでいる世界っていうのがもうワクワク。そして月面調査で深紅の宇宙服を纏った死体が見つかり、それを巡るお話。陰謀とかそういうのはなくてただ純粋にルナリアンとガニメアンの文化や進化の説明と機会のあれこれが書かれている。とても面白かったです。巨人シリーズがあるそうなのでそれも読んでみたいです
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私はSF小説をほとんど読んだことがありません。本作が初めてじゃないかと思われるほど全く読んでいないか、久しく読んでいません。 著者のジェイムズ・P・ホーガンの名も知りませんし、SF小説の大家が誰なのかも知りません。 ではなぜこの本を手に取ったかというと、そのプロローグがあまりSFらしからぬ内容だったからです。 何か大変な出来事に直面した一人の男、彼は意識がもうろうとする中で屈強な仲間と再会する。 二人はどこかの惑星におり、しっかりとした宇宙服を身に着けているが、頼りにする基地へは長い道のりを歩かねばならない。 そのうち意識もうろうとしていた男はやがて体力の限界を迎え、それ以上歩けなくなってしまう。 もう一人の屈強の男は、もうこれが永遠の別れになることを感じ取りながらも言葉の上では再開を約し、一人基地への道のりを行く。 このSFらしからぬ描写に興味を覚え、本書を手に取った次第。 それ以降の流れは背表紙通り、先の描写で一人残された男はやがて静かに息絶え、その5万年後に地球人によって月面で発見される。 原子物理学者で仕事のできる男、ヴィクター・ハントは、この5万年前の男(通称チャーリー)と、彼らの文明(ルナリアン)に関する調査に参画する。 筆まめだったチャーリーは多くの手記を残していたが、その解読が進むにつれ、彼が生まれた惑星と月との間には隔絶の距離があることがわかり、また彼の手記と実際との間には多くの矛盾点が認められることで、いやがおうにも謎が深まっていく。 そのさなか、木星の衛星ガニメデで巨大な宇宙船が発見される。そこにはルナリアンよりさらに古く、かつさらに発達した生命体、ガニメアンの遺物が発見され・・・。 と、徐々に徐々に盛り上がってくるストーリーにどんどん没入していきます。 ガニメアンについての言及は不完全燃焼感があるのは、どうもガニメアンをテーマにした続編が発表されているからとのこと。 最終的にはハント博士によりルナリアンの謎に対して有力な解が提示されますが、ディスカバリーチャンネル至上主義者の私は「そりゃないのでは?」と野暮なことを考えてしまいました。反省します。 ただ、その内容には一定の現実味があり、またロマンもあります。 個人的にはこの作品の人間描写が気に入りました。 冒頭で紹介した死にゆくルナリアン、チャーリーはその手記の中で自分たちの境遇について数多く言及しています。 彼らが殺伐とした激しい戦争のさなかを生きたこと、自分たちの生きる母星は寿命が尽きつつあり、彼らの文明の終わりも徐々に近づいていること、激しい戦闘の末に母星の崩壊を目の当たりにしたこと、そして、歩く体力すら失われ、死にゆく中で記した最後の観想、、、チャーリーの視点から語られるこの切ないドラマは、SFというジャンルを超えてなかなか「読ませる」物語でした。 ラストでは、冒頭でチャーリーを残して一人基地へ向かった屈強な男について、それとなく言及されます。 表現が直接的なので、玄人の方が見たら残念がるかもしれませんが、私はこれくらいがちょうどよかったです。なんだか救われた感じがしましたね。 大変まじめで、ワクワクさせられる、とても面白い作品でした。
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素材、記号等様々な専門用語が出てきて難解な部分もあるが、もう一度読み直そうと思うほど奥が深い。まるでやり込み満載のゲームのようだ。しかし集中して読まないとすぐ内容に着いていけなくなる。 ストーリーは素晴らしい。続編も読みたいし、もう一度これも読み直そう。
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この作品から40年前経っているのに、月や宇宙、人間、地球の成り立ちは今なお、謎だらけ。 著者の科学的知見に基づく 驚異的な想像力は圧巻。 最も好きな本の一冊です。 本書にインスパイアされて、技術開発している科学者がいるのでは?そして今後実際に登場するのではないだろうか?
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月面で、「五万年前の死体」が見つかった。 次々集まる新事実!異論!反論!オブジェクション!世界の頭脳達がこぞって謎に挑む様はまさに百家争鳴。 鮮やかなラストも鳥肌物だが、男の浪漫をなるだけぶち込んだ登場人物達の熱過ぎる謎解きに大興奮!
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単なるSFではなく、謎解きの要素もあって面白かった。 「三体」の設定は、この本から少し取ったかな。 翻訳も素晴らしいのだと思う。 世界観が全く損なわれていない。 続編もいつか読んでみたいな。
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友人の影響もあって,昔のSFを読む機会が多い。大学生の頃,友人の下宿の隣りに住んでいた人がSF雑誌の編集者で,色々話は聞かされていたけれど,初めて読むものが多い。これもそのひとつ。昔のSFはヒューマニズムにあふれている気がする。
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