道ありき 青春編 の商品レビュー
真剣な「愛」の重さが、ずっしり心に残った。「好き」「嫌い」をこえた、 相手への尊敬や愛しさ、感謝、信頼、忘れられない想いが詰まった作品だと思う。同時に、クリスチャンである綾子さんの、信仰の証しでもある。
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二回目の読了。一回目とはまた違った感動を得ることができた。 三浦綾子と二人の男性の愛の清らかな姿に心が洗われる思いがした。 神がなさることは全て正しいと三浦さんは書いているけど、それをどう解釈すればいいのか、今はわからない。これまでは素直に受け止められたことばも、今は受け止めら...
二回目の読了。一回目とはまた違った感動を得ることができた。 三浦綾子と二人の男性の愛の清らかな姿に心が洗われる思いがした。 神がなさることは全て正しいと三浦さんは書いているけど、それをどう解釈すればいいのか、今はわからない。これまでは素直に受け止められたことばも、今は受け止められない部分もある。 今回の震災で教えられたことはたくさんある。 だけども、その犠牲はあまりに大きい。 それでもやはり私にとって三浦文学はとても大切なものなのだと再確認した。
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クリスチャン作家の三浦綾子さんの自伝的小説。 敗戦による虚無感、そして肺結核により13年間の闘病生活の中にあった綾子さんを信仰へと導いた前川正さんをはじめとする多くの人々との出会いと交わり、そしてご主人となられる三浦光世さんとの出会いから結婚に至るまでが描かれている。 私が「道ありき」と出会ったのは、高校の図書室でだった。 当時、様々な出来事を通して、自分の心の中にある恐れや自己中心的な罪と出会い、「私は何のために生きているのだろう。」と、自分の存在目的が崩れていくような思いの中にあった。 自分の心の内側をのぞいてみると、利己主義が染みついており、どうしてもぬけられない。それゆえの虚しさがいつも横たわっていた。 空虚な私である。そして今たまたま持つことのできている能力や健康や持ち物がすべて失われたとしても、それでも私を愛するという存在はあるだろうか。 もし、そのような愛がどこかに見出されるなら、自分であっても生きていてよいという許可や生きる目的が与えられるような気がしていた。 そのような中で出会ったのが、本書だった。 三浦綾子さんは、罪の問題をあいまいにすることなく、むしろ罪と向き合う苦しみを通して、神様と出会われる。 苦しみと虚無の中にあった三浦綾子さんを「生きる」ようにと導く前川正さんや多くの人々の背後に働かれる「神様」の存在をとても感じた。 神様と出会い、次第に神様を信じ、神様にゆだねて生きるようになられる綾子さんの姿にとても感動し、私も神様と共に歩めるようになりたいと、強く思わされたのだった。 神様は人が持つ、罪による苦しみをないがしろにされない。 そこに深い慰めが感じられた。 「道ありき」は、私の信仰をもつ直接のきっかけとなったともいえる本だ。
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教師という仕事に誇りを持っていた三浦綾子は、敗戦をきっかけにして、教壇にたつことが出来なくなってしまった。 それまで正しいと信じて生徒に教えていたことが、敗戦と同時に教科書の一部は黒く塗りつぶすことを強制され、自分が何を正しいと考えるかに戸惑い、絶望する。 さらには肺結核を発病し、人生のどん底に落とされたとき、様々な人との出会いを通して、生きることに対する想いが変わっていく。 故・前川正との出会いには、深い誠意を感じた。 でも私、宗教の話ってよくわからないから、三浦綾子がキリスト教に魅せられていく過程、宗教に対する熱意はいまいち理解出来ず、最後はちょっと、読むのが飽きてた。
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2010.11.18. 読む本がなくなったので、久しぶりに手に取る。中学生~高校生の、思えば非常に多感な頃に、三浦さんにどっぷりはまっていたんだなぁ。読んで、清々しい気持ちになる。自分は甘えているな、とつくづく思う。
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終戦、病、人間と接していく中で繰り返す虚無感、自責の念。そしてキリスト教との関わりから生まれる自立と自立の精神。その全てが繰り返されながら展開して行く三浦綾子の自伝的エッセイ。
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迷いの中にいた私を原点に引き戻してくれた一冊。三浦綾子の自伝的小説。信仰とは人生ということを、強く教えてくれた。ずっと部屋に投げてあったものだったけど、今この時に手にとって読み始めて、読み終えたことに強い導きを感じる。私もまた神の愛の中にいると実感。感謝。 10/5/25
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ずっと読み返したいと思っていた本。10年くらい前に一度読んで、放心状態になった後で、もう一度、機会があったら絶対に読もう、と思っていて、やっと読めました。 二回目、となると思い入れのある作品は大概湧き上がってくるところが急に出てきたりしますが、この作品は全く違い、徐々に徐々に、し...
ずっと読み返したいと思っていた本。10年くらい前に一度読んで、放心状態になった後で、もう一度、機会があったら絶対に読もう、と思っていて、やっと読めました。 二回目、となると思い入れのある作品は大概湧き上がってくるところが急に出てきたりしますが、この作品は全く違い、徐々に徐々に、しっとりとした北国の寒さを携えて燃えるような何か熱いものが湧き上がってくるような気がしました。 (2010.04.30)
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三浦綾子さん、「母」も「塩狩峠」も良かったから期待して読んだのに・・・。正直、この本は疲れる・・・・。
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凡人では巡り会えそうにない出会いに満ちた著者の青春の日々。敗戦後教職を退いた後、13年にも及ぶ闘病生活を中心に、キリスト教、それに導いてくれたフィアンセ、フィアンセ亡き後一途に著者を見守るのちの夫、教え子、教会関係者。よくもこれだけの人々に特別の存在として認められたかとその人とな...
凡人では巡り会えそうにない出会いに満ちた著者の青春の日々。敗戦後教職を退いた後、13年にも及ぶ闘病生活を中心に、キリスト教、それに導いてくれたフィアンセ、フィアンセ亡き後一途に著者を見守るのちの夫、教え子、教会関係者。よくもこれだけの人々に特別の存在として認められたかとその人となりを大きさを思わずにいられない。 長く病に伏す人の忍耐や慟哭、小さなモノや事への目配り、だんだんに精神を鍛えられていくのだろうか? 彼女がキリスト教に導かれていく過程は、少し理解できる気がした。というか初めて、そういう心の向きようをもっともな事と思えたし、そうかもしれないと思えなくもなかった。大病ゆえにそれがくっきりと感じられたというワケではなく(否、やっぱりそうかな?)、厳しく自分を見つめていくと何がしかの信仰に近づくのか、と。
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