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少女コレクション序説 の商品レビュー

3.8

35件のお客様レビュー

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ハンス・ベルメールの…

ハンス・ベルメールの人形やインセスト礼賛など。表紙の写真もよい、かわいい本です。

文庫OFF

少女についてのペダン…

少女についてのペダンティックな考察。今読んでも面白いです。

文庫OFF

2024/04/17

非常によい。何度見返しても、『少女コレクション序説』というタイトルは非常に秀逸だと思う。どうやったら思いつくのかなあ、そんなのって思っちゃう。少女の肉体さえもオブジェとして見てしまうのが澁澤さんらしくてだいすき。

Posted byブクログ

2022/06/17

一行の中に自分の知らないことが必ず一つあると言ってもいいくらいの、膨大な知識で語られる少女についての本作。どんどん自分を新たな世界に誘ってくれる(笑) 以下、箇条書きでメモ。(何回も読んで増やせたらいいな・・・・・・・) ・デカルトが自分の娘そっくりに作らせた自動人形に「我が娘...

一行の中に自分の知らないことが必ず一つあると言ってもいいくらいの、膨大な知識で語られる少女についての本作。どんどん自分を新たな世界に誘ってくれる(笑) 以下、箇条書きでメモ。(何回も読んで増やせたらいいな・・・・・・・) ・デカルトが自分の娘そっくりに作らせた自動人形に「我が娘フランシーヌ」って語りかけてたのはびっくり。 ・「処女崇拝➡冷感症崇拝➡ネクロフィリア」はそこそこぶっ飛んでて好き。 ・処女は古代では恐れられていたのか・・・・・・・ ・「近親相姦=ユートピア」もぶっ飛んでて好き。『瓶詰の地獄』をそう見るのか! ・ポーの『黒猫』の解釈も興味深い。 ・サドの『・・・・悲惨物語』のストーリーはめちゃめちゃ好み! 読んでみたいな(追記:「悲惨物語」読みました! 意外としっかりしていて、サドらしいような、そうじゃないような、けどよかったです) ・コンプレックスの量凄すぎ ・「ベルメールの人形哲学」「玩具考」は全部興味深い。

Posted byブクログ

2020/06/28

フランス文学者である澁澤龍彦(1928-1987)の広くエロティシズムにまつわるエッセイ集、1985年。 □ 本書を購入した当時は、下世話な内容を知的に粉飾して読もうという魂胆であったのだと思う。にもかかわらず、これまで何度も本棚から取り出しては、そのたびに途中で投げ出してい...

フランス文学者である澁澤龍彦(1928-1987)の広くエロティシズムにまつわるエッセイ集、1985年。 □ 本書を購入した当時は、下世話な内容を知的に粉飾して読もうという魂胆であったのだと思う。にもかかわらず、これまで何度も本棚から取り出しては、そのたびに途中で投げ出していた。冒頭「少女コレクション序説」の内容がいくらなんでも男性中心主義に過ぎて、読むに堪えなかったからだ。しかしいま改めて読めば、ここには男による女性蔑視が典型的に現れているのがよくわかる。 「コレクションに対する情熱とは、いわば物体[オブジェ]に対する嗜好であろう」(p11)。 「なにも私たちが剥製師の真似をして、少女の体内に綿をつめ、眼窩にガラスの目玉をはめこまなくても、少女という存在自体が、つねに幾分かは物体[オブジェ]であるという点を強調したかったのである」(p11)。 「小鳥も、犬も、猫も、少女も、みずからは語り出さない受身の存在であればこそ、私たち男にとって限りなくエロティックなのである。女の側から主体的に発せられる言葉は、つまり女の意志による精神的コミュニケーションは、当節の流行言葉でいうならば、私たちの欲望をしらけさせるものでしかないのだ。[略]、女の主体性を女の存在そのものの中に封じこめ、女のあらゆる言葉を奪い去り、女を一個の物体に近づかしめれば近づかしめるほど、ますます男のリビドーが青白く活発に燃えあがるというメカニズムは、たぶん、男の性欲の本質的なフェティシスト的、オナにスト的傾向を証明するものにほかなるまい。そしてそのような男の性欲の本質的な傾向にもっとも都合よく応えるのが、そもそも少女という存在だったのである。なぜかと申せば、前にも述べたとおり、少女は一般に社会的にも性的にも無知であり、無垢であり、小鳥や犬のように、主体的には語り出さない純粋客体、玩弄物的な存在をシンボライズしているからだ」(p12-13)。 女から一切の人格や主体性を剥ぎ取り男の観念の標本箱に少女のまま永遠に閉じ込めておこうとする暴力的な欲望は、まさにミソジニーそのものであるし、さらにそうした欲望を、自分の人格や主体性が無化されてしまうかもしれないという恐怖など微塵も感じないでいられる特権的な位置から、やれ文学だの芸術だのと衒学的な御託を並べながら仲間内の読者や文学者連に語るとき、それは男性性からくる自己の欲望をホモソーシャルな関係性の中で正当化しようとしているようにも見える。とすると、エロティシズムについて広範に語っていながら男性同性愛についてほとんど触れられていないのは、彼のホモフォビアを逆照しているということか。 □ 本書をなかなか読む気になれなかったもうひとつの理由は、澁澤は自分が妊娠させた妻に複数回中絶を要求しついに妻は子を産めない身体になってしまった、という逸話をどこかで聞いたからだ。本書収録の「インセスト、わがユートピア」の冒頭で自分が子どもを作らない理由を述べているが、自分の観念的な遊戯に他者の身体を巻き込むなと言いたい。 澁澤には女性読者もいたと思われるが、どのように彼の文章を読んでいるのだろうか。主体性を奪われる女の側に同一化して読むのか。主体性を奪う作者の側に同一化して読むのか。或いは作者に現れている男のセクシュアリティに半ば呆れ半ば憐れみながら読むのか。 □ 「君が何であるか、いま判ったよ。君はぼくの自己愛なのだ!」(p97)。

Posted byブクログ

2020/05/12

澁澤龍彥のエロスに関連するエッセイをまとめた作品集です。本書に収録されている「人形愛」、「アリス」、「幻想文学」、「近親相姦」、「処女」、「コンプレックス」などをテーマにしたいずれの考察も、1980年代の文章なので、現在からみるとちょっとと思う部分もありますが、博識ぶり、先見の明...

澁澤龍彥のエロスに関連するエッセイをまとめた作品集です。本書に収録されている「人形愛」、「アリス」、「幻想文学」、「近親相姦」、「処女」、「コンプレックス」などをテーマにしたいずれの考察も、1980年代の文章なので、現在からみるとちょっとと思う部分もありますが、博識ぶり、先見の明には驚かされます。難しい内容ではあるのですが軽妙な書きぶり、茶目っ気のある文章にあっという間に読めてしまいます。表紙の四谷シモンの少女の人形も耽美で美しいです。

Posted byブクログ

2018/04/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「少女」という影に自身の欲望を投射するとか、小児期に負った心の傷が芸術の根底になるとか、自分の要素を持った客体として妹をみる(近親相姦)とか……読んでいると、「女性として」はいろいろ言ってやりたくもなる。けれど対象を「その者の対」と単純化して考えたり、好きな物語の登場人物(BL)に置換したりすると、読み物としては楽しめてしまう。 あと個人的には「クロンハウゼン夫妻の列挙したポルノグラフィーの特徴を示す11項目のリスト」が日本の現在でもフッツーに通じ得てみえて、人間変わらないなぁと苦笑してしまった。 後半は前半の知識を基に、「少女」を拡大した知識が語られていて興味深かった。

Posted byブクログ

2017/07/17

タイトルと中身は結構違ってて、エロス全般について考えた文学書という感じでした。 読んでいて心にとめておきたい文章が結構でてくるけど、教養がないと読みにくく、分からない単語もちらほら出てきました・・・

Posted byブクログ

2015/03/14

エロス、倒錯、フェチズムが渦巻くめくるめく澁澤ワールド満載! のエッセイ。 耽美で官能的な文章世界にはみてはいけないものをそっと覗き込むようなスリルがあり、引き込まれました。 シモン先生の儚く官能的な少女人形がまた、この世界にぴったり。

Posted byブクログ

2014/08/26

澁澤龍彦の幻想世界とエロス。 少女・人形への想いが物語りの少女につながる。 コンプレックスの様々な名称は、たくさんあって驚いた。

Posted byブクログ