泥流地帯 の商品レビュー
北の大地に突如降りか…
北の大地に突如降りかかる災害。土と闘う、開拓の人々の魂を描いた名作と思う。
文庫OFF
苦難と忍従の北海道開…
苦難と忍従の北海道開拓期を作者独自の視点でとらえています。主人公の兄弟たちに救いあれ、と柄にもなく祈ってしまいました。
文庫OFF
読後、「なんてこった!」と神の仕打ちにしばらく放心してしまった。 親の不在や貧しい暮らしでも、人格者の祖父母に育てられた拓一と耕作の、性格対比にも取れる心の成長を見守るように読みました。 いろんな人間がいろんな思いで生きていることを登場人物たちの言動から、立ち止まって考えるきっ...
読後、「なんてこった!」と神の仕打ちにしばらく放心してしまった。 親の不在や貧しい暮らしでも、人格者の祖父母に育てられた拓一と耕作の、性格対比にも取れる心の成長を見守るように読みました。 いろんな人間がいろんな思いで生きていることを登場人物たちの言動から、立ち止まって考えるきっかけにもなります。 それにしても、耕作は真面目で頭のいい、良い子なんだけど恋愛に関しては、どうも野暮天。告白されて動揺するシーンはちょっと笑いました。 働き手となる馬の青が、家族同然に扱われているとわかるシーンでは涙を誘います。 働き者で善人で誠実に生きている者へ容赦ない試練が襲いかかる運命に、神様はあんまりだと思ってしまう。これじゃヨブ記じゃないか!と思って、はっと我に帰る。あーそう言うことか!と。 後半は外出先で読まないことをおすすめします。 泣いちゃうかもだから! 続編があるので、その後の人生がどうなるのかを気にかけながら読みます。
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あらすじでは災害をフィーチャーしているが、実はそれが起こるのは終盤も終盤で、それまではひたすら北海道の開墾者のつつましく厳しい生活を描いている。そのため、かろうじて積み上げてきた生活の基盤がすべて呑み込まれてしまう虚しさ、悔しさ、無力感を、読者も幾許なりとも我がことのように感じら...
あらすじでは災害をフィーチャーしているが、実はそれが起こるのは終盤も終盤で、それまではひたすら北海道の開墾者のつつましく厳しい生活を描いている。そのため、かろうじて積み上げてきた生活の基盤がすべて呑み込まれてしまう虚しさ、悔しさ、無力感を、読者も幾許なりとも我がことのように感じられる。
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さすがだ。面白い 何も事件が起きていないほぼ8割の部分でも考えさせられる事があったりで、スラスラ読めるのに深くて面白い。最後の最後に事件は起きるが、これは次に続くきっかけみたいなものかも。山津波については本当にあったことのよう。
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上富良野で祖父母と暮らす耕作と兄拓一を主人公に、一生懸命に働いても豊かにならない小作農の暮らしや、貧乏ゆえに家族と離れて働いたり売られたりする女性たちを描く。最後には山津波で耕作は祖父母と姉妹と教え子を失い、その一帯の人々のほとんどが犠牲になるという救いのない話には見えるけれど、それを正しく生きる者に与えられた神の試練として描こうとしていると思われる、が、今のところはともかく救われないところで終わっているので、続編でその伏線が回収されるのではないかと思われる。中学に一番で入れるだけの成績を持ちながら結局家族のために進学を諦めた耕作は、自分は自分のことしか考えていないとよく反省しているけれど、他の人の利他的なところを素直に偉いと認めて、偉いなあと言えるのは偉いと思う。耕作の良き先生ぶりが良くて、導入で生徒を笑わせられたら、そこで生徒は心を開いてくれる、って授業作りで大事なところだと思う。それで綴り方を嫌がる生徒たちに、詩なら書けそうだと思わせて詩を書かせ、楽しく短評を書いているシーンがとてもよかった。そこで心を通わせた坂森五郎君が先生を訪ねてきたために山津波で亡くなるのとか、悲惨すぎるけど…
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なぜ真面目な者が災いや不幸に見舞われ、不真面目な者が助かるのか?因果応報は正しいのか? 仏教的な観点で言えば、徳を積めば良い結果が返ってくる。だから善い人は必ず報われる。 しかしキリスト教的な観点で言えば、善い人、正しい者にこそ災いや試練が降りかかる。とすると、真面目に生きることは無意味なのか? この運命の矛盾への問いかけが、一冊を通して深く描かれていた。続編に期待
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著者の作品の魅力に惹かれて「塩狩峠」「氷点」「続・氷点」を読んでからこの作品を手に取りました。 大正15年(1926年)5月24日に起きた北海道十勝岳大噴火とこの噴火によって大規模な融雪型火山泥流によって 大災害を基にして描かれた物語。 (多くの被害者が出て144人の死者、行...
著者の作品の魅力に惹かれて「塩狩峠」「氷点」「続・氷点」を読んでからこの作品を手に取りました。 大正15年(1926年)5月24日に起きた北海道十勝岳大噴火とこの噴火によって大規模な融雪型火山泥流によって 大災害を基にして描かれた物語。 (多くの被害者が出て144人の死者、行方不明者が出た。) 福島県から開拓のために北海道の上富良野の日進部部落に移住してきた石村家。 貧しくても両親がいなくても懸命に生きる耕作と拓一兄弟を中心にして描かれています。 どんなに貧乏で苦しくても、例えどんなに不誠実なことがあって、 自分自身ではどうにもならないことがあっても、 懸命に真面目に生きていく耕作と拓一の兄弟の様子に 心を奪われ、心を打たれるばかりです。 どんな不条理なことがあってもそれを陰ながらに心の支えになったり、 お手本にもなっている祖父の市三郎の存在も良かったです。 こんなお手本になるような身内の人がいたから、 この兄弟もしっかりと自分の志を持ちながら生きていけたのかとも思えました。 この兄弟が生きていく上でどんなに狡くて不誠実なことがあっても、 他人のせいにするのではなく、だからといって不真面目に生きるのではなく、 誰が見ていようがいないだろうかと構わずに「正しく生きる」 ということがしっかりと描かれているのが良かったです。 著者はクリスチャンということで作品の中でもキリスト教の 教えが時々出てくることがありますが、それが特に違和感なく、 普通に人が生きていくための教えだと思えてしまい、 むしろ現代人が忘れかけている大事なものを 教えてくれていると思いました。 この災害によって耕作兄弟は今後どうやって試練を 乗り越えていくのかというのが、続編となっているので、 またこの後も読みたいと思います。
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上富良野の市街から一里以上離れた部落に住む兄弟、拓一と耕作。貧しいながらも真面目に生きていたある日、すべてを飲み込む泥流が大切なものを奪っていく。 大正15年、北海道 十勝岳噴火。 正しい者がなぜ苦しむのか、人々の苦難とこれからを描いた物語。 災害被害にあい、生き延びた者、...
上富良野の市街から一里以上離れた部落に住む兄弟、拓一と耕作。貧しいながらも真面目に生きていたある日、すべてを飲み込む泥流が大切なものを奪っていく。 大正15年、北海道 十勝岳噴火。 正しい者がなぜ苦しむのか、人々の苦難とこれからを描いた物語。 災害被害にあい、生き延びた者、そうでない者。 そしてこれから、生き延びたものはどう前に進むのかまでが書かれた本作。 その後の話は 続泥流地帯に続く。
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初の三浦綾子さん作品。北海道の活火山である有珠山噴火から25年という節目に縁あって出会う。上富良野地方の小作農である石村一家の、貧しくも人間らしさを失わず力強く生きようとする生き様を、近隣家族、富裕層との人間関係も交えながら大正期の社会情勢も踏まえて描写されている。終盤で訪れる十...
初の三浦綾子さん作品。北海道の活火山である有珠山噴火から25年という節目に縁あって出会う。上富良野地方の小作農である石村一家の、貧しくも人間らしさを失わず力強く生きようとする生き様を、近隣家族、富裕層との人間関係も交えながら大正期の社会情勢も踏まえて描写されている。終盤で訪れる十勝岳噴火という突然の災害により一瞬にして失われる家族。災害の無情さ・悲しさを叙述した作品でもある。
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