隣りの女 の商品レビュー
本書には短編5編が収…
本書には短編5編が収録されています。表題作「隣りの女」は随分以前に、桃井かおり&浅丘ルリコでドラマ化されたようです。隠しておきたい人間の嫌な部分、暗い部分、いやらしい部分、弱い部分を描くのがうまい向田氏ですが、この短編集はまさにそういった向田氏の味がよく出ている作品だと思います。...
本書には短編5編が収録されています。表題作「隣りの女」は随分以前に、桃井かおり&浅丘ルリコでドラマ化されたようです。隠しておきたい人間の嫌な部分、暗い部分、いやらしい部分、弱い部分を描くのがうまい向田氏ですが、この短編集はまさにそういった向田氏の味がよく出ている作品だと思います。どうしようもない人間をいとおしいと思わせるのが本当に上手です。大人の人に読んで欲しい一冊です。
文庫OFF
昭和の高度成長期も一段落しバブル期になる前の当時の状況がリアル。中流階級の家庭の様子や、生活費が苦しい主婦の内職、若い女子社員の当然のお茶汲みに30歳が見える様になるとハイミスと言われるような社会、愛人や隠し子と言った言葉が普通に登場する事に昭和生まれの自分を棚に上げてもなお苦笑...
昭和の高度成長期も一段落しバブル期になる前の当時の状況がリアル。中流階級の家庭の様子や、生活費が苦しい主婦の内職、若い女子社員の当然のお茶汲みに30歳が見える様になるとハイミスと言われるような社会、愛人や隠し子と言った言葉が普通に登場する事に昭和生まれの自分を棚に上げてもなお苦笑。でも当時はこれが『今』だったのだし、放映されていたドラマはこう言う暗い影の部分を題材にしたものがたくさんあったと思う。 しかし、心の微妙な表現や移り変わり、人間の感情の機微といったような表現はやっぱり流石で、心にずんと重いものが残る読後感に向田邦子さんの凄さを感じる。 向田さんの本を読んだ後には必ず思うことですが、あのような事故がなければ、向田さんが今をどんな風に描くのだろうとつくづく残念に思わずにいられない。
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夏に京都の下鴨神社で開催された古本市でゲットした本。 意識して、手に取って読んだ向田邦子さんの作品はこれが初めてです。 時代背景はザ・昭和。普通の人の日常の短編集。面白かったです。
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愛人や腹違い子の話が普通にでてくるのって、やっぱり昭和だなぁ。 最後の話がよかった。うちもちょっと家の中きれいにしよう・・・。
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自分で意識して手に取った「向田邦子」作品はこれが初めてだ。昔何かで「だらだら坂」は読んだことがあったが、国語の教科書では何作か触れたからか、私にとってはエッセイストとしての印象が強かった。いつか小説も読まなければと思いつつ何となくずるずると過ぎていたが、先日別の本のついでに併せて...
自分で意識して手に取った「向田邦子」作品はこれが初めてだ。昔何かで「だらだら坂」は読んだことがあったが、国語の教科書では何作か触れたからか、私にとってはエッセイストとしての印象が強かった。いつか小説も読まなければと思いつつ何となくずるずると過ぎていたが、先日別の本のついでに併せて購入。 5篇からなる短編集。どの作品も昭和の空気が色濃い。登場人物の生活風景は今と異なっているが、彼らの心理は今でも納得できる部分が多い。中には毒を含んだものもあったのだが、どれも読んでいて胸が重くなるようなことはなかったのが不思議だ。どの作品も「ごく普通の人々」が主人公で、何でもない人にもそれぞれドラマを抱えているのだというのを改めて感じさせてくれた。 中で一番よかったのは「春が来た」。あの結末なのに、いい意味での諦念が漂い、悲愴感がなかったのが印象的。
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図書館で借りて読みました。 古い本ならではの香りがしました。 それさえも、作品の一部のように感じました。
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向田さんの絶筆となった「春が来た」最後の作品と思って読むと、不思議とそれに相応しく思えてくる。直子の大きな声での、さようなら、これが向田さんの最後の挨拶のようで。幸福をもたらし離れていく風見は、色々なものに例えられそうだ。
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ドラマにもなった胡桃の部屋が入っている短編集。表題の「隣の女」が特にいい。結婚ってこういうものか、と。
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甘く、苦い。 甘いばかりでなく苦い。 苦いばかりでなく甘い。 そんな心があります。 愛って難しいですよね。 切なさの残る一冊です。 短編集なので、色々な話を楽しめます。
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表題作の『隣りの女』。 この文庫の初版は1984年。 時代は変わっていると思うけれど、作中の場面設定をちょこちょこ現代に置き換えるだけで、 今でも十分起こり得るような内容なのかもしれないと思いました。 人間って四半世紀やそこらじゃ大きく変わらないのかもしれないです。 『胡桃の部...
表題作の『隣りの女』。 この文庫の初版は1984年。 時代は変わっていると思うけれど、作中の場面設定をちょこちょこ現代に置き換えるだけで、 今でも十分起こり得るような内容なのかもしれないと思いました。 人間って四半世紀やそこらじゃ大きく変わらないのかもしれないです。 『胡桃の部屋』は、「女としての本当の気持ちを封じ込め、身も心も固く鎧ってすごした」主人公桃子のお話。「女だてらに父親気取りで、部隊長みたいな顔をして、号令かけて-」「うちのため、母や妹弟のため」「着たいものも着ず、恋も諦めて」頑張ってきたのに、家族は・・・。 この桃子ほどではなくても、 責任感持って頑張らなきゃ、頼りにされてるから期待を裏切れない。 とひとり思いこんで頑張ってしまっていたことを思い出しました。 桃子の先のことは描かれていませんが、頼れる相手を見つけて穏やかに過ごしてほしいと願わずにはいられません。
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