僧正殺人事件 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
うーむ。ザ・古典。 久し振りに翻訳ものを読んだ。一見無駄に思える会話がお洒落。最後まで真相を明かさず、読者を引き付けるテクニックはさすが巨匠!
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最後の最後までどんでん返しがあって面白かった。 病気を逆手にとるってのは一体誰が最初に考えたのだろう。。
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巻頭の紹介文には「本書を読まずして推理小説を語ることはできないといっても過言ではない。」とある。まさに古典。そもヴァン・ダインといえば、本格ミステリ界隈では知らぬ者はない。有名な「ヴァン・ダインの二十則」の提唱者であり、他作品のなかで言及されることも何かと多い。中でも『僧正殺人事...
巻頭の紹介文には「本書を読まずして推理小説を語ることはできないといっても過言ではない。」とある。まさに古典。そもヴァン・ダインといえば、本格ミステリ界隈では知らぬ者はない。有名な「ヴァン・ダインの二十則」の提唱者であり、他作品のなかで言及されることも何かと多い。中でも『僧正殺人事件』は彼の最高傑作とされる。 ……それだけに、ちょっと期待しすぎてしまったような。 『グリーン家殺人事件』に続いて二冊目の読了である。シリーズの勝手がだんだん分かってきた。ヴァンスのキャラクターは嫌いではないのだが、肝心の推理においてロジックより心理分析に重きを置く傾向があるため読後にどこか釈然としない感じが残る。そして衒学趣味バンザイ。 無邪気な童謡と不気味な殺人という鬼気迫る取り合わせ!であるが、はっきり言って、現代の読者の視点から見るとさして目新しいところはないと思う。童謡殺人の嚆矢の一つである本作。やはりその先駆性に価値があったということだろう。 とはいえ物語としてはそれなりに読ませる作品だ。終盤の畳み掛けるような展開やラストの落とし方(いいのか、あれ?)などはさすが。まあ、古典として押さえておいて損はないだろう。 本筋とはあまり関係ないけれど、数学やら物理やらが好きなので、おなじみのペダントリについてはより一層楽しめた。教科書で読んだばかりのリーマン・クリストフェルのテンソルがばーんと出てきちゃうくだり、読みながらにやにやしてしまった。
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僧正殺人事件読了。なんというか救いようのない陰鬱な話でした。二転三転する返しは魅力的でしたが、結局のところヴァンスの「全部自分で決めちゃう」振る舞いって、典型的な天才探偵のイメージきわまるなあ。
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今さら初めて読んでみたヴァン・ダイン。 他のミステリーを読んでいると、その名がやたら出てくる巨匠。 この作品が一冊目として相応しいのかは判断しかねるが、教養溢れる探偵ほか登場人物達の会話の格調の高さは、古典的名作ならではの魅力を感じた。 歯切れ良く全てのパーツがはまっていくよ...
今さら初めて読んでみたヴァン・ダイン。 他のミステリーを読んでいると、その名がやたら出てくる巨匠。 この作品が一冊目として相応しいのかは判断しかねるが、教養溢れる探偵ほか登場人物達の会話の格調の高さは、古典的名作ならではの魅力を感じた。 歯切れ良く全てのパーツがはまっていくような感じでなく、探偵の立ち回りを語り部と共にヤキモキ見守るようなじれったい感じが少々あった 。 最近のミステリーに比べ、一見冗長なやりとりに散りばめられた緻密な企みを味わい尽くすまで付き合うつもりがどの程度持てるか。そこで評価がわかれるのかもしれない。 特に、数学や物理の好き嫌いで、印象が大きく違うだろう。 犯人探しよりもその過程を楽しむ世界。読み進むほど、確実にどんどん面白くなった。何度も再読しないと、本当の魅力が分かっていないかも。
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これが1959年に発行されたものだということを読み終わってから知り、衝撃を受けるとともにミステリの奥深さを改めて感じた。今から半世紀も経つのに未だ衰えない新しさがここにあると言える。ホワイダニットは完全に蚊帳の外でとことんフーダニットってのも面白い。でも謎解きにはちょっと納得のい...
これが1959年に発行されたものだということを読み終わってから知り、衝撃を受けるとともにミステリの奥深さを改めて感じた。今から半世紀も経つのに未だ衰えない新しさがここにあると言える。ホワイダニットは完全に蚊帳の外でとことんフーダニットってのも面白い。でも謎解きにはちょっと納得のいかなかった部分もある。皆がちょっとずつ何か隠しててアリバイ微妙みたいな感じだったから、それを崩すのに従事してたのが所以かも。マザーグースの子守唄に沿ってって所とか超そそられたんだけど、思ってるのとは違う展開で見立て殺人って訳じゃないし・・。うーんです。
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グレート・ミステリーズ 宇野利泰訳で拝読しました。 海外小説の中ではかなり読みやすい部類に入ると思います。 ファイロ・ヴァンスと御手洗潔は、似ているのではないかという印象を受けました。 よって、御手洗好きの私が好印象を抱かないはずがありません。 初めて、ヴァンスシリーズを読んだの...
グレート・ミステリーズ 宇野利泰訳で拝読しました。 海外小説の中ではかなり読みやすい部類に入ると思います。 ファイロ・ヴァンスと御手洗潔は、似ているのではないかという印象を受けました。 よって、御手洗好きの私が好印象を抱かないはずがありません。 初めて、ヴァンスシリーズを読んだのですが、とても面白く他の作品も読んでみたくなりました。 数学、天文に興味をそそられる素敵な作品と訳です。
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まさかこんなところでどんでん返しに出会えるとは! ラスト、こういう感情的な探偵って嫌いじゃないと思った。
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もう一つの代表作「グリーン家殺人事件」より楽しめた。 終盤の一同集めての、手に汗握る会話劇は、趣向が凝らされていて面白い。 しかし論理に置いてはグリーン家より一歩譲り「推理ショー」を見せられている感じがする。 それでも時代を考えれば、よく出来た作品だと思う。 ヴァンダイン物では一...
もう一つの代表作「グリーン家殺人事件」より楽しめた。 終盤の一同集めての、手に汗握る会話劇は、趣向が凝らされていて面白い。 しかし論理に置いてはグリーン家より一歩譲り「推理ショー」を見せられている感じがする。 それでも時代を考えれば、よく出来た作品だと思う。 ヴァンダイン物では一番の娯楽大作だろう。
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おひさしぶりです。久々の書き物なので緊張します。よろしくお願いします。 童謡殺人の金字塔はたぶん「そして誰もいなくなった」ですが、本書はそれと同じく童謡殺人の傑作です。 あらすじ ディラート教授の屋敷のアーチェリー練習場で、ロビン青年が、胸に矢を突き刺され殺されてい...
おひさしぶりです。久々の書き物なので緊張します。よろしくお願いします。 童謡殺人の金字塔はたぶん「そして誰もいなくなった」ですが、本書はそれと同じく童謡殺人の傑作です。 あらすじ ディラート教授の屋敷のアーチェリー練習場で、ロビン青年が、胸に矢を突き刺され殺されていた。その死に様はマザーグースの童謡と不気味に符合している。そんななか「僧正」なる怪人物から手紙が届く 女性には「クックロビン音頭」の元ネタですといえばわかるでしょうか。わかる人は僕と話があいますね。 トリックがどうのこうの言うよりも、数学と哲学とチェスの難しい理論がそこらじゅうを飛び交うミュージカルのような作品です。登場人物の動きを追うのにかなり頭を使いました。 もちろん傑作であるのに間違いありませんがタイトルの「僧正殺人事件」が少し気に入りません。 みなさん「僧正」って聞いてなんのことかわかりますかね? 僕は僧正と聞いて真っ先に思い浮かぶのはチベットのお坊さんです。しかも高位の。 ぜんぜん関係ないですからね。チベットのお坊さんは出ません。「僧正」とはチェスの駒のことです。ビショップのことで、僧正というより僧侶です。 じゃあビショップ殺人事件でいいじゃんと思います。原題も「THE BISHOP MURDER CASE」ですしね。 思うにヴァンダインの小説のタイトルはもっと考えてほしかったものが多いですね。 「カブト虫殺人事件」なんてのもあります。なんとこれはエジプトの話らしいです。われわれのよく知るカブト虫は話の中に一切登場しません。それなのにこんなタイトルになってしまったのには一応理由があります。まぁそれはカブト虫殺人事件のレビューを書くときにでも。といってもこの本絶版なので手に入りません。誰か持ってる人がいたら貸してください。 話がそれました。僧正はミステリの「知的」という部分をもっとも前に押し出した作品ではないでしょうか。まぁ単純にチェスが出てくるからそう思うだけなんですが。 (漢字帳)
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