泳ぐのに、安全でも適切でもありません の商品レビュー
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私この本すごく好きだ。 いろんな女性のいろんな人生 お話の中に散りばめられる表現がいちいち好みだった。 「女は、いい男にダイエットをだいなしにされるためにダイエットをするのだ」なるほど、と思う。綺麗な状態で恋人にあい、美味しいものをたくさん食べてお腹を膨らまして、別れる。またダイエットの日々。 「私はバスという乗り物が好きだ。乗り合わせた人の生活や目的ー駅前で降りる人、病院で降りる人、商店街で降りる人ーが垣間見えるし、」そんなことは考えたことなかった。けれど言われてみればそうだなぁと思う。バスに乗って、乗車してる人がどこで降りるの見たくなってしまう。 自分とは違う存在しない架空の体験ができた気持ちだ。
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第15回山本周五郎賞受賞作品。 独立した10編の女性が主人公の恋愛短編小説で、それぞれ楽しめる。 各作品は好き嫌いが分かれるだろうが、江國香織の文章技術は素晴らしいと思わせる。余分な言葉を削って、必要最低限の言葉で、イメージを的確に結ばせる技術と、豊富な語彙力から適切な語彙に...
第15回山本周五郎賞受賞作品。 独立した10編の女性が主人公の恋愛短編小説で、それぞれ楽しめる。 各作品は好き嫌いが分かれるだろうが、江國香織の文章技術は素晴らしいと思わせる。余分な言葉を削って、必要最低限の言葉で、イメージを的確に結ばせる技術と、豊富な語彙力から適切な語彙による描写で、複雑なことも素晴らしい表現力で描写している。 10編の物語が様々な恋の形を描いていて恋も言うまでもなく多様なのだ。表題「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」はアメリカで見た看板だそうだが、恋愛にも当てはまると書いてある。恋愛するのに安全でも適切でもありませんということだろう。どの作品も面白く読み応えがある。
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実は読んだこと無かった うんとお腹をすかせてきてね と 愛しいひとが、もうすぐここにやってくる が好きかなあ 江國香織さんの作品に山田詠美さんが解説を書いているのは我得 あとがきと解説まで読んで欲しい
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短編 泳ぐのに、安全でも適切でもありません うんとお腹を好かせてきてね 5 クレソンで口を塞がれる。ワインが750mlな事は素晴らしい思いつきだと思う。 サマーブランケット 4.5 海辺の砂の家。嘘つき りんご追分 3 bar。目の窪んだ男の人。賑やか うしなう ジェー...
短編 泳ぐのに、安全でも適切でもありません うんとお腹を好かせてきてね 5 クレソンで口を塞がれる。ワインが750mlな事は素晴らしい思いつきだと思う。 サマーブランケット 4.5 海辺の砂の家。嘘つき りんご追分 3 bar。目の窪んだ男の人。賑やか うしなう ジェーン 3.5 ルームシェア。自由な振り 動物園 犬小屋 十日間の死 愛しいひとが、もうすぐここにやってくる 5 ミスグレイ。彼の思う私らしさ。白濁したパスティス
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愛も恋も若さも、ずっとそのままじゃいられない。 諸行無常を生きる女性たちの短編集。 ページをめくると、ぽつりぽつりと過去が滴ってくる。きっとこの本を読んだ他の誰かも、私とは違う過去に思いを馳せたのだろう。 主人公の女性たちのほとんどは、本能的で、愛の前ではとことん無力。それは...
愛も恋も若さも、ずっとそのままじゃいられない。 諸行無常を生きる女性たちの短編集。 ページをめくると、ぽつりぽつりと過去が滴ってくる。きっとこの本を読んだ他の誰かも、私とは違う過去に思いを馳せたのだろう。 主人公の女性たちのほとんどは、本能的で、愛の前ではとことん無力。それは自分とは違う生きものなのではと疑ってしまう程に。 ぴかぴか光る今も、そのうち傷がたくさんついて、手に入れた頃のようには光らなくなってしまう。それを劣化だと思うか、それとも経年変化だと思うかは、その時の自分の気持ちによって変化するものだから、恐がり過ぎたって仕方がないのかもしれない。ものはみな平等に変わっていく。たとえくい止められたとしても、残るのは以前のそれとは違うもの。 誰にも分かってもらわなくて良い。安全でも適切でもなくても、私しか知り得ない幸福だってある。
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タイトルと表紙がすごく気になって手に取った本。すごく心に刺さったりした訳ではないけど、持ち歩きたい一冊。 「サマーブランケット」と「りんご追分」が特に好き。「ここにきて、たいして時間はたっていないだろう。その短さを、知りたくはなかった」 「ジェーン」「結局のところ、すべてのカップ...
タイトルと表紙がすごく気になって手に取った本。すごく心に刺さったりした訳ではないけど、持ち歩きたい一冊。 「サマーブランケット」と「りんご追分」が特に好き。「ここにきて、たいして時間はたっていないだろう。その短さを、知りたくはなかった」 「ジェーン」「結局のところ、すべてのカップルがそうであるように、私たちにも私たちの特別があり、偶然と必然のねじれたかたちで存在するそれは、私と向坂さんがはからずも積み上げてしまった、二人だけにしかわからないモニュメントなのだった」 「十日間の死」「あたしはこの街で、教育でなく人生を手に入れてしまった」
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短編集。 刹那的ともいえる潔さとしたたかさを持つ愛に躊躇わない女の物語。 江國さんの文章のもつ取り繕わない女らしさを感じさせる雰囲気が好き。
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20年ぶりに再読。かつてほど心を惹かれなかった。 いろんな女の人がいて、いろんな恋愛のあり方があって、恋愛ってある意味賭けでとっても危険なものだなと思った。でも、だからこそうっとりするような甘さがあるんだなと感じた。
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泳ぐのに、安全でも適切でもありません p17それは、むしろ安堵に近い感情だった。何かを恐れているより、恐れていることが起きてしまう方が、すくなくとも安全な状態ではないか。 うしなう p107結局のところ、私たちはみんな喪失の過程を生きているのだ。貪欲に得ては、次々にうしなう。
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岡崎京子の漫画が好きな人は、この本が好きだと思う。 評価が別れるのはとてもわかる。 私は好みだった。 生命力と虚無感がせめぎ合うこの小説が好きだ。
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