僧正殺人事件 の商品レビュー
再読。童謡とチェスという道具立てが素晴らしいのは認めるが、全編に垂れ流される薀蓄が陳腐なこと、犯罪が孕む謎に魅力がないのは致命的。犯人の性格や異様な動機を暴くwhydunitの先駆としての意義は認める
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読むべきセリフと、飛ばしても良いセリフの区別がつきやすかったのでさらさらと読めた。犯人が最後までわからなかった(というか読み終えた今でもあまりしっくり来ていない)ので楽しめた。解決があっさりしすぎの上、強制終了のような感じになってしまっていたのでそれが残念…。冤罪の可能性って本当にないのだろうか…。まぁアーネッソンが犯人でなくて安心したが。 最後のは…古いミステリではよくあることだが、本人は気に病んでないようだし、かつその友達は咎めているようだしでモヤモヤした。あれが犯人確定の決め手にはなるか…?
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マザーグースの童謡になぞらえられて、次々と起こる殺人事件。古典ミステリの名作として、しばしば名前が挙げられる作品です。 読んでいて、最初は取っ付きづらいかなと感じましたが、中盤からは、一気に引き込まれていきました。とはいえ、所々に組み込まれているヴァンスの学術的講釈部分は、ちょっ...
マザーグースの童謡になぞらえられて、次々と起こる殺人事件。古典ミステリの名作として、しばしば名前が挙げられる作品です。 読んでいて、最初は取っ付きづらいかなと感じましたが、中盤からは、一気に引き込まれていきました。とはいえ、所々に組み込まれているヴァンスの学術的講釈部分は、ちょっと辛い部分もありました。 全般的な流れとしては、少しづつ情報や証拠を集めて事件解決ではなく、物語の終盤で一気に加速する感じでした。 結末は、人によって評価が分かれると思いますが、登場人物たちの職業・性格的な面から、理詰めで犯人を追い詰め、完璧な推理で犯人が自白という流れでも、個人的にはよかったのではないかと思います。
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楽しかった。極上のミステリーはいかに話がめんどくさくても楽しいのだと再確認。いや、話はめんどくさくないんだけど、ヴァンスの世間話が難解すぎて。世間話だから理解する必要ないんだけど。見立て殺人の古典なんで、トリックは別にって感じ。それでも緊張感の溢れる殺人事件の連続と、その順当な結...
楽しかった。極上のミステリーはいかに話がめんどくさくても楽しいのだと再確認。いや、話はめんどくさくないんだけど、ヴァンスの世間話が難解すぎて。世間話だから理解する必要ないんだけど。見立て殺人の古典なんで、トリックは別にって感じ。それでも緊張感の溢れる殺人事件の連続と、その順当な結果としての容疑者の減少の中でのラストのどんでん返し。見事なプロット。ヴァン・ダインは恥ずかしながら初読だったが、十分に楽しめた。
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また、世界の傑作と言われる一冊を読み終えてしまいました。 「グリーン家殺人事件」の直後でしたので、作風が?犯人が? あまたの心配事ありましたが、さすが名だたるヴァン・ダイン 楽しめた本でした。
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今月の5冊目。今年の105冊目。 初ヴァンダイン。古典として、勉強しながら読んでいきました。海外もの古典は、心理分析が多い。やはりそれがひっかかる。個人的には、犯罪の数だけ犯人がいるとすると、心理分析で犯人像を絞っていくことはできても、その事件が解決できるかどうかとは関係ないよ...
今月の5冊目。今年の105冊目。 初ヴァンダイン。古典として、勉強しながら読んでいきました。海外もの古典は、心理分析が多い。やはりそれがひっかかる。個人的には、犯罪の数だけ犯人がいるとすると、心理分析で犯人像を絞っていくことはできても、その事件が解決できるかどうかとは関係ないような気がしないでもない。また、冒頭からかなり、悪魔的事件であることが強調されているが、そこも微妙だった。
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再読。 マザーグース見立て殺人の先駆的作品。 童謡の歌詞のとおりに連続殺人が行われ、ヴァンスをはじめとする捜査陣は振り回される。 次々と事件が起き、登場人物がみな何かを隠しているようで怪しさ満載なので、ヴァンスが蘊蓄を炸裂させてもテンポよく読み進むことができた。犯人の深謀遠慮とい...
再読。 マザーグース見立て殺人の先駆的作品。 童謡の歌詞のとおりに連続殺人が行われ、ヴァンスをはじめとする捜査陣は振り回される。 次々と事件が起き、登場人物がみな何かを隠しているようで怪しさ満載なので、ヴァンスが蘊蓄を炸裂させてもテンポよく読み進むことができた。犯人の深謀遠慮といい、書かれた時代を考えればたしかに傑作だと思う。 しかし再読して思ったことは、犯行の稀有壮大さに比べて犯人の動機が意外にショボかった。そのあたりの整合性は『グリーン家〜』の方が上かもしれない。
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古典ミステリの傑作と評される本作。ヴァン・ダイン4作目の作品である。 「見立て殺人」は決して珍しい殺人の類型ではなくなったが、だからこそ、本作品の「見立て殺人」のプロットがミステリに貢献した度合も分るものではないだろうか。 トリックで驚かされる類の作品ではない。前述の通り...
古典ミステリの傑作と評される本作。ヴァン・ダイン4作目の作品である。 「見立て殺人」は決して珍しい殺人の類型ではなくなったが、だからこそ、本作品の「見立て殺人」のプロットがミステリに貢献した度合も分るものではないだろうか。 トリックで驚かされる類の作品ではない。前述の通り、プロットが秀逸である作品なのである。一作目「ベンスン殺人事件」で顕著であったように思われた(緻密な論理立てとも言えるだろうが、俗な見方をすれば)冗長すぎるきらいがあったことは否めない。しかし、本作品は、殺人が立て続けに起こるものだから、飽きさせない(無論、前提条件にテンポがいいからというのがある)。
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小学6年の時、この一冊に出会わなかったら僕はここまでのミステリ・マニアにはならなかっただろう。もちろんポプラ社のルパン・シリーズや、少年探偵団は読んでいたが、本当に大人向けの推理小説を読んだのは「僧正殺人事件」が初めてだった。マザーグースを使った見たて殺人ものだが、ドアの外に僧正...
小学6年の時、この一冊に出会わなかったら僕はここまでのミステリ・マニアにはならなかっただろう。もちろんポプラ社のルパン・シリーズや、少年探偵団は読んでいたが、本当に大人向けの推理小説を読んだのは「僧正殺人事件」が初めてだった。マザーグースを使った見たて殺人ものだが、ドアの外に僧正がおかれているのが子供にとっては恐ろしく、寝る前に自分の部屋のドアを何度も確認したものだった。薀蓄を語るシーンが多く、今の読者にはテンポが遅いのかもしれないが、堂々とした風格を備えた王道の推理小説。黄金期の薫りを味わって見るのも悪くないと思う。
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かの江戸川乱歩が絶賛されたというこの本。 推理小説が好きな人ならこの本を読んだことがあるというようなこの本。 ついに読みました~。 結論から言うと、んーー。そんなに絶賛されるほどのものかな~?って思った。(苦笑) 今の時代、もっとすごい内容のミステリがいっぱい出てきてるからね~。 でも、昔はそりゃ~センセーショナルな内容に見えたのかも。 マザーグースに絡んだ殺人事件でこれは珍しい。 でも、私は東野さんの『白馬山荘殺人事件』を先に読んでしまったので、それほど感銘は受けなかった。 事件の背景や構成はすごいと思うけど、最後ヴァンスがグラスをすり返して教授を殺したり、「悲惨だ、悲惨だ」って言われたわりに「何がそんなに悲惨なのか?」ハッキリしてなくて、殺され方の描写もイマイチはっきりしてないのがちょっと気に障ったわ~。 なんか、思ったよりあっさりした内容で期待はずれでした。
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